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「血の家」  作者: 石橋 渉(ろわぬ)
11/86

十一雫

挿絵(By みてみん)


"ドンッ"


「(--------っ)」


「な、何だ?」


「------~~~っ」


"ザッ ザッ ザッ ザッ------...."


善波、そして征四郎の二人が(つた)に覆われた


来宮家の家の玄関から、中に入ろうとすると


目深(まぶか)に帽子を被りサングラス、


そしてマスクをした男が来宮家の家から出てくる


「・・・・」


「(--------、?)」


男は、ちょうど入れ違いに


扉の前に立っていた征四郎とすれ違う


「・・・・」


"サッ"


「-------あ、」


少し足を止めたと思うと、男はそのまま


征四郎の横を抜け広い来宮の敷地を


出口へと向かって歩いて行く....


「な、何だ? アイツは」


「------さぁ」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「ああ、これは、善波さまっ!?」


二人が建物の中に入り来宮家の夫人に案内されて


応接室へと着くと、そこには来宮家の当主である


"来宮 雅彦"


が、笑顔を浮かべながら


座っていた椅子から立ち上がる


「------相変わらずだなっ! 爺さんっ?」


「ええ、善波様も、あまり


 お変わりないようで.....」


「変わるも何もあるかっ!?


 この間会ったのもっ 三年前程だろうっ!?」


「そ、それ程経ちましたか------、」


「思ったより、時間が経ってたから、


 思わずこの家の場所を


 忘れていたところだぞっ!?」


「いえ、とんでもない-------」


「席はここでいいのかっ」


「ええ、どこでも


 好きな所にお座り下さい------」


「(--------、)」


表情を変えず、自分に目線を向けている


征四郎を見て、善波が向き直る


「おいっ 征四郎くんっ!?


 とりあえず、そこのソファーでいいみたいだ!」


「------ええ」


「どうぞ、そこの椅子にお掛けください------」


「いえ、お構いなく------」


雅彦が椅子を持ちだしたのを見て、


気遣いを受けるのも嫌に思ったのか


征四郎は片手を前に突き出し、


会釈(えしゃく)をしながら雅彦の申し出を断る


「ガハハッ!」


善波が大きな笑い声を上げる


「何だっ!? 征四郎くんっ!?


 せっかく勧められた物を遠慮してはっ!?


 -------相手に失礼だろうっ!?」


「(--------、)」


「どうした? 元気が無いな?」


「いや....」


「緊張しているのかは分からんが、


 何、そう構える事は無い」


「(・・・・・)」


「どうぞ、お気になさらず」


「--------、」


「ガハハ!」


何となく、だが、雅彦と善波のやり取りを見て


何故長男であるのに善波が次の御代に


推されていないかが分かった気がする


「さて、話と言うのは....!」


「征佐様の事でしょう-------?」


「・・・・」


善波の隣のソファーに座ると、簡素な


洋風造りの部屋の中に征四郎は目を向ける


「----------

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