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黄昏のきみ(仮)  作者: 鼻クソ王子
3/4

第3話 始まりの町1

読んで頂けたら幸いです。

定期便に乗り3日目にして初めて街と呼べゆる規模の都市に到着した。大きな城壁に囲まれた、街並みは辺境の村とはかけはなれていた。


ここが王都と言われれば今の少年なら信じてしまうだろう。


「坊っちゃん、ずっと驚きっぱなしですよ。」


定期便の御者のおじさんが人の良さそうな笑顔で話かける。


「いや、凄いんだなー、都会は…。」


「そうでしょう、そうでしょう。ここは何て言ったって聖王様が生誕した始まりの街ですからね。この街で始まめると何でも巧く続くって言う願掛けが流行ってるんですぜ。」


街自慢が始まり気分を良くした御者のおじさんは果物を訳てくれた。それがなければ、我慢出来ない程に同じ内容の話ばかりだった……それ、さっき聞いたぞ。


要約すると、ここは国の建国の初代王様が世に初めて武名を届ろかせた事で有名であるそうだ。因みにしたのに初代王は教会に置き去りされた幼児であったため本当に産まれ場所か不明だそうだ。


「もう直ぐつきますぜ?」


「ほっ本当か!」


思わず身を乗り出して喜んでしまう、着いた事への喜びなのか、おっさんの話相手から解放される喜びかは黙って置こう。


「坊っちゃん、次の王都までの定期便の出発は3日後に出発ですぜ。宿屋はまだ決まってないなら、鳩ぽっぽ停がオススメですぜ、彼処ならふっかけられないし安全ですぜ。」


「ありがとう、其処にするよ。」


「では、あっしはこれで失礼しますぜ。」


話に聞いた、鳩ぽっぽ停は直ぐに見つかった。

煉瓦で色どられた外装は、辺境の村から来た少年には敷居が高いと感じられた。


「こんな高そうな宿屋、1人で泊まって良いものか…。」


父ちゃんの言葉を思い出す。


「いい宿屋を探す方法か…。そりゃー、妖艶な女将か、美人の看板娘がいる宿屋だろ?そこ以外には考えられない。騙されと思って泊まってみろ?」


入ってみない事には始まらない。


「宿を探してるのですが…泊まれますか?」


ひぃー…


ムクリとカウンターから出て来たのは、妖艶な女将でも美人の看板娘でもない。


大熊の様な巨体のお男だった。


「まっ間違えました、別の店にします。」


反転して逃げる様に退散しようとしたが、首根っこを大きな手で捕まれた。


「おめぇ、良く見ると、いい身体してるな…。」


「ひぃー。」


捕食者と睨まれた草食動物のように何も抵抗出来ずに捕まるのであった。


「おめぇは客か?それとも仕事探しか?」


「えっ?本当に宿屋の亭主なの?」


「がっははははぁ~。おうとも、大熊のポッポとはオラの事だ。建設業と宿屋の二枚看板を背負ってんだ。」


大熊なのに…鳩ぽっぽって関連性まったくないんだけど。


「ぽっぽ殿、建設業とは仕事の斡旋をしてるのか?」


「おう。今、ちょうど仮想神機を使える奴を探してる最中だ。おめぇ、もしかして扱えるのか?」


「勿論、小さい奴なら毎日動かしてた。」


「本当かっ!明日から作業頼んで以外にか?作業が押しててな、このままだと納期間に合わないんだ。」


「日雇いで1日泊、昼と夜の2食に風呂までつける、どうだ?」

「乗った。3日後には定期便で王都に行きたい、それまで世話になる。」


「「商談成立だな。」だ。」


お互いに握手する姿は熊と猫が握手する様で滑稽だ。



※始まりの街の街道

「そら、早く終わらせないと昼飯抜きだぞっ!」


いつもの煽りも今日は、誰しも反応が晴れやかである。建設業はノルマが全てだ、報酬もデカいがリスクもデカいのだ。


ここ暫くは、天候の悪さが影響して作業が滞っていたが大金叩いて仮想神機を導入してみたが作業スピードが異常である。


運良く、召喚師を雇えたのが成功者した。


大人が二人で運ぶ大きな木材を仮想神機は意図も容易く持ち上げる、さらにそれを目的の場所に正確に並べるのだ。


(これは、将来的に労働者の仕事がなくなるな……。)


召喚師の少年は、黒髪碧眼で辺境から王都のアカデミーを受験しに行くと言っていた。見事に仮想神機を使役し汗もかかずにいるその姿に、驚愕を禁じ得ない。


「おめぇー、本当に仮想神機の扱いがうめぇーのなっ!ちょっと運べば万々歳だと思ってたのに今日だけで3日分くらいの進みぐわいじゃねーか。」


「あーぁ、伊達に召喚師を目指してないぜ!」


「がっははは。言うじゃねー坊主。そろそろ、昼飯にするか?野郎ども、飯にするぞ。」


「「「おおぉォォォォ」」」


労働者たちのテンションが最高潮に上がる。


理由もそのはず、見た目に似合わず大熊ポッポが作る料理は旨い上にボリュームがあり味より量の労働者達から絶対的な支持がある。


「おほほぉー。スゲー旨そう。」


香辛料に漬け込んだ動物の肉を時間をかけて焼き上げそれを少しずつ削り、トウモロコシの粉で作った生地に包み、シャキシャキの葉物と特製のタレと共に挟んだ料理と良くわからないが見るからに美味しそうなスープが付いている。


我慢する事は出来なかった。


長旅で干し肉、木の実、黒パンを3日間つ付けた後では天上の料理と思わずには要られず。お祈りもせずに、口に運んでしまった。


一口、運べば肉汁が硬めな生地に吸い込まれ、あっと言う間に完食し終え、手に付着した肉汁すら舐めてしまう。


「どうだ?旨いだろう。」


ぶんぶんぶん……


呑み込みながら、返事をする間も惜しむくらい堪能した。


「うめぇー、こんな旨い飯を初めて食べた。」


「そうか、そうか……。そんなに良かったか!」


空腹が収まり、一息付くとぽっぽ殿は大男らしくない弱腰で相談し出す。


「ちぃーとっ、相談なんだけどな……。契約の期間を伸ばしてはくれねーかな?」


「契約って建設業の方だよな?何で急に、期限は大丈夫って言ってたよな?」


「それがよ……、さっきの団体様が原因だとよ。」


「あの王さまが乗ってそうな馬車のか?」


ポッポ殿は、腕を組なが思案するように話をつづける。


「第三皇女様だとよ……、ルルなんとか様の為に皇都までの(みち)を少しでも整備して欲しいってよ。」


「断れば……って、無理か。」


「断る前に前金握らされて、行っちまったぜっ。こちらの都合はお構い無しかってな!」


苛立ちも、有るだろが彼が持つ礼金の袋はかなりデカい。

逆らう事よりも従って謝礼金を貰った方が良いと心では納得しているそう思わせるものだった。


(ツンデレかっ!!)


急いで向かう必要もないし、ここは人助けだと思って働いていくのも悪くない。学費は、父ちゃんが払ってくれるが向こうでの生活費のお金は持たせてくれた資金では心許ない。


「しょうがない、乗り掛かった船だ。まぁ、一週間ぐらいなら残っても大丈夫だろう。」


「うおおぉォー、助かる。おら、おめぇ無しでは生きて活けないぞっ!」


「おぃ、見ろよ。新入りが大将を膝まつかせて股間に顔踞(うずくま)せてるぞっ。」

「アイツ、ヤバいよ。二人は、そう言う関係だったの。」

「場所ぐらい考えろよ、……羨ましい。」


「「えっ!?」」


「いやっ、違うからな。変な噂立てるなよ!おぃ、何でみんな離れるんだよ。」



ひっひ……、アァーーー。



結論、お尻は無事だった。


(ノーム、俺の純(けつ)は守ったぞっ)

読んで頂き、ありがとうございます。

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