第1話:特殊部隊に育てられた少年兵
まずはご閲覧ありがとうございます!初めての2作品目の投稿なので緊張していますが頑張って、皆様が喜んでもらえるような作品を目指して書いていきます!よろしくお願いいたします!
第1話:特殊部隊に育てあげられた少年兵
僕は家族を失った。紛争貧困国なら、珍しくないらしい。だが、生きる為の糧が必要だ。それこそがお父さんに教えてもらった特殊部隊としての技能……これしか無かった。
「んで〜このチビ助が今日の俺たちの補佐かよ」
金髪に青い瞳、背も高く、細マッチョな感じだが、戦闘で使う大腿筋や二の腕の筋肉はしっかりしている。
「いいじゃない、こういう小さい子がいた方が和むでしょ?」
こちらの女性は普通じゃないのが見る人が見れば分かる。隠された殺意と即座にナイフを抜けるようにプレートキャリアの側面にカランビットナイフを仕込んでる。腕を上げると同時に相手を切る。どこかの特殊部隊だろうか。
他にも何人か西側系の武器HK416シリーズやM4シリーズなどの銃で武装したメンバーが2、3名、護衛対象が来るのを待っていた。
集まったのはこの国の麻薬取締部の政府高官の邸宅前、僕は愛用のHK416Dのチャンバーを確認する。
「チビ助やるじゃねぇか。大抵の人間は最初から弾、装填してるが、お前は誤射防止を意識してるんだな」
「はい、誤射は信頼と命に関わりますから」
僕は作った愛想笑いで答える。
僕の装備はHK416D、MK12-AS101Sというアサルトライフルの形をしたショットガンを肩からかけて、父さんの遺品のコルト・ガバメントを愛用をしている。
「君、高価な銃を持ってるけどどうしたの?」
「家の武器庫にあったから慣れてるのを選んできた。今は別の小さな家に住んでるけど」
女性の方は僕の体を下から上へ観察する。
「クイックリリース機能付きのプレートキャリアに、弾倉を前面に出して防弾能力も確保かぁ……凄いわね」
「ありがとう」
笑うのは苦手だ、お礼なんて久しぶりに言ったかもしれない。
すると邸宅の扉が開き、護衛対象の太ったおじさんが、葉巻をポイ捨てして、「よろしく頼む」とだけ言い、セダンに乗り込む。
僕達は後ろのSUVに乗りこみ、僕たちの役目は後方支援とセダンまたはこの車が障害物にぶつかった時に強力なエンジンパワーでごり押すというものだ。
SUVの中は涼しく、冷房が効いており、シートも座り心地がよく、先程の男女ペアの間に僕が座る。
そして前のセダンがハザードランプを光らせると前進する。
移動中は女性の方は外を眺めており、男性の方はスマホを片手に悔しそうな顔をしている。
「ねぇ、君。なんて言う名前なの?」
「スリザイア、スリーとでも呼んでください」
お姉さんは嬉しそうに自己紹介を始める。
「私はアイリンよ、そしてたった今株で財産溶かしたのがレイド、レイって呼んであげて。ちなみに私達は元デルタフォース出身よ」
デルタフォース出身には見えないが、それも個性と見た目的迷彩だと僕は感じた。
「スリー君はどうして傭兵になったの?」
「それしか食べていける能力が無かったから」
「そう、独り身なの……孤高の一匹狼みたいね!」
心配してくれる表情をアイリンさんは見せてくれたが、後半はワクワクした素振りを見せる。
その後もアイリンさんはデルタフォースを辞める際に上司から女性は似つかわしくないと言われ、キレたらしく上司を殴った後に退役した話やレイさんは給料の半分を投資に使ってるがリターンが少なすぎてハイレバレッジに頼ったりして、アイリンさんから少しだけお金を借りてる話なども聞かせてもらった。
その時、僕の視界の端、道路から離れた所に壊れた車があった。
「ドライバーさん、停車処置をお願いします」
「え、しかし……」
「お願いします」
ドライバーさんは困惑しながらトランシーバーで前の2台とも停車させる。
「どうしたのスリー?」
「多分IED(即席爆発装置)それもあの車の周りにドラム缶ある事から燃料や鉄の玉とかも入ってると思います。僕が見てくるので、対象の護衛をお願いします」
「わ、分かったわ」
僕は慎重に辺りを警戒しながら、特にキルフラッシュと呼ばれるスコープの反射光に警戒し、車両に対して、道路の反対側から側面に入る。
「やっぱりか……」
道路に対して動態センサーを配置し、通過と同時に起爆。
「爆弾の構造的には爆薬、信管、タイマー……その他諸々……」
僕はトランシーバーでアイリンさんにツールボックスの有無を聞いて、持ってきて貰う。
「解除できるの?」
「信管とセンサーが繋がってるのでここを切れば……」
パチッという音ともに、ピッという音が鳴る。
「タイマーが起動したわよ!まずくない!?」
「問題ありません、すぐにタイマーの回路のこの線を切れば……」
タイマーも止まる。
念の為僕が爆弾の前を通り過ぎるが起爆する様子は無い。
そして車に戻り、移動を開始する。
「スリー、やるじゃねぇか。チビ助とか言って悪かった」
「大丈夫ですよ」
そのまま無事に麻薬取締会議が行われるホテルに到着し、政府高官から報酬が支払われた事をスマホで確認する。
「そうだ、君、まだ食べ盛りだろう、ここのレストランのメニュー食べ放題券だ。私の家系が経営してるから安心しろ」
「ありがとうございます。お言葉に甘えさせていただきます。また次もスリザイア傭兵をお雇い下さい」
少年の背中が遠くなるとアイリンが俺に話しかける。
「可愛い子ね、仲間にしたいわ」
「優秀だけど子供だからな。リスクにもなるだろ」
「投資のリスクは無視するのにね」
二人で元デルタペアは笑っていた。
こんばんは!黒井冥斗です!前作の吸血姫の執事は夜勤込みですからデビューした新人です!今回は現代ミリタリーと前作とは一線画す内容となっていますが楽しんで頂けたら幸いです!今日は5話後編まで投稿しようと思うので長話はこれくらいで…それではごゆるりとお楽しみください!




