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レベッカと小鳥さんと空飛ぶ家

お久しぶりです。

レベッカシリーズを執筆しているヨシタカナギです。

本作はレベッカちゃんが様々な冒険をしていくうちの一つのお話になります。

最後までお楽しみ頂けると幸いです。

 ほんのちょっぴり冷たい風が吹いて、木々はうっすらと赤みを帯びてきた森の中で、今日もレベッカは友達みんなと仲良く遊んでいます。

 すると空からポトリと落ちてくるモノが見えました。


「あれなんだろう?」


 みんなで近寄って行くと、それは手のひらより少し大きいぐらいの小さな小鳥でした。

 青々としたキレイな色をしています。落ちた時に木にぶつかった様子で、うっすらと赤くなっています。

 それをみたレベッカ達は心配そうに声をかけながら、近づきました。


「たいへん! 小鳥さんケガしたてる!」


 レベッカがそっと触ってみると小鳥は小さな声で鳴きながら、ぽろぽろと泣いていました。


「一羽でいるし、それに泣いてるね。もしかしたら、親鳥さんとはぐれちゃったのかも」

「たぶんそうだよ。こんなに小さいのに…なんとか力になってあげれないかな?」

「探してあげたいけど、レベッカたちお空飛べないからどうしよ」


 レベッカたちは泣いている小鳥さんの力になってあげることにしましたが、どうしていいのか分かりません。


 レベッカは小鳥を町に連れ帰ることにしました。そして、パパとママに相談してみます。

 すると両親は言いました。


「レベッカのお友達に相談してみるのはどうかな?」


「そうね、パパとママもお仕事があるし、探しに行くにしても力になれるか分からないから……。レベッカのお友達の妖精さんに相談してみるのがいいと思うわ」


 パパとママに友達に相談してみると言いと言われたレベッカは、明日仲良しの妖精さんに相談しに森へ向かうコトにしました。


 辺りはすっかり暗くなり、レベッカは小鳥さんを連れてベッドに入ります。

 小鳥さんはシーツを引いたバスケットの中に入れてあげます。

 レベッカは寝る前に小鳥さんが寂しくないのかなっと何度も見てから、眠りにつくのでした。


 次の日頬にコンコンと何かが当っている感じがして、目を覚ましました。レベッカが頬のところを触ってみるとフワフワした感触がしています。

 それは昨日助けた小鳥さんでした。


「えへへ、くすぐったいよぉ~」


 きっと助けたお礼をしてくれているのだと思いました。

 朝ご飯を一緒に食べて、それから森へ向かいます。

 飛べない小鳥さんを両手でそっと抱いて歩いていると、妖精さんが暮らす大きな木に辿りつきました。

 レベッカがいつもの様に木に向かってコンコンとノックをすると、中からひょっこりと妖精さんが顔をのぞかせます。


「やぁ、レベッカ。今日はどうしたの~?」

「こんにちは!妖精さん。あのね、この小鳥さんがパパとママとはぐれちゃったみたいで、探してあげたいの」

「その可愛らしい小鳥さんだね。う~ん、近くじゃないなら…心当たりはあるけど」


 どうやら心当たりはあるみたいです。レベッカは妖精さんに聞いてよかったと思うのでした。

 どこにいるのか聞いてみると、上を指さしていいました。


「雲の中に島があって、たぶんそこだと思うよ。ここら辺では見かけない鳥だしね~」

「お空の中にあるんだぁ。でも、レベッカ鳥さんみたいに飛べないし、どうしよう~」


 レベッカは困ってしまいます。お空は飛べないし、どう連れていってあげようと悩みます。

 頭をうんうんうなっていると、妖精さんがいいます。


「連れて行ってあげられるけど、行ってみる?ちょっとだけ大変だけど……」

「お空にいけるなら、頑張る! どうやっていくの~?」

「着いてくれば分かるよ。ほら、こっちこっち!」


 妖精さんに連れられて森の奥の方まで歩いていきました。辺りはだんだん暗くなっていき、ざわざわと木々が揺れています。暗い森を抜けると、その先にぷかぷか浮かぶ小さなお家がありました。

 古くからあるみたいで、あちこちに蔓が絡まっています。

 扉を開けて中に入ると、ふわふわしたソファーと机があって、その奥には大きなベッドがありました。

 れべっかは小鳥さんと一緒にベッドにぽすんと飛び込みんでみると、ぽよんぽよんと跳ね返ります。

 妖精さんも混ざりたそうにしていますが、

 空飛ぶ家をとばさなくてはいけません。


「そのままでいて大丈夫だからね~。それじゃ、とばしていくよー、しゅっぱーつ!」

「しゅっぱーつ!」

 妖精さんのかけ声とともに飛び立つのでした。


 妖精さんにお願いすると、ゆっくりと浮かんでいきます。

 ぐんぐん空へと上っていき、森や町が見渡せぐらい高いところにきました。

 そしてふわふわの真っ白な雲の中に入るのでした。


 雲の間をぐんぐん進んでいきます、森も町もどんどん小さくなっていき、やがて見えなくなってしまいました。

 気づけば下は雲の海が広がっていました。

 上を見るときれいな青色がどこまでも続いています。

 ぼーっと眺めていると黒いモノが一瞬見えた気がします。

 それは一つではありません。

 沢山のまっくろいなにかが、飛んでいるでいるようでした。


「あれ、なんだろう」

「んっ? あぁ、なにか飛んでるのかも?」


 遠くてはっきりとは見えませんが、飛んでいるように見えます。

 よくよく目を凝らしてみると、それはたくさんの鳥さんでした。


「わぁ~!こんなお空まで飛べるなんてすごいすごい!」

「ほんとだね。ぼくもこんな高いところまではこれないから、羨ましいく思っちゃうなぁ」


 仲間の鳥を見かけた小鳥さんはぴぃぴぃと鳴いて呼びかけています。

 しかし、声はなかなか届きません。


 いくら声をかけてもだめで、気づけば雲の海に消えていってしまいました。

「とりさーん!小鳥さんの家族しってるーーー!!」

「あはは…、さすがに遠すぎて聞こえないんじゃないかな」


 きっと雲の先にいるのだろうと風に乗っていくと、そこには不思議なものがありました。

 それは……顔をぐいっと上にあげても全体が見えないほど、大きな岩のようなものが浮いているのです。

 なんだろうと首をかしげていると、小鳥さんはその岩に向かって飛び立とうとしたのです。ですが、傷ついた羽では飛ぶことができません。

 妖精さんはいいました。


「きっとこの子の帰る場所だと思うよ。でも、一人じゃ帰れないと思うし、ぼくたちで連れていこ」 

「うん! そうしよー」


 妖精さんとレベッカはその大きな岩の上へ上へとのばしていきます。

 やっと終わりが見えた時、暖かな風と森の匂いがふんわりと包んでくれました。

 そこには緑豊かな大地があるではありませんか。

 どうやらココは空飛ぶ島だったみたいです。


「わぁー!すごぉい!お空に森があるね!」

「ぼくもハジメテ見たけど…なんてキレイなんだろう」


 二人はその光景に目を輝かせます。

 周りを見渡しながら、小鳥さんを抱っこして森を歩いていくと、。どこからか声が聞こえた気がします。

 その声はだんだんとレベッカに近づいてきて、気づけば真上の木から声が聞こえるのでした。

 こちらをじっと見つめている大きな鳥にレベッカは言いました。


「もしかして、小鳥さんのママなの」

「ぴぃ!ぴぃぴぃ!」


 レベッカの声にお返事するよう大きな鳥は一つ鳴きました。そして、小鳥さんに向かって顔を近づけます。

 すると小鳥さんも顔を近づけて頬をすりすりとこすりつけます。

 ママ鳥に甘えているようでした。

 二匹は寄り添い合い続けました。


「えへへ。小鳥さんよかったね」

「ほんとだね。最初はあんなに元気がなかったのに、今ではすっかり元気いっぱいだ」


 レベッカと妖精さんは無事に再会できた鳥の親子にほっとして、二人して顔を見合わせほほえみました。


 しばらく見つめていると、ママ鳥がこちらに歩いてきました。

 そして、そっと頭を下に向けました。

 きっとお礼を伝えようとしてくれているのでしょう。


「ぴぃ!ぴぃい!」

「ううん!小鳥さんが帰ってこれてよかったね!」


 レベッカはなんとなく、ママ鳥が言っていることがわかるような気がしました。

 しばらく話していとばさりと飛んで、こっちを見つめて「ぴぃっ!」と泣きます。どうやら、こっちに着いてきてと伝えているようでした。。

 どこに行くのだろうと思いながら後をついていくと、大きな木に囲まれて、さっきよりも深く暗い場所へ向かって歩いくことになるのです。。

 レベッカはほんのちょっぴり不安に思いながら、ついていくと……ぼんやりと明かりが広がっていき、気づけば明るい場所に出ていました。

 そこには多くの見たことがない鳥が沢山いて、楽しそうに歌を歌ったり、飛んでいるのでした。

 普段見ることができない景色にレベッカは声を漏らします。


「わわっ!たくさんの鳥さんたちだぁ」

「ぴぃぴぃいいっ!!」


 歓迎してくれるかの様にレベッカ達の周りを飛び回りお歌を聴かせてくれます。

 そうして、鳥さんたちの仲良くお歌を歌ったり、していると、お日様が少しずつ小さくなってきて、オレンジ色に周りを照らし始めます。

 レベッカはそんなお日様の様子を見て、そろそろ戻らないとみんなが心配からと、小鳥さんとお別れすることにしました。


「せっかくお友達になれたのに…レベッカもう帰られないだから……」

「ぴぃぴぃっ!ぴぃいいっ!」


 頬をすりすりとレベッカにこすりつけて、離れたくないと鳴いていましたが、それをママ鳥がそっと離します。

 寂しい気持ちもありましたが、最後には手を振って笑顔で別れ、空飛ぶ家に戻りました。

 来た時の様に妖精さんにお願いして、島から飛び立ちます。

 雲の中はすっかり薄暗くなっていて、方向がわからなくなりそうな程でした。


「町に帰れるかな、妖精さん」

「ちょっと時間がかかると思うけど、ちゃんお帰れるよ。でも、レベッカのパパとママには心配かけちゃーーー」 


 妖精さんはふと、言葉を途切れさせて、窓の外を見ます。

 レベッカはなんだろうと一緒になって覗いてみると、そこには…島の鳥達が方向を教えてくれるように一緒に飛んでくれます。

 レベッカが「みんなーありがとう!」と大きな声でお礼を言うと、元気な鳴き声が沢山返ってきました。

 そんな鳥さん達にレベッカも何度も何度もお礼を言いました。



 そうして、来たときよりも、早く空飛ぶ家があった場所へと戻ってくることができたのです。

 森に帰るとお日様は帰ってしまい、すっかり辺りは薄暗くなっていました。

 ですが、お月様が代わりにほのかな明かりを照らしてくれています。


 レベッカは妖精さんとも別れて家に帰ってきました。

 パパとママもレベッカの帰りが遅くちょっぴり心配様子でしたが、無事に帰ってきてくれて安心した様子です。


「おかえりなさい、レベッカ」

「もう、帰りが遅いから心配したわよ」

「ごめんなさい。でも、小鳥さんはママのところにちゃんと帰れたよ」


 嬉しそうに言うレベッカを見て、二人はにこやかにほほえむのでした。



 ―――あれから、時間は過ぎていき、また森に遊びに行ったときのことです。

 ぴぃぴぃとどこからか鳥の鳴き声が聞こえました。

 木の上を見るとそこには、あのときの小鳥さんがいました。

 そうです、レベッカに会いに来てくれたのです。


「小鳥さん、こんにちは!元気にしてたかな。ず~っと会いたかったよ!」

「ぴぃぴぃっ!」


 一人と一匹は日が暮れるまで遊びました。

 そうして、時々小鳥さんが遊びにきてくれるようになり、友達と一緒に仲良く遊ぶ日々が続いていくのです。


 おしまい。

ここまでお読みいただきありがとうございます。

レベッカシリーズはどのタイトルから見ても大丈夫な様に制作しておりますので、ぜひご覧になって頂ける嬉しいです。

また、次回作も来月には書き終えることができると思いますので、またその時お会いできることを楽しみにしております。

皆様良き読書ライフを。

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