ご対面、ヌシ様
今日は調子がよろしいので、もう一話。
洞窟の奥の開けた空間に"ソレ"は居た。
見上げるほど大きく8つの頭を持つ白金の蛇。
のはずだった。
おかしい、なんでこうなった?
いや最初は『よくぞ参った。』とかヌシ様っぽいやり取りがあったはず。
それが今、何故白金髪の幼女が僕の膝の上に座りながらお話ししているのであろうか?
『どうしたのだ?コウたん』
「いや、なんでヌシ様は僕の膝の上に密着して座っているのかなーと考えていました。」
『何を言っているのだコウたん!我に"オロ"と名付けてくれたではないか。名前を付けることそれ即ち名で我を縛る事、即ち結婚!結婚したら密着していちゃいちゃするのは当然ではないか!!』
「僕は当然と言うより呆然です。」
『こーらコウたん!テルやゴンタと喋る時みたいな砕けた話し方でいいと言ったではないか。でないとコウたんの魔力カラカラになるまで食べてしまうぞ♡』
「やめろ。」
『強気なコウたんもいい!』
そう言ってオロはクネクネと身悶えている。
助けを求め、ゴンタを見る。
バッ 目をそらされた。
おーいなんで目逸らすのかな?お前がヌシ様がー…とか言うから来たのに、どういうこと?ねぇ助けてよ!
テルを見る。
目が合った…首を傾げる。
うん、分かってた。頭の上に"?"がみえるよ、なんだろうこれー?って感じだよね。
うん僕も知りたい。
もうとりあえずいいや、話進めよう。
「はぁ…んでオロ、加護はくれないの?」
『あーそれがな、お主らには既に我より強い加護を持っているのだ。』
オロより強い加護?……あっ神様だ。
ありがとう神様なむなむー。
『だから我の加護を授けても意味がないのだよ。』
「よし、帰ろう。」
『わー待て待て!!だから代わりに我を連れていくのだ。』
立ち上がり、出口へ向う。
『わーわーわかった!メリットだ!我を連れて行くメリットを言おう!』
「…聞こうか。」
『コウたんは空間魔法で転移出来るのであろう?しかしそれは自分の魔力同士を繋げて転移している。』
「うん、そうだね。」
『ちょっと我の頭に触れてみるのだ。』
言われた通りにオロの頭に手をのせる。
『みせる』と言った瞬間、この森林、村、街、大陸がみえた。
『好きな所に魔力を置けるぞ、試しに置いてみるのだ。』
街の近くは騒がれても困るので、村の近くの森にゲートを作ってみる。
ゲートが完成されたのがみえた。
『人里に行きたかったのか?これで行けるぞ。我を連れて行く気にはなったか?』
確かにコレは便利だ。
「…わかったよ、連れていく。」
「よかったねーオロちゃん♪」
『見たかテル!我が勝ち取った勝利なのだ!』
ふたりで両手を繋いでぴょんぴょん跳ねている。
あれ!?テル?いつの間に仲良くなってたの!?
読んで頂きありがとうございます。
それに加え、ブクマ、評価してくれた方感謝感激でございます(^^)
初作品で至らぬ所もございますが今後ともよろしくお願いします!!




