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T字路交差点

T字路交差点4

初めにお断りしておきますが、この作品は詩でも小説でもありません。

一人芝居の台本です。

それでも読んでみようという方だけ読んでください。


 爆音とともに、T字路交差点に何かが衝突した。

 道路が交わる真ん中に存在する丸い物体から、ひとりの少女らしき人物がふわりと飛び立つ。


「へー、ここが地球ってとこなんだ」

 少女は周りを見渡し感嘆の声を上げる。

「技術的には、あたしの惑星よりはるかに遅れてる、これなら別荘地として最高ね、手始めにここの掃除をしないと」

 いきなり物騒なことを言い出す少女、おもむろに右手を振り上げると、瞬く間に光球が発生し、そのまま真下に手を振りかざすと、光球が地面に着弾し爆発する。

 さらに少女が何かを念じると、多数の光球が出現し、四方八方へ飛び散り爆音を響かせながら、建物を破壊していく。

 まさに破壊者といった存在、躊躇うことなく無数の光球を撒き散らす。


 そんな中、サイレンの音が響き渡る、どうやら誰かが警察に通報した――

 警察官が現れ少女に――


「ちょっと、勝手なこと書くな!」

 この少女、誰に話しかけている――

「決まってんでしょ、あんた」

 意味が分からない、他にまだ人物は登場して――

「あんただって! わかってんの? バカ作者」

 どうやら地の文に対してのツッコミらしい。

「ツッコミじゃない、あたしの行動に制限かけんなって言いたいの」

 制限といっても物語を進めるには地の文が――


「あたしはあたし、あんたの思い通りになんて動かないんだからね!」

 こいつ、反抗期らしい、歳いくつだっけ?

「14歳、あんたが今考えたんでしょ」

 そう14歳、身長と体重は?

「こっちの表現に従えば、身長154cmで体重は40kg」

 こういう文には反応するらしい、スリーサイズ――

「うるさい、女の子にそんなこと聞くな! この変態」

 作者は変態認定されたようです、まぁ作品内のキャラに変態認定されようとこっちは痛くも痒くもないけど、名前は?


「今更名前なわけ? おかしいでしょ、順番的に」

 まぁ、言われてみればそうだ。

「ラミア・カイラート」

 結構まともな名前だ、即興で――

「余計なこと書くなって言ってんでしょ!」

 どうやらこやつ、気に入らない地の文を書こうとすると遮る――

「当然でしょ、さっき言ったこと忘れた? どうしようもないバカ」

 まったく、作者に生み出されたのにそれへの感謝――

「それは感謝してるって!」

 どう見ても感謝してませんよね、本当に――

「うっさい」

 全く話が進められません、どうしましょうか。

「それを考えるのがあんたの仕事」

 否定しておいてそれかよ、貧乳の――

「貧乳言うな! 明かしてないこと書くんじゃないってば」

 はいはい、もうしませんよっと、それではラミアに何をしたいのか問いかけてみる。


「別荘を建てる」

 最初に言ってたね、どうやって?

「全部破壊して更地にしてから」

 物騒すぎるよな思考が。

「あんたのせい! っていうか、いい加減邪魔、あたしの好きなようにさせてよ」

 それはできない、作品の作者だからいないと進みません。

「もう嫌! 消滅させる! 消えちゃえ作者!」

 そう言って、両手をかざしエネルギー波を放つ。

 君の特性は既に承知している、ならばこうするしかないだろうね。


『as for the kind which summons self, a shield name turns down all the calamities, as for the Aegis effect -- it can appear and protect』

(我は召喚する種類は盾名前はイージス効能は全ての災厄を退けるもの現れて守れ)


 セリフは遮ることはできない、これなら――


「こんなバカな作者から生み出されたなんて、恥ずかしいわ、自分で言ってたよね? 都合の悪い地の文を遮るって」


 そして世界は崩壊した。

 たとえ形が変わったとしてもここはT字路交差点、これからも様々な出来事を綴って――


「形にこだわりすぎる作者だし、こんなバカでもあたしの生みの親、生温かい目で見守ってあげて」


脳味噌こねくり回していたらネジをなくした作者です。

このような作品を読んでいただいてありがとうございました。


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― 新着の感想 ―
[一言] あはは、面白かったです。笑いました。 これがラミアっちの生まれた話なんですね。
2013/05/28 17:04 退会済み
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