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殺人日記

作者: 月影 ゆかり

これは、僕が殺人をするまでの経緯を綴った日記だ。


同時に、僕の遺書でもある。



5月18日


社会人になってから、結構経つ。


今日から日記を書こうと思う。


男なのに日記なんて、と思うかもしれない。


それでも、この怒りをぶつけるにはちょうどいいと思ったのだ。


今日、新入社員が遅れて来た。


その新入社員は、かつて僕が中学生の時にいじめてきた女だった。


机の中にゴミを入れられたり、教科書やノートをビリビリに破られたり…


いや、もうやめよう。思い出したくもない。


あの女は、僕をいじめていたことなんて覚えていないみたいだった。


それが余計に腹が立つ。


おっと、もうこんな時間だ。今日はもう寝よう。



5月22日


少し、間が空いてしまった。


大きな企画が入ってしまい、すごく忙しかった。


あの女は僕のことを「先輩」などと呼び慕っている。


僕のことをいじめたくせに。


散々、バカにしていたのに。


あんな女、死んでしまえばいい。



5月23日


あの女は、どうやら男性社員にモテているらしい。


僕はあの女のことが好きな人を軽蔑する。


あの女のどこがいいと、いうのか。


あぁ、殺してしまいたい。


今日もあの女は、猫をかぶり ぶりっ子のような声で話しかけてきた。


あぁ、気持ち悪い。


男性社員に、羨ましいと言われるが どこが羨ましいのか 僕には、さっぱりわからない。


僕は君たちの方が羨ましい。



5月25日


女性社員に聞いたが、どうやらあの女は僕のことが好きらしい。


あぁ、本当に気持ち悪い。


そして、気づいたのだが なぜ今になってあんなに媚を売ってくるのかがわかった。


昔は太っていたが、高校2年あたりで僕は痩せたのだ。


だから、あの時の僕だと気づいていないのだ。


今日、納得がいった。




6月2日


今日、僕は決心した。


あの女を殺してしまおうと。


計画は簡単だ。


まず、夜 デートに誘う。


そして、遅くまで遊びホテルへと2人で行く。


ホテルの部屋に入ったら、油断してるあの女を後ろから包丁で刺す。


そして、あの女の意識が薄くなる中 そっと言ってやるのだ。


中学の時いじめた復讐だ、と。


考えただけで、ワクワクする。


明日、これを実行しようと思う。



6月4日


あの計画は成功した。


ただし、すぐに僕が犯人だとバレるだろう。


その前に僕はこの世から消えようと思う。


でも、あの女を殺したことを後悔はしないし、 悪いとも思わない。


なぜなら、正しかったからだ。


それでも、殺人をした僕はこれから生きてはいけない。


牢屋に入るくらいなら、死んだ方がいい。


中学生の時、何度も死にたいと思っていた。


それが今叶うと思えば本望だ。


今、自分の部屋で首を吊って死のうと思う。


さようなら

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