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モノカタリ  作者: タイワ
3/5

ときみっつ

なんなんだろうね、人間って。

ああ、ごめんね。

昔作った曲を聴いて、なんだか思い出しちゃってさ。

昔って言っても、一年前のものだけどね。

その頃はさ、ただ何も考えずのほほんと自由に好きなことやっているだけだった。でも、僕は確かにその中で成功体験を積んでいたんだと思う。

でも、今はさ、勉強を頑張ってるーなんていって、その好きなことから離れてさ。それでもずっと何かに誘惑され続けて押し負け続けてる自分がいてさ。

軽めの詐欺だよね、こんなの。

焦らなくていいなんて言葉はもう、僕の中にあっちゃいけないはずなのに、みんなそんなことを言うんだ。だから、仕方ないよねって、自分に嘘をつき続けて、努力もしない……これだった方がまだ潔いしいいはずなのに、ね。

でも僕は、行動しなきゃいけないことを理解していて、それで心が締め付けられることすらあるのに、それでも行動をしていない。そのくせ、まだ自分には努力すればまだ何かやれると過信してる。


努力する才能がない


って、こういうことを言うのかな。

「努力すれば」なんて言葉を使っているうちは、努力なんて一生できないんだろうな。


え? 現状は辛くないのかって?

はは、何を言ってるのさ。こんな現状、他人からしたらただの自業自得なんだよ。

現代日本において、その苦しみのほとんどは自業自得だ。例外は、親の横暴による虐待、過失が一切ないのに理不尽に行われるいじめ、不当な労働環境……とか。

僕は、そんな自業自得を、苦しみなんて大層な言葉で呼びたくない。だから、僕は苦しんだことがないんだよ。

いつの日か、死ぬのが怖くて泣いた日も、黒歴史で胸が締め付けられて死にたくなって、それで必死に生きる意味はないと自己完結しようとしていた日々も、全部苦しみなんかじゃない。

世界の広さ、己の誤り、そんな全てを知らなかったから起こった勘違いだから。

そう思うと、なんだか今までの人生全部空回りしてきたんだなって気持ちになってくる。

なんだろうね、どうしたらもう少し上手く生きれたんだろうね。


でもさ、こんな質問をする割には、僕の中では答えは出てるんだよ。こういう時に何度も思う。「何がしたいんだろう」って。

きっと、誰かはわかってくれると思いたかったのかな。こんな井の中の蛙を、井の中に居させたままに認めてくれる人が欲しかったのかな。もう、わかんないな。

「助けて」って言わないのか?

馬鹿。こんなことで助けてなんて言えるわけがない。仮に言ったとして、助けてくれるの? 無理でしょう。

いや、助けてくれるとして、どうやって助けてくれるのさ。

ごめん、言いすぎたかな。君を否定したいわけじゃないんだけどね。

それでも、なんだか……

ずっと、こんな世界を生きている自分が何かを成せると思っていることが、なんだか、くだらなくてね。

でも、そうするしかないから。

どうしてかって?

あー……ごめん、もう時間だ。これは、今度話そうと思うよ。

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