9/12
冷風
季節というのはどれも、僕は初めて海を目の前にした時のように好きであるのに、どうしていつも死のうとなんて思うのだろう。いい風が吹いている。僕の足は進む。でも、どうして死を願わずにいられよう。夜風はやはり心地よく、軽やかに酔える匂いを運ぶ。少なくともこの島にはそうしたものが順々に巡りくる。どれも美しい気分を添える。
静かに、空気の揺れるのがわかるのは夜か。ふと部屋を出ると明かりがすっかり減ったことに驚く。
ああ、少し冷たいなあ。しかし、それがいいのだ。
季節というのはどれも、僕は初めて海を目の前にした時のように好きであるのに、どうしていつも死のうとなんて思うのだろう。いい風が吹いている。僕の足は進む。でも、どうして死を願わずにいられよう。夜風はやはり心地よく、軽やかに酔える匂いを運ぶ。少なくともこの島にはそうしたものが順々に巡りくる。どれも美しい気分を添える。
静かに、空気の揺れるのがわかるのは夜か。ふと部屋を出ると明かりがすっかり減ったことに驚く。
ああ、少し冷たいなあ。しかし、それがいいのだ。
特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。
この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。