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沈黙の星  作者: 森野
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愛する君に宛てて

 君が死んでしまってから、もう一週間が過ぎた。僕が作った小さなお墓で、満足してもらえているだろうか。静かに眠れているだろうか。

 眠れない夜があると、君はよくないたものだ。すがるように、僕の膝の上でなく君の頭をよく撫でたっけ。なきつかれて眠る君を、僕は何よりも愛しく思ったんだよ。

 よく晴れた日には、公園に遊びに行ったよね。君は無邪気にはしゃいで、いつも僕を振り回すんだ。何せ僕は体力があまりないからね。疲れて動けない僕を、君は不満そうな顔で見ていたね。僕にもっと体力があったなら、日が暮れるまで君と遊んでいられたのに。

 あれから僕も、少しは体力がついたんだよ。君と追いかけっこをしても、もう途中でバテたりしないよ。きっと、いつまでも走っていられるよ。

 君が死んでしまってから、もう一月が過ぎた。僕は君に、何かしてやれたんだろうか。眠れない夜ばかりで、苦しいよ。頬に顔をすりよせて、慰めてくれる君はもういない。僕はまだ、しばらく泣いて過ごすよ。

 でもきっと、僕は大丈夫だから。君がいなくても僕は大丈夫だから。安心して眠っておくれ。





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