洞窟に入ろう
『此処がヌシ様のいらっしゃる洞窟だ。』
此処に来るまでに結界·纏型(膜張るやつをそう呼ぶ事にした)を使ってたら、居たわ…結構…魔物がさ。
まぁゴンタを見たら逃げて行ったけどね。
「わーおっきい洞窟だねー」
『コウ、テル降りろ。』
ゴンタの言われるまま降りると
『ヌシ様はこの洞窟の入口で加護を与えるかの選定をしているらしい、この先自然魔力が濃いから魔力の弱い者は魔力酔いで動けなくなる。大丈夫だとは思うが一応ひとりずつ入れ、もし魔力酔いしたら俺が助ける。』
何このイケ熊、惚れる。
しかしテルのが大物だわ。
「ゴンタが説明してるうちにテル入っちゃってるけど。」
バッ 振り返る
『何ぃ!!?おいっ!』
「コウーゴンター早く行こーよー♪」
ピンピンしている。
『はぁ…テルが平気ならお前も大丈夫だろう。行くぞ…。』
哀愁凄いっすゴンタ先輩。
「どこまでも付いていくっす。ゴンタ先輩。」
『なんだ、その喋り方!今すぐやめろ。』
洞窟に入る。
空気感は変わったが特に体に異常はない。
「なになにー?なんの話ししてるのー?あれ、ゴンタ元気ないね大丈夫?」
『何でもねーよっ!』
先へ進んで行くほど暗くなっていく。
ゴッ 何かにぶつかった。
「痛っ、くない。」
纏型使っててよかった。
「コウ大丈夫?」『何やってんだよ。』
「暗くてよく見えないんだよね。ふたりともよく普通に歩けるね。」
テルの尻尾から明るい球体が出てきた。
周りが良く見えるようになり、さっきぶつかったのは透明な鉱物だとわかった。
今はテルの作った光を反射している。
「テルありがとう。」
「うん♪」
「それにしても結構な数の鉱石だね。」
『あーコレは、多分魔力結晶だな。』
するとテルが魔力結晶を手いっぱいに集めて
褒めてー、と言わんばかりにこっちを見ていた。
「ねぇーねぇーコウ!いっぱい集めたよー♪
」
やっぱり…
『貰っといてやれ。ヌシ様はこんな小さい事気にするお方じゃない。』
それを聞いて安心した。
テルから魔力結晶を受け取りナデナデする。
「いっぱい集めてくれてありがとね。」
「えへへー♪」
『もうすぐだ。行くぞ。』




