訳有りクランとカルマの闇
ずいぶん、遅くなってしまったのでもう1話投稿。本当に、すみませんm(_ _;m)三(m;_ _)m
クランについて、安心したようにため息をはく。
「お帰り、リベルテ。夜遅くまで、お疲れ様。」
仮面を外し、驚いたようにリーダーを見る。
「リーダー、まだ起きていたのか?」
「あぁ、お前が強いのは知ってるが心配で寝れなくてな。心配性なのは、自覚あるんだがどうにも直せなくてな。ご飯まだだろ?」
優しい笑顔で、リベルテを見る。
「心配性って事は、それだけ慎重でそれだけ人を気遣っていると言うことだ。良いことだと思うが?」
ローブを脱ぎながら、笑みを浮かべてリーダーを見る。リーダーは、少し驚いてから嬉しそうに笑う。
「なるほど、そういう見方もあるのか。」
二人で、遅めの夜ご飯を食べて一息つく。
「リベルテ。今からする話は、絶対に誰に聞かれても黙秘してくれ。仲間のために……」
紅茶を飲みながら、リーダーは少し重い表情をして話を切り出す。リベルテは、ディーカップを持ったまま無言で静かに頷く。
「実はな、このクランの仲間達は特殊な経緯でここに集まっている。お前の相棒的なカルマも、深い闇と苦しみを味わってきた。カルマは、ここに来たとき幼いのに笑いもしなかったんだぞ。まるで、魂の無い人形を扱っているようだった。理由は、親からの暴力。カルマは、貴族の子供なんだが教育方法が暴力的でな。親に、殺されかけた。」
「っ!?」
驚いて、ティーカップを落としそうになる。
「だから、ギルドと国王は協力してカルマを助け出した。しかし、カルマには生きる場所が必要だった訳だ。そして、当時弱くて街にほとんど居る俺たちのところへ行くことになったんだ。」
「そう、なのか。」
思わず、詰まりながら言う。
親に愛されていた、リベルテにとって親から殺されかけたと言うのは衝撃的だったのだ。心配そうに、いつも隣を歩くちょっぴり脳筋な友人の悲痛な過去に表情を暗くする。
「そんなある日な、あまり感情を見せないカルマが嬉しそうに笑ったんだよ。友達が出来たってさ。急に、感情を見せたから皆しておどろいたけど。」
「カルマの、最初の友達か。」
少し、笑みを浮かべて呟く。
「まさか、気付いてないのか?」
「んっ?何がだ?」
キョトンとして、リーダーを見つめ返す。
「カルマの、最初の友達はお前だリベルテ。」
「えっ?でもあいつは、いつもクラスメイトに囲まれてて友達になる前から人気者だったはず。」
思わず、言い返してしまう。
「そりゃあ、そうだろうな。庶民の学校に、貴族の子供だぞ。えらく目立つし、仕方ないだろ。」
その意味が分かり、なるほどと頷く。
「だから、もしもカルマが壊れそうになったら助けてやってくれ。他の奴らも、いろいろ抱えてるけどな。カルマは、お前を信じているから。」
「リーダー?カルマに、何かあったのか。」
不安になり、思わず聞く。
「カルマの親父が、何を狂ったか知らないがカルマをクランから追い出せと脅してきている。国王にも一応、連絡はしたのだがあちらはあちらで忙しいらしくてな。このままじゃ、カルマの親父が何するかわからん。悔しい話、俺ではどうすることも出来ないしな。だから、カルマを守ってほしい。」
本当に、悔しそうに涙を流す。それだけ、クランの仲間に愛情を持っているのだろう。なら、同じクランの仲間として精一杯に頑張るとするか。
「リーダー。俺に、任せろ。」
笑って、堂々と言い放つ。
「お前ばかりに、頼ってすまない。」
「何を言ってるんだ?使えるものは、親でも使えって言うだろ?使えるものは、頼れば良いだろうに。むしろ、相談してくれてありがとう。」
安心させるように、笑って紅茶を飲む。
「本当に、お前がこのクランに来てくれて良かった。このままじゃ、重みで俺がもたなかった。」
「そうか、そう言ってくれるなら嬉しいな。」
暢気に笑い、おかわりの紅茶をいれる。
「お前の役職は、俺の相談役だな。」
「任せろ、知識には少しは自信ありだ。」
少し、ふざけたように笑う。
「まぁ、知略の道化師と呼ばれるくらいだからなぁ。期待してる。」
リーダーも、いつものように笑う。
こうして、カルマを守るために俺は動き出した。
読んでくださり、ありがとうございました。
次からは、仲間達を守るための戦いになります。
(; ・`ω・´)