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カルマの質問

さて、カルマさん何を質問するかな?

カルマ監禁事件から、暫くたったある日の朝。コーヒーを飲みながら、読書をしているとカルマが目の前に座る。んっ、どうしたんだ?


本にしおりを挟み、本を閉じて机に置くとカルマに視線を向ける。真剣な表情で、こっちを見ている。


「おはよ、身体のぐあいはどうだ?」


いつものように、当たり障りの無い挨拶をする。すると、少し戸惑いつつも挨拶を返してくれる。


「おはよ。あのさ、聞きたい事が有るんだけど。」


すると、皆は仕事や食事や武器の手入れのてを止めて興味深そうだったり心配そうだったりしながらこちら側をみている。リーダーも、新聞を閉じてる。


「お前、ハッピースピリッツの奴らに若様って呼ばれてたけど。それは、お前が……」


そこで、言葉を止めてしまうカルマ。俺は、苦笑して続きを促す。カルマは、言わない。いや、言えないのか。だって、怖いもんな。


「カルマ、大丈夫だ。」


安心させるように、フッと笑ってコーヒーを飲む。


「じゃあ、話してくれるのか?」


俺は、静かに頷くとカルマを真剣な表情で見た。


「ハッピースピリッツは、もともと俺の親父が創ったクランでな。当然、俺もクランの幹部として知略の道化師として活動していた。親父がリーダーだったから、愛敬を込めて若様って呼ばれてた。」


「だから、若様って呼ばれてたのか。」


納得したように、真剣に頷くカルマ。


「そうだ。あの頃は、黄金時代と呼ばれてて多くの実力者やベテラン達がクランに集い活気に溢れていた。もちろん、良からぬ事を企む奴も多くいたがベテラン達に追い出されていた。」


「じゃあ、何であんなクランに?」


俺は、思わず悲しい表情をしてしまう。


「あっ、その……ごめん。」


「いや、気にするな。」


悲しい表情を、あっさりと消して苦笑する。


「身内の裏切りだ。俺らは、身内には甘かった。」


「えっ。何でだ、何で身内なのに。」


驚いたように、思わず言う。


「彼は、ずっと幹部に入りたかった。しかし、実力が無いと判断されて幹部には入れなかった。そのうちに、若くして幹部に居る俺にからんで来るようになった。どうせ、親の七光りなのだろうとかな。」


「でも、当時のお前って……」


「あぁ、Sランク冒険者で実力的にもベテランだったよ。七光りで、あるはずが無かったんだ。」


「だよな。でっ、どうなったんだ?」


「仕方なく、追い出された。2年後に帰ってきて、不意討ちで親父を殺し外から連れてきた仲間と共に反抗するものをなぶり殺した。ベテラン達が、全力で戦い俺自身も戦いに参戦した。けど、数にのまれてしまった。皆、疲れてきていたんだ。俺は、わざと捕まり彼と話した。戦いを止めるように。」


「それで、どうなったんだ?」


思わず、真剣な表情になるカルマ。


「駄目だった。俺は、利き腕の左腕を壊され武器を奪われた。俺は、そうしてあのクランをやめたんだ。どちらかと言えば、追い出されたんだけどな。ちなみに、クウザやアルドも幹部だった。俺が抜けて、次々にベテランと実力者が抜けていった。弱い奴らは、あいつらの言いなりになった。」


「何か、辛い事を思い出させてごめんな。」


「別に、いつまでも隠せるとは思ってなかったし良いよ。でっ、他に聞きたい事は?」


暢気に、コーヒーを飲みながら首を傾げる。


「ザガルトって、もしかして乗っ取った奴か?」


「んっ?あぁ、そうだ。俺の従兄弟で、傲慢で暴力的な男だ。そして、親の仇でもある。」


「そっか。んっ?えっ、でも何で今になってお前を探しているんだ?自分達が、追い出したのに。」


すると、割り込む声が。ギルドマスターアルドである。


「それはねぇえ、リべちゃんが特別だからよぉん。お邪魔するわぁ。よいしょっとん。」


座って、リベルテを見る。リベルテは、少し困った顔をしてやがて頷く。


「特別?」


「そう、特別なのぉ。実は、リべちゃんの魔力は古竜にも比肩するわぁ。とても、多いいのぉ。」


「はっ?待てよ、人の体で受け止められる量じゃないだろう!何で、生きていられるんだ?」


「分からないわぁ。でも、何だかんだで命を助けてもらった人も多い。だから、リべちゃん個人に忠誠を誓う者はかなり多いのよねぇ。私を含めて、だいたい20万人は優に越えるわぁ。」


「にっ、20万!?」


沈黙が起きる。リベルテは、『そうなるよな。』とばかりに、視線をそらし窓から空を見て現実逃避をする。あぁ、いい天気だなぁ。


「要するにぃ、抜けた穴を埋める為にリべちゃんを利用して埋めようって腹よぉ。」


「だろうな、一声かければ全てのメンバーが集まる自信があるし。死にそうになって、ヘルプを誰か二人にって言ったのに20万人全員が集合したし。」


思わず、どんよりしたように苦笑して言う。


「フフッ、あの時のリべちゃんのキョトンとした顔は可愛かったわぁ。その後、誰がヘルプするかで大変になってリべちゃんが『皆、今すぐ帰れ!』って叫んで面白かったわねぇ。」


「あの時は、真面目にビックリした。」


ため息混じりに言うと、コーヒーを飲みほす。


「さて、リべちゃん。」


「何だ?」


「今、暇かしらぁん?」


嫌な予感がして、アルドを見る。


「今日は、仕事は休みだ。けど、暇じゃない。」


「頼みがあるのよぉ。」


謎の攻防戦開始。


「嫌だからな。」


「ククルバ山で、竜がでたのよぉ。討伐しに行った、騎士団が全滅したわ。国王は、そこでギルドに依頼したのよぉ。でも、今は夏で魔物が多いから誰も手が空いてなくてねぇ。お願いよ、リべちゃん!貴方しか、居ないのよぉー!」


「その仕事は、SランクからAランクまでの仕事だろ!今の俺は、まだBランクなんだぞ!」


思わず、勢いよく言う。


「でも、元Sランクだし大丈夫でしょぉ?」


「あのな、そう言う問題じゃないだろ!」


「分かったわ、人目を気にしてるのね?なら、知略の道化師として戦えば……」


「この、くそ暑い中にそんな格好出来るか!」


「そうよねぇ。」


すると、見知った顔が入ってくる。


「リベルテ捕縛。」


「クウザ、暑苦しい離れろ。」


「おう。あっ、リーダーさんリベルテ借りて良い?騎士団が、全滅したから俺に討伐してこいって言われてさぁ。人たりないから、手伝ってくれリベルテ。その代わり、王家にこのクランが借りを作れるし。名も売れるように、パイプ作るからさ。」


「今日は、リベルテは休みだからリベルテに言ってくれ。俺は、強制したくない。」


「でっ、リベルテどうなんだ?」


「お前もかぁ!」


第2ラウンド 謎の攻防戦開始。


「てっ、事はアルドもこの話を?」


「そうよぉ。でも、リベルテちゃんが頑なにいやがるのよぉ。何とか、言ってクーちゃん。」


二人は、うーんと考える。


「さて、俺はそろそろ出掛けるから。」


「「待って!!」」


その気迫に、思わず座る。


「あのなぁ、行かないって言っているのに。」


「リベルテ、さっきはああ言ったが俺からも頼めないか?その、あの辺はこのクランのチビどもの故郷が多く有るんだ。ルナやオウリも、さっきから落ち着きがなくてな。チビどものためと思って。」


ため息を吐き出すリベルテ。


「3対1とか、酷いぞ。仕方ない、アルドとクウザ報酬期待してるからな。まったく。」


少し、冗談っぽく笑って道化の仮面と布の薄いローブを取り出す。そして、出した瞬間リベルテはSランク冒険者としての雰囲気を纏う。


「さてこの道化、せいぜい暴れさせてもらうか。」


「「よろしくお願いします。」」


すると、二人はいずまいをただし真剣に頭を下げた。リベルテは、苦笑するとローブを羽織って仮面をつけると頷いてフードをかぶりまるで空間に溶けるように消えた。驚くカルマ達を置いて。

さて、次は竜VSリベルテとその他!(; ・`ω・´)

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