表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/33

第8話:スーパーネットハッカー・レイノーツ

第8話:スーパーネットハッカー・レイノーツ

最近僕の依頼は様変わりし始めた。それはドローンだ。偵察と攻撃が両方が可能なこの次世代傭兵とも言うべき存在に対して、僕の仕事は圧迫されていた。

朝の変わらない皆で囲む、朝食の時間、ロスタリアが全員分のコーヒーを入れる音、最近みんなにお小遣いをあげるようになってから一日中プラモデルを作っているレイメス、朝から瞑想をしている希など、席に座りながらも、思い思いの時間を過ごしていた。

そして、ロスタリアが食事を並べる。

「えー皆、いただきます!」

「「「いただきます!!」」

皆が静かに食べ始める中で僕は先日届いたチラシを思い出す。奴隷オークションのお誘いだ。ハッキリ言って破り捨てたかったが電子オタクも参加するというのでドローン対策のプロとして家族に迎え入れようと思っていた。こんなデカイ邸宅に住むとこんな弊害もあるのかと自認する。

「皆、1人家族を増やすかもしれない。電子技術の専門家をね」

するとソーサーさんが答える。

「いいわね。最近のドローンは軽機関銃も回避してくるし……」

ラーヴェルトも、頷きながら答える。

「特殊部隊でもドローンの使用頻度は上がってる。対策を取るべきよ」

「よし、じゃあ今夜ラーヴェルトと共に奴隷オークションに行ってくる。ロスタリアは後方で万が一の為にスナイパーで会場監視、ソーサーさんは車をお願い。他のメンバーは今日は休日でいいよ」

「「「はーい」」」

僕はコーヒーを飲み終え、珍しく僕からスタインさんに電話する。

「やぁやぁ、愛しの親友を。どうしたんだい?」

「ブルードフォア家が開催する奴隷オークションで電子機器の専門家が出るらしくて、家族にしようと思う。手を回して貰えないか?」

彼は悩み出す。珍しいな。

「ブルードフォア家ねぇ……あいつは奴隷集めも痛ぶるも好きな危険なやつだ。いずれ君と戦うだろう。とりあえずその電子の専門家だけは取っておくように僕からコネクションを取るよ。じゃあね」

ブルードフォア家……許せない……いつかは叩き潰してやる。

そして夜、ラーヴェルトと共に港のクルーズ客船で行われる奴隷オークションには政財界の大物が集っていた。

そして僕は身分証明書を出すと、別室に案内される。

そこで首輪をつけられた少女を連れた、肥太ったおじさんが出てきた。

「やぁやぁ、スリザイア君。噂を聞いてるよ。この子は本当に躾がなってない。ほら、挨拶しろ」

おじさんが彼女を蹴ろうとした時に僕は咄嗟に言葉が出た。

「やめろっ!その子は僕が買う。傷をつければ価値が落ちるぞ」

本当はこんなこと言いたくない。人の価値は平等とか以前に、人として人を大切にする考えは僕の肝に銘じてることだ。

「それはすまなかった。では、彼女と1分話してもいいよ」

「初めまして、スリザイアです。君はなんて言う名前なんだい?」

彼女は不機嫌ながらも答える。

「私は自分の名前が嫌いだ。父も母も私の能力を認めてくれなかった……あんたが本気で私を買うなら1つ機密情報を渡す」

「……いいだろう。元よりそのつもりだ」

彼女は深呼吸してから答える。

「君の通っていた中学校にCIAの工作員が紛れ込んでいる。恐らく君がお世話になった人物だ」

なるほど……もう買わない訳にはいかないが、一つだけ質問する。

「情報源は?」

「CIAワールドクラウドシステムにハッキングした」

僕はとんでもない子を家族に迎え入れるようだ。

「では、この子を僕の家族にします。ちなみにおじ様はなんという名前で?」

「ブルードフォア・レンゴランですよ。よろしくお願いします」

僕は拳銃を抜きそうになったが、ラーヴェルトがさりげなく手で抑える。

「落ち着いてください。マスター」

「あ、あぁ。レンゴランさん、ご契約ありがとうございます。早速うちに帰って、家族に紹介したいと思います」

「他にも奴隷が居られるのですか?」

僕は責任者だ。奴隷だったり、冤罪で囚人になった家族の長だ。落ち着け……ボックス呼吸法で落ち着いた後に一言だけ伝える。

「僕は家族が欲しいだけです。この小切手に10万ドル入ってる。文句ないだろ?」

「いや〜こんな生意気な小娘に10万ドルとは……幸せ者ですなぁ?」

「行くよ。君は今日から僕の家族だ」

そのままソーサーさんの乗る車に直行し、ロスタリアとも合流する。

「あんた、優しいな。だが辛い過去があるだろ?」

「まぁね。でもまずは君の名前を知りたい」

彼女は少し考えて答えを出す。

「エスヴァーン・レイノーツ。家にいた頃のハッカーの愛称で、ネット海賊的な意味だ」

「よろしく、レイノーツ」

すると3人もよろしくと答え、新居に連れて帰える。

そのまま彼女を皆に紹介してから、彼女用の部屋に案内する。小型冷蔵庫には沢山のエナジードリンク、最新型のデスクトップパソコン2台、モニター6枚、ホストサーバー2台。

正直自信のある構成だった。

「スリザイア……いえ、兄と呼ばせてもらいます。これではまだダメです。広域通信装置もお願いします」

そしてしばらく、コンピュータを触ったり、サーバーを見たりして、メモを渡す。

「兄が傭兵で精鋭ならこれくらいは用意した方が初期投資には向いてるよ」

「分かった。家族の頼みだ。何とかしよう。経理のソフトとドローン妨害プログラムだけなら作れそう?」

「問題ないわ。あと夜食ちょうだい」

そしてロスタリアが夜食にフルーツグラノーラの置き、僕は翌朝メモした物を買いに行ったら10万ドル近く飛んだ……サイバー戦は初期投資が莫大すぎる……

第8話終


こんにちは!黒井冥斗です!お昼寝しすぎて危うく遅刻するところでした…本当に申し訳ないです…さて、レイノーツちゃんは尖った性格と頭脳の持ち主ですが根はいい子で認めてもらいたい子ですね。

さて、いつもご拝読ありがとうございます!今夜も新しい子が登場するので乞うご期待!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
ドローンの対策 現代戦ならではの悩みが出ていて面白いなと思いました。 頑張ってください
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ