第9話前編:拠点防衛作戦
新キャラは後編に登場します…確認不足で登場すると言ってしまい申し訳ないです…もしこの話も楽しんで頂けたら幸いです
第9話前編 :拠点防衛作戦
今、スリザイア家は大きな岐路に立っていた。優秀な少年兵達と聞いた当国政府が戦争の戦力補助として、僕らを使いたいらしい。もちろん正式な国家からの依頼なので報酬は今までの最高額の1年間遊び放題の額だ。
「僕達が守るのはこの迫撃砲陣地で、多分めちゃくちゃ砲弾やら銃弾が飛んでくると思う。なにか案はある?」
全員が頭を悩まし、ラーヴェルトが銀髪を揺らしながら挙手する。
「航空支援は可能なのでしょうか?」
「航空支援機はあるけど、JTAC(統合末端攻撃司令官)は自分達で用意してくれってさ」
するとソーサーさんが今まではタバコだったが、今ではなんとか皆の合意の上で、肺がんなどリスクの少なく、副流煙の影響も少ない、香りを楽しむ電子タバコを吸い出す。
「JTACは狭き門だからねぇ……私が軍にいた頃も各部隊で取り合っていたよ」
「レイノーツ、人材を見つけ出す事って出来る?」
僕の質問にレイノーツはできるよ〜と言って自分の部屋に立てこももる。
「さて、レイメス。大仕事頼んでいい?」
「なになに〜?」
「大量のIEDと地雷を作って。全て戦後処理が容易なのように無差別起爆はさせないように。できる?」
レイメスの目がこれ以上ないくらいに輝く。
「各何十個作ればいい!?」
「この迫撃砲陣地を守れるくらい」
「分かった!地図借りてくね〜」
そう言うとレイメスも部屋に戻る。
次の役割分担はソーサーさんかな……
「ソーサーさんはZU-23-2は扱える?」
ソーサーはフルーツの香りを吐き出して、もしかして撃つの?と聞いてくる。
「うん。実はこの前ラーヴェルトにヘリコプター対策で買ったら?と言われてお金もそこそこあるから買っておいた。1基しかないけどトラック付きで23mm弾を600発用意しといたよ」
「なら、連続射撃で3分は持つわ」
僕は何機くらいのヘリコプターを撃ち落とせそうと、尋ねる。
「ハインドだったら4機くらい……あーでもアパッチ・ロングボウが来たら、旦那様には申し訳ないけど対抗できないわね」
「ふむふむ。ロスタリアってバレットM82と対赤外線マントを着ながら走れる?」
「可能ですよ。5kmくらいなら休憩も必要ないです」
ならば、布陣として……
「ロスタリアはアパッチの出現の際にはコックピットを狙撃、それ以外の冷戦期くらいのヘリコプターはソーサーが撃ち落として」
「「了解「です」」
「僕とラーヴェルトと希は要塞陣地の警備ね。3週間生き残るよ」
「はい!お兄様!」
「分かったわ。スリー」
それで僕は、皆に明日から練習だよ。と伝えて、みんなが寝静まった頃に、深夜の街のバーに出掛ける。無論、酒を飲むをわけではない。この国では未成年飲酒は合法だが僕はお酒には興味は無い。それよりも……
BARの扉を開けると愉快なジャズの演奏が流れており、お酒やフルーツの色にすれば彩り豊かな香りが鼻腔を誘われる。
「よぉ!スリー!久しぶり!」
「スリー君、久しぶりね」
レイさんとアイリンさんも今回、この任務に参加するということで情報交換に来たのだ。
「店員さん彼にテキーラを……」
ボコッ!
「あんたバカなの?こんな健康第一な少年にテキーラ飲ませられるわけないでしょ。店員さん、コーラとポテトチップスお願い」
はいよー。と声が入る。
「ありがとうございます。お二人の担当地域は?」
「早速仕事の話ね。偉いわ、そこの株バカも見習って欲しいわよ。私たちの担当地域はCP(前線司令部)の警備よ」
僕はCPの警備は羨ましいと思いながら、答える。
「僕達は第3迫撃砲陣地防衛てす」
すると、レイさんが恐らくウィスキーでむせ込み、アイリンさんも驚く。
「それ使い捨てにされてるわよ」
「あんな所にいくら優秀なスリー達でもよぉ……厳しいだろ……」
「正直に言って、ギリギリの戦力のです」
するとポテトチップスとコーラが届く。コーラは氷たっぷりでケチってるなと正直思った。
「それじゃあ、ドリンクも来たし、乾杯しようか」
「はい!」
「「「カンパーイ!」」」
その後も最近の仕事の話とかスカーレットコブラの特殊部隊能力についても聞いてみた。
「スカーレットコブラねぇ……厄介な相手だったわ。デルタ時代に演習したけど基本的には化け物を壺に押し込んで、さらに化け物を作る感じよ」
そんな蟲毒みたいな……
「でも、あいつら。強かったけど4日目くらいからこっちが優勢になったよな?」
「そうね。スカーレットコブラは基本的には対テロ作戦や斬首作戦が主任務だから4日を超えた辺りから限界が来るのよ。もしかしてチームに入れたのかしら?」
はい。と僕は答える。
すると3人でタイミングよく同時に腕時計を見る。
既に午前1時を指していた。
「スリー君、また戦場で会いましょ」
「じゃあなスリー!コーラお土産に持っていくぜ〜」
「はい、ご馳走様でした」
まだ15歳の少年を背を見送ると二人で話す。
「彼らを守るのも私達の仕事ね」
「だな……あーくそっ!ロスカットで損失1万ドル……あのアイリン様……」
私はため息をついて答える。
「だーからレバレッジはやめとけって言ったのに。今日のバー代金とその損失1万ドルの損失は貸してあげるわ」
彼はありがとうございます!と礼を下げる。このやり取りにも慣れたものだ。後は戦場での慣れが子供や戦友の命を救う。私はそう信じている
第9話前編 終
こんばんは!黒井冥斗です!ご拝読ありがとうございます!最近混沌とした夢と胃の調子の悪さに悩まされております。さて、少し前に自衛隊初のJTACが誕生したらしく、今までは爆撃誘導員という方々がやっていたそうです。では、胃の調子が良くないので、これくらいで締めさせてもらいます。ご拝読お疲れ様でした




