閑話休題ハワイ編1:人生初ハワイ
閑話休題ハワイ編1:人生初ハワイ
常夏のハワイは僕の祖国と比べて、やや蒸し暑かった。今は冬だが、そこそこ暑い。こんな環境もあるのかと驚いた。
アイリンさんがホテルへ直行するリムジン2台まで案内してくれて、で各自で分かれ、景色を満喫する。
「綺麗な海だ」
「でしょ?実は私ハワイ出身なのよ」
アイリンさんの突然のカミングアウトに驚く。
「そうなんですか!?」
「だから日本語も得意よ」
「スリー、騙されんな。このお姉さんはデルタ時代に日本語専攻してただけだ」
レイさんの発言ムッとしたのか、アイリンさんはしばらくはお金貸さないわ。と言うとレイさんは珍しいことを言う。
「実はこの前、一儲けしたんすよ」
「ふーん、なら利子含めて6万ドル返して」
「ごめんなさい……調子に乗りすぎました……」
そんな雑談をしながら、ホテルにつき、アイリンさんとレイさんがチェックインしてる間にロビーを歩き回る。
「どれも綺麗な装飾だ……」
高級ホテルに泊まる事は滅多にないが、来るとどうしても内装を見てしまう。中世の王族の城のような内装はかのハメハメハ大王が見たら、喜ぶこと間違いないだろう。
「スリー!部屋に行くわよ!」
ホテルの部屋割りは男女で分かれるが、女性が多いので実質スイートルーム4部屋借りというPMC会社様々だった。
僕はまず、部屋の中をしつこく探す。
「どうした?スリー」
「いえ、盗聴器や爆弾が無いかと……」
「お前は疑り深いな。ちょうど昼時だしよ、俺が食事奢るからハワイの料理を満喫しようぜ」
「そ、そんな……申し訳ないですよ」
「これでも最近は投資の技術を身につけて少しづつだが貯金もある。心配すんな」
僕達はそのまま、女の子部屋を三部屋周り、ラーヴェルトはホテルで食事を摂りながら、お昼寝したいというので、彼女以外のメンバーでハワイの町へと繰り出した。
レイノーツが早くもスマホで空いてる、高レビューのお店を見つけて、入ると中のクーラーは過ごしやすく、そしてガーリックや醤油の匂いがした。大和皇国じゃないよね?
「スリー様、ハワイには醤油やガーリック、グレイビーソースといった様々な調味料があります。ですから色々楽しみましょう」
「そうだね、教えてくれてありがとう」
そのまま空いてる大きなテーブルに案内され、とりあえずレイさんが全員分のドリンクとハワイ料理を全て注文してくれた。
「あら、レイ。大盤振る舞いじゃない」
「人生初のハワイ旅行を経験する子供たちだ。楽しませなきゃ、大人の名が泣くだろ?」
「そうね、あなたが投資に手を出さなければ貯金は5倍はあったのにね。お金が泣いてるわ」
レイさんはうっ。とした表情を見せつつもドリンクが来ると元気が出る。
「やっぱりハワイの飲み物と言えば!ブルーハワイのフレッシュジュースだよな!」
美味しそうだ、果物も着いてきて、花が浮いており、ストローも環境保護とは無縁なプラスチックだ。だがどうしでも疑ってしまう。サイレースのような危険な睡眠薬が入ってるのではないかと。サイレースを液体に溶かすと青色になるのは有名な話だが……有り得ない、こんなお店でそんな事したら信用問題に関わる。
するとレイメスがごくごく飲んで、ぷはっー!と言う。
「兄様!美味しいから飲んでみなよ」
レイノーツも静かにストローで飲みながら、薬剤味は感じない。兄、心配は要らないよ。と答えてくれる。
希も飲みながらはぁ〜幸せです〜と答える。
「旦那様、疑うのは悪いとは言いませんが気にしすぎですよ」
ロスタリアも観光店なので大丈夫ですよ。と言ってくれて、飲むととてもフルーティで美味しく。飲みやすかった。
その後はロコモコ(ご飯の上にハンバーグと目玉焼きが載った物にグレイビーソースをかけたもの)のグレイビーソースの肉汁たっぷりの旨味を楽しみ、ポキというマグロ料理に舌鼓を打ち、醤油に目覚めさそうになった。ガーリックシュリンプのエビもぷりっぷりで食べ応えがあり、ガーリックの香りも豊かで美味しいものだった。
そんな楽しい1日の終わりはホテルの高級ビュッフェを心ゆくまで楽しんで、深夜に僕は横になっていたが眠れなかった。
どうしても銃声や爆発音が聞こえる。もちろん幻聴の一種なんだろうが……
そのまま、レイさんに置き手紙だけを残して、ラウンジへと向かう。高さ25建ての最上階の部屋の景色は良く、ソファへ向かうと隣にはラーヴェルトがいた。
「ラーヴェルトも寝れない感じ?」
「えぇ、少し……銃声が頭から離れなくて……」
するとホテルマンの人が訪れ、よろしければお飲み物、軽食は如何ですか?スリー様達なら無料ですよ。と言われ、おすすめをお願いしますと言うと、かしこまりましたと返され、静かに星空と海を眺めていた。
「ラーヴェルトはこの世から戦争がなくなったらどうする?」
「……考えたことありませんでした……生まれた時から戦闘訓練を受けてきた私には、戦うこと以外何も無いです……」
「実は僕さ……もし、戦争がなくなって、今の財産があれば学校を作りたい。僕は中学校を中退して、傭兵になった。もう子供達が戦争の道具や性欲のはけ口にされる世界を終わらせて、皆で協力し合えるようなそんな世界にするために」
「スリザイア様はご立派ですね」
すると先程のホテルマンがシンデレラというノンアルコールカクテルとパンケーキを用意してくれた。チップとして5ドル渡すと満足そうに帰っていく。
「ラーヴェルト、今夜はもう少しのんびりしようか」
「ですね、乾杯しましょう」
「「世界の平和に、乾杯」」
そうしてハワイ旅行1日目は幕を閉じた。
こんばんは!黒井冥斗です!ちょっと胃の疲れを感じているので体調悪化の前に早めに投稿しました。そしていつもご拝読ありがとうございます!
ハワイ旅行編は3パートあるので今日明日明後日に分けたいと考えています。ハワイにお出かけしたつもりで楽しんで頂けたら幸いです。そしてハワイ編が終わったら今期のラストシナリオに突入します。スリザイア傭兵家の躍進はこれからですよ〜!それでは良い週末を!




