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夏休みは終わり、久しぶりに聖女様と会う

 夏休みはあっという間に終わった。

 聖女様と呼ばれている綾織あやおり冬香ふゆかに告白された俺はまた倒れてしまい、起きたら動揺して逃げるように帰ってしまったんだ。何も返事をしなかったから、嫌いになっちゃったよな。

 憂鬱な朝を迎えた俺は、支度をして久しぶりの学校に向かう。

 

 歩いている途中で、後ろから誰かの視線を感じて振り返ると、そこには綾織の姿があった。通りすがる男子生徒は、綾織のあまりの可愛いさに目を奪われている。俺は久々に会った彼女に、挨拶することにした。


「おはよう綾織さん!」

「おはようございますっ!」


 綾織は頬を膨らましながら挨拶をしてくれた。やってることは可愛いけど、これって怒ってるんだよな。

 俺は頭を下げて言った。


「この前はごめん! いきなりの事で動揺して逃げちゃったんだ」

「もういいですよ! 私の事が嫌いじゃないならそれでいいです」

「う、うん。もちろん嫌いじゃないよ」

「それならいいですけど、じゃあしばらくの間は、私と一緒にいてくれませんか?」

「えっ」

「嫌な顔しないでください! この条件をのんでくれないなら、やっぱり許しません」

「わ、わかったよ一緒にいるから」

「えへへっ、じゃあ一緒に行きましょうか」


 可愛らしい見た目とは違って、意外と積極的なんだな。

 

 学校に着いたら、綾織とは違うクラスだから一旦別れることになった。

 自分のクラスの教室に入ると、生徒は夏休みの話で盛り上がっていた。すると友達の、氷室ひむろかがりが話し掛けてくる。


「おっ奏人かなと! 久しぶりだな」

「久しぶりだねかがり

「夏休みはエンジョイしたか?」

「まあまあかな」

「嘘つけ……朝、俺が走って学校に来る時見たぞ。聖女様と歩いてただろ」


 篝はニヤニヤしながら耳元で言ってきた。一緒に学校に行くのを見られてたのか、これは正直に話すしかないよな。


「実は夏休みに色々あってさ。みんなには内緒にしといてくれよ」

「内緒にしておくのはいいけど、あそこまでの美女と一緒にいたら自然と目立つと思うけどな」

「や、やめろよ。まだそういう関係じゃないからさ」

「まだってことは、そのうち付き合うんだな! 俺は奏人のこと応援してるぜ」

「そんなに茶化すなよ」

「あははっごめんごめん。でも本当に応援してるからな」

「ありがと!」


 篝はやんちゃそうな見た目をしてるけど、何故か高校に入ってから仲良くなって今では親友のようになっている。応援してくれるのは嬉しいけど、これからいじられることになるんだろうな。

 夏休みの事を篝と話していたら、先生が来て久しぶりの授業が始まった。


 昼休み。お昼ご飯を食べようと準備をしていたら、廊下から足音が聞こえてきた。嫌な予感がして廊下の方を見てみると、そこには目を輝かせた綾織の姿がある。もしかして俺とお昼を食べるつもりなのか。

 困っている俺を見た篝は、口を開いた。


「早く行ってこいよ、聖女様が待ってるぞ」

「まだ俺か分からないだろ」

「お前しかいないだろ!」

「わ、わかったよ行ってくる」

「おう!」


 恐る恐る立ち上がり近づいていく。だが綾織は待ちきれず口を開いた。


「奏人くん、早く一緒にお昼食べようよ!」

「わ、わかった! 行こうか」

「うん!」


 クラスの生徒全員の視線がこっちに向いた気がした。目立つ行動をしてくるのはわざとなのか、それとも天然なのかわからないな。

 そんな事を思いながら、お昼を食べに行くのであった。

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