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第14話中編 1:PMCの社長の見分け方

第14話中編 1:PMCの社長の見分け方

アメリカの空港に着くと、黒くて高級なセダン1台、SUV2台が並んでおり、僕とレイさんと部長さんはセダン、他のメンバーはSUVだった。

静かなセダンがゆっくりと走り出し、部長さんとレイさんに挟まれる。

「なぁ、スリーよぉ。お前いつかCIAに来ないか?」

「え?僕がですか?」

「銀髪で髪も整ってるし、ダークブラウンの瞳も、1手間かければお坊ちゃんだ。パーティー潜入とかも不可能じゃねぇよ」

無論、僕の答えは決まっていた。

「守るべき家族が居なくなったら、考えます」

「そうだな……悪ぃ、嫌なこと聞ぃちまってよ」

部長さんは葉巻を吸い始め、外を眺めながらつぶやく。

「いずれこの国も青少年少女の兵士化を推し進めるだろう。そうなれば君のような優秀な少年傭兵部隊は各国から取り合いになるかもしれない。留意しとけ」

「ありがとうございます。頭の片隅に入れておきます」

そうしてる内にフォートブラックに到着し、車から降りると様々なPMCの人や元軍人や警察特殊部隊のような人達がいた。見ればわかる、筋肉の発達具合に加えて、銃の持ち方プロだ。そうして開会式が行われる運びとなり、急に壇上にスポットライトが当てられ、

シルクハットに燕尾服を着た、どう考えても場違いな男性が来るが、事前に調べた社長の顔と一致していたので、すぐに見抜き、何かを試してると思い、注意深く観察する。

「紳士淑女の皆様こんばんは。今回我らアークランド・セルディア社の軍事訓練に来ていただき誠に感謝する!私の事は適当に社長とでも呼んでくれ!訓練中にちょくちょく現れるが気にするな。それでは」

1個も拍手が鳴らないまま、社長は去り、全員が困惑する中で、僕一人がメモ帳を取る。

「兄様〜何書いてるの?」

「社長さんの身なりと訓練中に現れる事をメモするだけ」

「別にあんなのいいじゃーん」

レイメスはまだビジネスには向いてないなと思いつつ、彼女の肩を掴み、真剣に答える。

「いいか、この世には嘘と真実がある。もし、この場で嘘の社長を出せば、対抗チーム内に社長がいる可能性があると僕は推察する。何故ならそれが一番、訓練をよく見れるからだ」

レイメスはキスでも期待していたのか、頬を赤らめていたが、僕のお節介な世渡りが終わる頃には冷めきっていた。

「兄様って人間不信なんだね!」

するとロスタリアが入り込んでくる。

「スリー様の言う通りですよ。ビジネス契約や場において嘘と真実は紛れ込み、突然襲いかかる。私も父上に教わりました」

「ロス姉も人間不信なんだね!……って痛い!」

ロスタリアに頭をグリグリされてるレイメスを見て、僕は緊張の糸が解けた。今日はもう寒い事もあり、自分たちの兵舎のような施設に向かうと、全員名前が刻まれた個室だった。

「わぁーすごーい!爆破したい!」

「レイメス、最近爆弾テロ発言多いね……」

「爆破はね、世界を変えるんだよ。どんな風にでも。だから私は研究した。それに本当に爆破する時には、爆破したいなんて言わないよ」

彼女の爆破への愛は、何かを変えるための爆破なのだと理解した。

「僕はちょっと他の階も見てくる。ラーヴェルトも来てくれ」

「かしこまりました。スリザイア様」

二人での武装は拳銃のみで、弾倉も3本しかない。もし、重武装の敵に襲われたら一溜りもない。

そのまま、暖房が効き、高級ホテルのような香りがする客室層を全てチェックしていた。

「ここだ」

「スリザイア様?」

「僕の感が正しければ、このヘルヴィンっていう人物が、本物の社長もしくは、観察係だ」

ラーヴェルトは少し思案を巡らせると、飛行機内でのスリザイアから渡された資料の名前リストを脳内照合する。

「確かに違いますね」

「ラーヴェルト、念の為に警戒」

「かしこまりました」

コンコンコン

「はーい!」

出てきた少し小太りのメガネのおじさんだが……見る人が見ればわかる7.62mmNATO弾といった、反動の大きい銃を使いこなしてる証だ。そのため肩の筋肉が発達しており、腕の筋肉も太い。三段腹は食べる量と訓練のバランスの差だろう。

「こんばんは、スリザイア傭兵のスリザイアと申します。今回のイベントについてよろしくお願いしたいと思って参じました」

「礼儀正しいねぇ、こちらこそ。よろしくね。スリザイア君、ラーヴェルトちゃん」

「よろしくお願いします。ヘルヴィン様」

化けの皮が剥がれたな。

「ヘルヴィンさん、僕達全力を尽くすつもりなので、応援よろしくお願いします!」

「はい、こちらこそ。爆弾の腕は聞いてるよ」

やはり、彼が社長と見て間違いないようだ。

「それでは、夜も遅いので、失礼します」

「うん、ゆっくりお休み」

帰り道でポツポツとラーヴェルトと話す。

「スリザイア様、恐れ入ります。私の名前と爆弾の技術は秘匿してあったので知ってるのは社長か部長のみ」

「その通り、これから彼を警戒しよう」

「承知しました」

そして二人で別々の部屋に入り、僕達はこの訓練に隠された意図を見つけ出す。

第14話中編1終

こんばんは!黒井冥斗です!いつもご拝読ありがとうございます!

寒くなってきましたね…体調を崩しやすいこの時期に黒井家ではキムチ鍋を今晩食べます。キムチ鍋で好きな具材はお肉系ですね。みなさんもこの時期ならではの鍋に思いを寄せてみてはいかがでしょうか。それでは、いい夜を!

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