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黄昏のきみ(仮)  作者: 鼻クソ王子
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第4話 始まりの町2

読んで頂けたら幸いです。

ガイーシャ王国には王族は皆、何かしらの役職に就いて公務を行っているが、15歳未満であり、尚且つ女性であると言う点では出来る事に限りがあるものである。


彼女が現在、就いている役職は観光大司。

言わば、閑職と呼ばれるような御飾りであるが彼女としては半ば真剣でやっているから達が悪い。


「本日の予定は、お昼に都市の有力者と会食、午後は美術館に訪問、夜は地方貴族の若い方々との会食。」


淡々と手帳にメモされた内容を読み上げて行くに連れて、自分の仕える姫君から深いため息が盛大に漏れる。


「ねぇ、サラリオーシャ?」


「はい、ルル様。」


「この町の有力者たちは、私を豚や家畜か何かかと勘違いしてはいないかしら……。毎日、会食っ、会食っ、会食って私は食べるのが嫌いではないけれど。こう毎日、食べているとね。食欲が落ちると言うか、いつもと違うものが食べたくなるのよね。」


チラっ……、チラチラっ


「そう言うと思いました。私も準備しているものがございます。どうぞ、これをお使い下さい。」


「そうよ、流石だわ。待っていたのよ、やっぱり貴方が一番頼りになるわ。」


「はい、ルル様。」


「そうよ、そうよ、これだわ……って下剤じゃないのよ。違うわよ、ここは市井(しせい)の食べものを出す場面でしょう。流星飴が食べたかったのっ。貴方は何年、私の付人しているの?」


「しかし、ルル様。最近少し丸くなられては居ませんか。」


「ギクっ……、そんな訳あるわけないでしょう。王族は太らない、そう言うものなの。」


「また、変な格言を増やして……。ルル様、失礼します。」


ぶに♪


「「…………。」」


「ルルっ様、少し……。」


次の言葉は主君に遮られる、これでもかと顔を赤くさせて。


「そっそれ以上、何も、お願いだから何もいわないでっ!?」


(この方は、出されものをほとんど残せばいいものを。ここは、私がどうにかするしかないようですね)


「忠実な側付として、主君のスタイル維持は私の仕事でございます。お嬢様、下剤ダイエットってご存知でしょうか?」


「ねっねぇ……、何で下剤持って近づくの?」


(これは、忠義心。断じて日頃の仕返しなんかでは……、多分ない)


「王族はトイレしないから、必要はないわ。」


(また、変な格言を増やして)


「目付きが恐いのだけど……、本当にゴメンなさい。今度こそ、本当に反省したから~。」


(目付きは生まれ付です、気にしてるのに……、もう許さない。一回痛い目みて貰いましょうか)


「わがまま言わないから許してって、パンツを脱がさないでお願いだからっ~。」


(ピンクのスケスケとはいい趣味してるじゃないですか……、私が用意した下着ですが、ぐへへぇ)


「無言は辞めて、本当に怖いから……。」


「これは失礼を致しました。これは直腸タイプなので、僭越ながらお嬢様の一番に忠臣、サラリオーシャ・クライエレンが務めさせて頂きます。」


「やっぱり怒ってるのね、謝るから……。後、私も一様は王族なのよ、お尻にそんなもの入らないんだからっ。貴方、使った事もない物を主君に使用する臣下がどこにいるのっ?」


「お嬢様、大丈夫です。お兄様で実演済みですからっ。」


「…………、貴方も大概だわ。」


「では、失礼を。」


ブスっ


「あアアァーーっ」


少女の後ろの純(けつ)は散ったのである。



俺は街道の整備に思いを馳せる……、順調に作業は進み、もう少しで次の都市まで整備が終わりつつあるが、都会の都市には7日の内に最低2回は休日にしなくてはいけないなどの意味がわからない規則があり、休日になった訳だが何をしたらいいかわからない。


とりあえず、当たりぶらぶら散策する事に決めた。

今に思えば、自分で稼いだお金で何かを飲み食いするのも初めてかもしれない。


何の串肉だかわからないが、香ばし香辛料と赤いタレがたっぷりと塗られものや、綺麗で大きな噴水には男女のカップルでカラフルな飴を食べている。


(何にしようか迷うな、大事なお金だ。良く吟味してから買おう)


ドンっ


「ごめんっ。」


「痛いっ、どこ見て歩いているのよ。お尻に響くじゃない。」


目の前の少女に目をやる、尊大な態度に来ている衣服が平民ではなく裕福な層と一目でわかる。関わると面倒くさいはめになるのは、わかりきっていたので早々に立ち去ろうとすると……。


「ねぇ……、私は飴を食べたいの。ある人と約束したけど、もう果たせなくなってしまったわ。だから、私だけでも約束を果たしたいの……。」


「じゃあ、俺は忙しいでいるので約束果たして下さいね。」


少年は、立ち去ろうとすれば服の袖を捕まれる。


「飴が食べたいの、わかるかしら?」


「買いたければ、買えばいいだろ?買い方がわからないとかか……。」


「お金がないの……。」


(父ちゃんに聞いた事がある、都会には故意に衝突して加害者を揺すり恐喝する犯罪があると……、これが当たり屋かっ!)


「だから、貴方が購入して私に謙譲すればいいじゃない。」


「わかった……、すぐに買ってきます。」



そんな二人を監視するように窺う怪しい男女がいた。


「おっ奴さんが動き出したようだぜっ。」


「わかった。監視を怠るな、高貴な身分の方だ。何かあとらあのお方が悲しむ。」


まだ肌寒い時期に薄着であり、その目は犯罪者の如くギラギラしている。男を例えるなら、触れれば切れた事に気付かない妖刀とすれば、反対に女性の方は鞘から抜刀する音すら聞こえぬ神速の剣豪と呼べるだろう。


「偽国が裏で動いてるって言うのは本当なのか?俺には、平和そのものにしか感じねーけどね。」


「はぁ。また、この地ですか……。」

読んで頂きありがとうございます。

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