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第15話前編:最初の家族からの依頼

第15話前編:最初の家族からの依頼

ロスタリアが二人で話したいと言うので、みんなには買い物行くと伝え、喫茶店の暖房の効いた店内にちょっと固めのソファに腰を下ろす。

店員さんにはホットとアイスコーヒーを頼み、単刀直入に話を進める。

「さて、どうした。ロスタリア」

「私と初めて会った時のこと覚えていますか?」

初めての時か……確か奴隷商人の救出の際に……

「もしかして社長云々の話?」

「はい、私は大手兵器企業セレストンの次期社長候補です。なので他の親族や兄妹からも命を狙われていて……」

まさか、ロスタリアがセレストンの人間で、社長候補だったとは……

「それで……戻るのか?」

「いえ、スリザイア様にお願いがあります。いえ、正式に依頼として、私の兄を暗殺してください。兄の部隊に捕まり、酷いことをされて、奴隷商に売り渡されました。ずっと報復をすべきか考えてきましたが、やられっぱなしは私の性にあわないと気がつきました。地獄のような目にあって欲しいと……」

「そうか……僕達の出会いが嫌なわけじゃなかったんなら、まぁいいかな。報酬は今日のこのコーヒー代でいいよ」

「ありがとうございます!スリザイア様!」

この依頼を承諾した時、ロスタリアにも復讐という心があると強く感じた。そして僕の決断も重たいものになると。

そして帰宅した後に執務室でアルファを起動させる。

「神様!私を置いてハワイ旅行なんてズルいですよ!」

「ごめんごめん……まさが直行だとは思わなくて……」

「それで神様ご要件は?」

僕は一瞬口に出そうか悩んだが、ロスタリアから報酬を受け取っている。そして彼女の頼みだ。

「セレストン・アーリクスの殺害を実行したい」

「もしかして、ロスタリア様のことで何か?」

「彼女から依頼を受けてね」

3Dホログラムで映し出される美少女は考えるポーズをした後に、なにか思いついたようだ。

「セレストン・アーリクスは現在、ドイツの都市郊外で確認されています」

欧州か厄介だな……大和皇国の次に銃器を持ち込みにくい地域として有名だ。

「アルファ、良い持ち込み法とかないか?」

アルファは少し不機嫌そうに答える。

「神様!私は便利屋ではありません!サポートがメインですが、法律の穴を突くのは苦手です!」

「ごめんごめん……アルファが優秀だからつい……」

「では、結論から申し上げてドイツに銃を持ち込むには……CIAとの協力が必須です」

CIAか……手を組みすぎるとろくな事にならないイメージはあるが……

「アルファ、ミルド先生に通話かけてもらえる?」

「かしこまりました!」

プルルルルル……

という音が鳴るとすぐに返事が帰ってくる。

「スリザイア君かい。どうしたのかな?」

「実は……」

今回に関してはほぼ2つの家の内輪揉めのため、状況を洗いざらい話す。

「なるほどね。結論としては構わない。というのもセレストンは対米を重視する企業で、アメリカ政府に対して武器の独占的な購入処置を取らなければ、禁輸を行うとまで言っている。そして厄介なことに我が国の主力兵器の弾薬はほぼ全てセレストン製だ。別に国内企業でも対応可能だが、質が違いすぎる。セレストン製はほとんどジャム(弾詰り)を起こさないからね。では、詳細は後日送ろう。あとバラミリ(準軍事)工作官も必要になる」

僕はメモを取りながら、「何故?」と尋ねる。

「外交行嚢(送り元の国の人間しか開けられない特例な輸出品)に武器ですと書いて、事情を説明して受け取る人が必要だ。さすがに少年少女が銃を受け取りに来ました〜なんて出来ないだろ?」

確かに……と僕は返す。

「まぁ、気を落とすな。子供の相手が上手い要員を派遣する。そしてこの任務には『アメリカ政府は一切関与してない』からね。それじゃあ」

「神様、パラミリに何か不安があるのですか?」

「特別大きな不安はないよ。ただ、CIAの裏の話をお父さんから聞いた時の記憶通りなら、万が一が怖いと思ってね」

アルファは落ち着いた声で僕の不安を受け止めてくれる。

「確かにパラミリは準軍事作戦、ほぼテロのような事もしています。そして技量も高いです。ですがだからこそ彼らの上が認めた人間の合同作戦なら不安要素はしないと思いますよ」

「ありがとう、少し楽になったよ。このまま引き続き監視と情報収集任せてもいい?」

「もちろんです!神様!」

僕は一旦、武器庫に入り、銃を眺める。ほとんどが西側と呼ばれるM4シリーズやHKシリーズだ。弾薬も弾頭を見て、その滑らかさを確認する。

「兄様どうしたの〜?」

「あぁ、レイメスか。次の任務まで落ち着かなくてさ……」

「分かるよ、私も爆弾魔やってた頃はよくストレスがが溜まるとニッパーでワイヤーをぱちぱちしてたからね、それで西側の兵器を重点的に見てるということはヨーロッパでの任務かな」

意外と鋭い洞察力を持つレイメスに驚きながら、そうだ。と伝える。

「私は爆弾作って、爆破できて、兄様に褒めてもらえれば充分だから軽く行こうね」

「あぁ、ありがとう」

まさかレイメスに慰める日が来るとは……僕の心も変わり始めているのだろうか

第15話前編終

こんばんは!黒井冥斗です!いつもご拝読ありがとうございます!さて、いよいよ終盤に入った「この少女、僕が買います」シリーズ、実は途中でネタ切れとやる気不足が起きて、筆が進まず、他の作品を書いていた時期もありました。ですが今はセカンドseasonも書きたいなと正直思ってます!ただ今はネット小説大賞に向けてがあるのでその作品が終わってからですね。

ちなみにこのシリーズも900PV後半に入り、1000PVに入れば初めてなろうに出した吸血鬼の執事シリーズと共に1000PV以上達成になります。皆様の温かい支援とお言葉のおかげです!これからも黒井冥斗をよろしくお願いいたします!それではいい夜を!

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