第17話後編:スリザイア・グローバル・ランサー設立
第17話後編:スリザイア・グローバル・ランサー設立
バリーン!!という音と同時にラーヴェルトがMP5短機関銃を素早くセミオート(単発射撃)で両肩を撃ち抜き、反撃できないようにさせ、そのまま接近し、足で蹴り、倒れた所を踏みつけながら、短機関銃を向ける。
「スリザイア様、制圧完了です」
「分かった、パソコンを開いてみる」
電源をつけると厄介なことにパスワードがあった。
僕はアーリクスに近づき、パスワードを教えろと言う。
「誰の差し金か知らねぇけど……息子のためにも教える訳には……」
「なるほど、息子の為に妹を犠牲にしたと……ラーヴェルト、作戦変更だ。このクソがどれだけ息子に尽くせるか試させてみる」
ベッド脇にあったスマホを取り出して、アルファに解除させて、息子に繋げる。
「もしもし父さん?こんな時間に何?」
「あとはお前の口から話せ」
「ヘインズ……父さんは今殺されそうだ……会社の経営権を……御前には譲ら……」
僕のジェスチャーに反応したラーヴェルトが傷口をハイヒールで踏み付ける。
「アイタタタ!!」
「父さん!?どうしたの!?警察呼ぼうか?」
「それはやめとけ。僕達は君の父さんの妹に依頼され、任務にあたっている。君が会社の経営権を引き継ぎ、親米寄りになればお父さんは楽に死ねるぞ」
「やめて!お父さんを殺さないで!」
「それは不可能だ。だが君が親米寄りにならなければお父さんをパラミリに引き渡す。そうしたら今とは比べ物にならない地獄が待っているだろうな」
僕は今、心を悪魔にして脅していた。
「お願い……お父さんの命は……」
息子は泣いてるが、僕はラーヴェルトに軽度のスタンガンを撃てと言う。
ジリリリ!という音と同時に激しい叫び声が屋敷中に響き渡る。
「殺せ……殺してくれぇ……」
「さぁ、息子君どうする?」
「分かったよ……お父さんの願いなら……眉間に1発撃ち込んで楽に死なせてあげて」
「今の発言は録音した。履行しなければ今度は君がこうなる」
ラーヴェルトはMP5をアーリクスの眉間に照準し、パンッと撃って絶命させる。
「しっかり殺しておいた。だいぶ楽にいったはずだ」
「約束は守る……だがお前らをいつか見つけ出して殺してやる!!」
僕はその時は全力で待ち構えると告げて、スマホを壊す。
「レイメスはガス爆発準備できた?」
「出来たよー兄様」
「よし。総員5分以内に退避!」
流石手馴れているのか全員が素早く脱して、任務を成功させる。脱出し終わった後に屋敷が爆破し、激しく炎上する。
その後ジョニー隊長達とも合流し、コテージに集合し、反省会を開く。
「正直君達はプロだな」
「そう言ってもらえて光栄です」
ワイバーンさんがサングラスをしていたが、外して、礼をする。
「娘をよろしく頼む……先程返事が届いてな。スリザイア君の所で修行したいそうだ」
「分かりました、僕は大歓迎です」
「ありがとう、可能なら厳しくしてやってくれ」
するとラーヴェルトが前に出て、しっかりと言い放つ。
「私達はプロフェッショナルです。娘さんが楽できたのは今日までですね」
するとジョニー隊長が話をまとめる。
「とりあえずセレストン社は親米寄りになったと仮定して、我々CIAも仕事済みだろう。そちらからなにか伝える事は?」
僕はポケットからUSBメモリーを渡す。
「これは?」
「アーリクス氏の部屋にあったものです。最重要と書かれた箱に入ってました」
ジョニー隊長は受け取るとケースにしまい、カチャンと静かな音が鳴る。
「分かったミルド情報工作担当官にも伝えておく。君達と仕事が出来てよかった。ありがとう!」
「こちらこそ!」
熱い握手を交わした後に僕達はこのコテージで最後の夜を過ごす。
ロスタリアの元に寄ると、バレットM82を大事そうに整備していた。
「やっぱりお気に入りなんだね」
「はい、スリー様。大切なライフルですから」
「本当はこれで……兄を……?」
僕は、言い終わってから失言したと後悔し、他の言葉を考えてるとロスタリアが素直に答えてくれた。
「そうですね、本当はこれを撃ち込みたかったです。スリー様、私にも特殊部隊訓練を施して貰えませんか?」
「いいよ、最強のマークスマンスナイパーにしてあげるよ」
「スリー様には助けられてばかりですね」
これが僕の仕事だからと返して、ゆっくり休んでと言い、寝床に着く。
翌日昼頃まで僕達は外交行嚢用に武器をケースに閉まったりしてるとインターホンが鳴る。
ジョニー隊長が出迎えると、優しげな声に変わる。
「スリザイア君、彼女がワイバーンの娘のサティアだ」
「サティアです!スリザイア教官やラーヴェルト教官達のお話を聞いて、強くなろうと思いました!よろしくお願いいたします!」
僕の家族も口々によろしく。と言い、最後に僕が伝える。
「僕達の部隊には鉄則がある。無罪の民間人を殺さないこと。それだけは約束して欲しい。できる?」
「はっ!遵守します!」
その後はワイバーンさんと面談を行い、娘の事を任される事を正式に頼まれ、再びバスで空港へと向かう。静かな車内ではちょっとした緊張感が漂っていた。
そして空港に着くとジョニー隊長から「またいつか共に、任務できる日を楽しみに待っている!」と言われ、僕達もです!と返し、飛行機に乗り込む。
僕はサティアちゃんの情報をメモに取りながら、10時間近いフライトを終え、ソーサーの車に乗ろうとするが人数が多かったので、僕とサティアちゃんはタクシーで自宅に向かう。
「サティアちゃんはどんな特殊部隊になりたい?」
「単純かもしれませんが、世界トップクラスです」
「分かった。ラーヴェルトは元スカーレット・コブラ所属だったから相当厳しいよ」
「はい!頑張ります!」
その時スマホが鳴り、ソーサーさんからだった。
「どうしました?ソーサーさん……え?自宅に?分かった。とりあえず武器確認と食事を用意してあげて」
「どうされましたか?スリザイア教官?」
「15名くらいの女の子がうちで働きたいそうだ。君が同期の先輩としてしっかり導いてあげて」
サティアちゃんは喜んで、はい!と答える。そして家に着き、サティアちゃんは驚きながらも家に入ると、15名の女の子が食事をしていた。
仕方ない……本気で傭兵会社を設立するか。
「えぇ〜僕が教官長のスリザイアです。君達15名の同期のリーダーはこのサティアちゃんだけど、仲良く、そして僕達は全員が家族だ。故に家族最優先で任務にあたってほしい。では、スリザイア・グローバル・ランサー会社の設立を宣言する!」
皆がおお!!と叫び、その晩は20名以上の女の子に囲まれながら、デリバリーで何枚ものピザとフライドチキンやポテトを買った。
いよいよ、僕達の傭兵としての本業が幕を開ける。
この少女、僕が買います。〜依頼で繋がった新しい家族編〜 完結
こんにちは!黒井冥斗です!皆様の温かいご支援とご評価により、無事に依頼で繋がった家族編を完結できました!本当にありがとうございます!
今後の計画ですが第14回ネット小説大賞を本気で狙うための作品作りの為、それが出来るまでは作品の投稿はしないことにしました。毎日楽しみにしてくださってる方には申し訳ないです…
その分面白くて、重厚感のある、読後感が後を押してくれる様な作品に仕上げたいと思います!それでは皆様、しばしのお別れです!必ず戻ってくるのでお待ちください!




