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第5話後編:爆弾スパイデビュー水田希

第5話後編:爆弾スパイデビュー水田希

水田さんをホテルに招待して、しっかりと全員で話し合う。

「水田さん、この任務をすれば君はもう家には帰れなくなるよ。そしてこれを知った以上君を消すしかない。どうする?」

僕は本当に残酷な質問をしていると唇を噛み締めて、血の味すら感じるほどだった。

「私は家族も家系も大嫌いです……私がどれだけ剣道や柔道で優勝しても髪と目の色だけで蔑まれてきました。スリザイアさん、私を雇ってくれませんか?」

彼女は目は涙に覆われていた。辛い過去を思い出させてしまった。僕の答えは、引き受けるなら決まっていた。

「いいよ。君を家族に迎え入れよう。ただし1つ約束してくれ、絶対に無実の人を殺さないで」

彼女は、嬉し涙か、憎くても家族を裏切る悲し涙か「はい!」と答えた。

そして、1つ相談を持ちかけられる。

「私3尺刀の日本刀を愛用してます。なんとかスリザイア……いえ、お兄様の家まで持ち込めませんか?」

僕は悩んだ……さすがにこれは……

するとロスタリアがポンっと手を叩き、何かを思いついたようだ。

「美術刀の特例輸送なら、スタイン様なら手配できます」

僕はありがとう。と言い、水田に少し待っててと伝えてからスタインさんに連絡を取る。

「美術刀か……僕も興味あるしいいよ〜」

「本当に!?でも、武器だよ?」

「そんなこと言ったら木刀だって、鉛筆だって凶器になるさ。安心してくれ。それと……この依頼の次だが、人を雇うだけで構わない。もちろんローリスクローリターンだ。手が付けられないショタ好きの女性兵士を君の下で働かせてくれ」

僕は一瞬彼が何を言ってるか、分からなかった。

「あの……どれくらい手をつけらないの?」

「軍規違反を多数繰り返してるが分隊支援要員のスペシャリストだから、国外の軍人には渡したくないが駒にしたい。つまり君が最適だ」

僕は後で胃薬を試すと決めた後に聞く。

「報酬は?」

「雇ってる間は月2万ドル出すよ」

これが本当にローリスクなのか、疑問に思ったが引き受けることにして、水田に美術刀輸送として運べることを伝える。

そして、胃薬を飲む、作戦時刻。

水田は小型通信機を耳につけて、ボタン型カメラをドレスに付けさせていた。

「ようこそ、水田ご令嬢。お話は聞いております。お部屋へどうぞ」

事前に学業の勉業を頑張りたいと伝え、チェックインすらパスして部屋へと向かう。

その部屋は爆破する部屋の上だ。

2本の水筒型爆弾を用意して、ベランダから落とす。するとバネを用いた装置が、反発して、爆破予定部屋に入る。その後タイマーは15分のため、その間に脱出だ。

さらに水田が安全に出国できるように僕の国の大使館にスタインさんが圧力をかけてなんとか偽造パスポートも間に合った。

「……では、投下します」

ヒューと僅かに風を切る音がしたと思ったら、バリン!という音が鳴り、水田は演技上手なのかフロントに電話して、ガラスが割れる音がした。と伝えてから部屋を出て、コンビニでコーヒーと夜食を買う。もちろん勉業の偽造工作だ。その時には既に爆破されており、消防車や救急車、パトカーも近所迷惑どころじゃないサイレン音の総動員で、僕もテレビで確認したが全ての番組が予定変更となっていた。

そのまま水田は僕達の部屋に戻る。

「おかえり。希」

「お兄様……名前呼びは嬉しいですけど……恥ずかしいです……」

ロスタリアがじどーと見ながら、レイメスは疲れて寝ている。

「さぁ、僕たちも寝よう。君達はベッド……」

「「私が「お兄様と」「スリー様と」寝ます!」」

2人に抱きつかれながら、眠れない夜を過ごしてから、翌日にはなんとか空港に行き、税関に美術刀の手続きも完了させ、帰国する。

そして家族が増えたので僕は一言皆に伝える。喜んでくれるかな……

「重大発表!新しい家を買おう!」

一瞬静まり返るが、すぐに歓声が響き、その夜は大盛り上がりで、皆で設計図や部屋割りなどを考えてる時間が幸せだった。家族を裏切った水田希……いや、希もこの上なく楽しそうで安心した。さて、手が付けられないお姉さん兵士か……仲良くできるかな……

第5話後編終

2作品目の初日分の投稿が完了しました!そしてご拝読お疲れ様です!いつも本当に感謝しております!黒井冥斗の第2作として華々しくデビュー出来ることを少し期待してます!そして軍規違反の分隊支援のスペシャリストお姉さんの大変さとは一体……今晩はここまでですが、明日も毎日投稿するはずなので、続きが気になった方はブックマークやレビューをして頂けると大変嬉しいです!よろしくお願いいたします!それでは良い夜を!

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