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閑話休題:スリザイア傭兵家の休日

閑話休題 スリザイア傭兵家の休日

戦場の仕事が終わり、僕のリハビリも終わるとスリザイア傭兵は1週間の臨時休業を、スタインさんから伝えてもらった。もちろんどうしてもというのであれば報酬3割増という事で、僕は皆の趣味を観察していた。

ロスタリアはやはりと言うべきか、部屋の掃除や庭と中庭の木の剪定、鼻歌を鳴らしながら楽しそうにしていた。そしてそれらが終わるとラーヴェルトを護衛に着けて買い出しに行っていた。比較的首都に近いのこの郊外でも用心棒無しで少女が歩くのは自殺行為だ。

とりあえず、レイメスの部屋をノックし、入ると大量の爆薬とタイマー、信管などで工作をしているようだ。

「何を作ってるの?」

「爆弾作るんだよ、悪いか?」

「誤爆には気をつけてね……」

昨晩皆で観たアクション映画のセリフを真似して、言う彼女は爆弾姫とでも言うべきか。次に希の部屋をノックしようと思ったが、和室なのでノックして、襖を傷めるのも悪いと思い、入るよ。とだけ伝えて、覗いてみる。美術名刀の桜神を構えて、動かない。呼吸もかなり少なめのように見える。

「希、それって修行とか鍛錬みたいなやつ?」

希は一言、はい。とだけ呟き、鹿落としのコトンと音が鳴ると、部屋が壊れない程度で刀を振り下ろす。その姿はまさに現代のサムライだった。そして彼女は一言。

「お兄様、抹茶と和菓子は如何ですか?」

「あー、お願い」

数分後に出された抹茶は雑味がなく、抹茶本来の甘みと少しの苦味、その苦みを和菓子が中和してくれたが、どうにも正座は足が痺れる。

礼を述べた上で、ソーサーさんの部屋へ向かう。

ノックをしてから、ソーサーさんの部屋に入ると、重たそうなリングが何個も着いたバーベルを持ち上げてる。多分100kgはあるが、驚くべきはその回数が20回を超えている。

「21、22、23……25。旦那様〜頑張りましたよ〜」

「うん。凄いよソーサーさん」

ソーサーさんは20代後半だが、僕に頭を撫でてもらったり、僕を抱きしめるのが好きなのは会った時から変わらない。

「ソーサーさんは筋トレが好きなの?」

「まぁ力仕事と軽機関銃の精密射撃には筋力は不可欠だから。旦那様も筋トレしてますか?」

僕は、ここまで本気では無いけど必要量をこなしてるよ。と言う。

「それじゃあ女の子にモテ……旦那様は私だけのものにしたいので、やっぱりこのままで」

それは、無理があるだろ……そもそも本当に20代か疑わしくなってきた。

次にラーヴェルトの部屋をノックするが、返事がない。静かに扉を開けると、天蓋付きベッドで大きなシロイルカの抱き枕を抱きしめながら、「シロォ……」と寝言を言っている。軽く辺りを見回すとぬいぐるみや可愛らしい服やドレスがある中で、部屋の片面は銃でいっぱいだった。ラーヴェルトは護衛担当のため、武器庫に行く手間を省く観点から、特別に拳銃以外の銃器も自己管理させている。本当は色々聞きたかったが寝かせてあげる事にした。

次に向かったのはエミレーナの部屋だった。この前の戦争の傭兵として航空支援の誘導を任せるはずだったが皆が優秀なおかげでほとんど出番が無く、申し訳なかったと思いながら、ノックする。

「はい、どうぞ」

「失礼するね。無線機で通話中だった?」

「通話中ですけどお気にせず」

その後彼女は北欧の方の言語だろうか?……相手と通話を始め、しばらく聞いてるが何も分からないので、少し聞いてみる。

「相手は誰か教えてもらえる?」

「フィンランド国防軍の冬季狙撃部隊員です」

なんでそんな所にコネクションがあるんだと思いながら、どこで知り合ったの?と聞いてみる。

「青少年少女特殊部隊計画の時にスキーと冬季戦術の指導をしてもらった際に意気投合して、連絡先を交換しました」

「なるほどね。お邪魔してごめん」

世界は広いのか、狭いのかよく分からないものだと正直思った。

僕はそう言うと、今度はなんとなくやっている事が予想が着きそうなレイノーツの部屋に入る。

FPSゲームを怒鳴り散らしながらやっている……

「おい、そこの分隊!戦車来てるのになんでAポイントに向かうだ!バカか!……って兄か。この通り、あなたの家族の1人はゲームやると口が悪く……おい!戦闘機!支援遅れてるぞ!さっさと爆撃しろ!!ピーーピーー(規制音)」

僕は、静かに部屋を出て、自分の部屋で、日課の銃の整備をしてから、最近レイメスがメタルガーディアンズと呼ばれる作品の二足歩行兵器と国連軍最終決戦艦隊の戦艦のプラモデルをくれたので気分転換に組立てる。

「割と楽しいな……」

細かくて、初めてやるには難易度は高かったがやる気は出た。

そして午後7時にはロスタリアと今日はラーヴェルトが夕食当番でビーフシチューとフランスパン、トマトサラダを作ってくれた。

だけど僕はトマトは嫌いだ。

こっそり食べすにいると、ロスタリアが後ろから、一言。

「スリー様〜好き嫌いはダメですよ〜」

と言い、フォークに刺さったトマトを口に入れられる。このグチャとした感覚が苦手だったがチーズとバジルソースのおかげでそこまで苦ではなかった。

そんなスリザイア傭兵家の1週間の休日はあっという間に過ぎていった。明日からどんな依頼が来るのか、まぁ来なくても、しばらく遊べる貯金はあるから心配が無いのは心強い。だが、僕は思いもしなかった。明日レイノーツがブチ切れて、僕とラーヴェルトを連れ回し、極秘AIの開発研究所を襲撃するなんて……

閑話休題終

こんばんは!黒井冥斗です!1週間お疲れ様でした!そしてご拝読ありがとうございます!

美術刀良いですね。作家デビュー出来たらフルオーダーの3尺刀に桜神とか付けたいです。

さて、黒井は現在来年度のネット小説大賞を見込んだ大型計画を動かしております。もしかしたら今年度に間に合うかもしれません。黒井は体調を無視して、やる気があれば1週間で70ページ書けるので割と可能性はあります。最近はクオリティとそもそものストーリー構成を調整しながら頑張ってます。

可能な限り、毎日投稿は続けますがもしかしたら一時的に2日に1度投稿になる日も出てくるかもしれません。体調は本当に最優先なのでご承知願います。そして明日は土曜日なので多分2話投稿になると思います。それではお疲れ様でした!

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