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1日目―拳銃

「残念ながら本物だ。

 試しに撃ったから判る。

 そしてこれは食料ボックスの中に無造作に入っていた。」


この言葉が意味する事を2人も理解したらしい。


「マジ・・・かよ」


「そんな恐ろしい事がっ・・・」


「あのクリア条件、そして無造作に入っていたこの銃器類。

 このゲームを運営している人間が、何を考えているか判るな?」


「あぁ、こんなもんがあれば、狂気に走る人間だって居る・・・」


「これは、人を信用する事が更に難しくなります・・・」



この銃を渡したら後ろから撃たれるかもしれない。


だが、2人だけでゲームを生き延びられると楽観視もできない。


ならば・・・自分を信じ、大丈夫と思った人間を信用してみよう。


「俺は2人を信用すると決めた。

 だから、護身の為にも分けておこうと思う。」


リュックの中身を地面に置いた。


「分かった。その信頼に答えてみせる。」


ケンジはリボルバータイプの銃を2つ手に取った。


「私は・・・あくまで護身のために・・・です。」


ハルカは小さな拳銃を1つ、手に取った。


残った拳銃は2つ。


しおりにはハルカと同じ小さな拳銃を渡し、残ったフルオートを俺が持った。


こっそりと脇の下に隠し持っている銃とあわせて、俺も2丁の銃を持つ事になった。


「一応言っておくけど、これで誰かを撃ったら、後戻りが出来ない気がする。

 だから、撃たないに越したことはないと思う・・・」


とは思うが、使う事は避けられないだろう。


せめてしおりにだけは撃たせないよう、うまく立ち回るしかない。




「それじゃ、この4人で行動するとして、次はどのように立ち回るか・・・だな」


「ちっこいの、そっちはあとボックスいくつ開錠すればいいんだ?」


「私は・・・あと5つ」


「早いな・・・俺はまだ4個だから後11個だ。探すコツとかあるのか?」


「お兄ちゃんが・・・探すのうまい」


「そうだな、食料ボックスは1kmおきに置かれているみたいでな、最初の1個を見つければ時間はかかるけど、見つかりやすいんだよ。」


「なるほど、それでその数か・・・

 2番目にリストバンドを外すかも知れねぇな。」


しおりとケンジは時間さえあればクリアできるだろう。


「問題はハルカか・・・」


リストバンド7つ


ハルカの分を除き、ここにあるリストバンドは5つ。


最低でも後2つ手に入れなければならない。


後2人、協力者を探し、外れたリストバンドを手に入れなければならない。


「私はまだ1つも集められてません。ですが、ここの皆さんが条件をクリアし、そのリストバンドを譲っていただければそれだけで3つ集まると思ってます。」


ふむ・・・、残り2つの存在を言うべきか・・・


その場合、先ほどのナンバーを嘘と言わなくてはならないな。


嘘をついた相手を無条件で信用できるか?


答えはNOだ。


ならば、このまま黙っておいた方がいいだろう。


しおりもそのつもりなのか、俺に向かって首を振っている。


「そうだな。出来る限り交渉とか協力するよ。」


「となると、まずは俺としおりのリストバンドを外すのが先決か?」


「ああ、そうだな。

 以前開錠して隠してあるボックスもいくつかある。

 それを壊しながら新しいボックスを探し、しおり、ケンジのリストバンドを外しながら、他のプレーヤーを探すとしよう。」


今分かっているプレーヤーは・・・




 NO.1  全プレイヤーの殺害             ???

 NO.2  リストバンド7個を集める。          三田 ハルカ

 NO.3  最終日に3人以上のプレイヤーの生存      ???

 NO.4  食料・装備ボックス15個を集める       しおり

 NO.5  地図内にあるポイントエリア全てへの到達   如月(死亡)

 NO.6  ブランクプレーヤーの殺害          ???

 NO.7  最終日までの生存              ???         

 NO.8  ブランクプレーヤーの生存          ???

 NO.9  地図内にあるポイントエリア全ての破壊    斉藤(死亡?)

 NO.10 食料・装備ボックス15個の破壊        ケンジ

 NO.11 3人以上のプレイヤーの殺害          村上

 NO.12 リストバンド7個の破壊            ???

 NO.13 NO.1プレイヤーの殺害            ???

 NO.14 シークレット                亜希(死亡)

ブランク                      俺



と言うところか。


最も交渉しておきたいのはNO.12のプレーヤーだろう。


NO.3・7・8あたりも交渉出来そうだな。


NO.11―村上はどうしよう・・・


どうしても違和感を感じてしまう。


言葉通りであるのなら、彼にブランクプレーヤーという事を明かし、協力を依頼すれば大丈夫だ。


だが、それは危険だとアラームが警鐘を鳴らし続ける。


彼とは最終日に落ち会うのが得策か?


いや、できれば最後まで顔を合わせないのが一番だ。


よし、まずは今まであった中で話が出来そうな人間。


マナミ・明日香・山田の3人は可能そうだろう。


あとは会っていない残り2人・・・この2人は話が通じる人間であれば良いが・・・


NO.1・8の正体も知っておかなければならない。



だが、生き残る為には考える事を辞めてはいけない。


考えろ・・・そして動くんだ・・・



さしあたり、これからの行動か・・・


セーフティタイムは残り10時間ちょい


これはどこかで8時間眠り、その後2時間で移動するのがいいだろうか・・・



「・・・・・おわった?」


顔を上げると、3人の顔が目の前にあった。



「うぉっ!?」


バランスを崩し転びそうになってしまった。


「話しかけても上の空だったから、何か考えて経ってのは判ったが。

 いったい何を考えていたんだ?」


「あぁ、これからの動きを考えていたんだ。」


間違いではない。


「なるほど、そうだったんだね。で、どんな事を考えていたの?」


ハルカに聞かれる。まぁ、この状況だ、怪しい事があれば確認しておきたいのだろう。


「ちょうど良い、皆に聞いておきたいことがある。

 セーフティエリア残り10時間の事についてだ。」


「俺はボックスを探しておきたいな。

 明日以降、何処で狙われているか分からない状態で探し物はしたくない。」


「わたしは・・・休憩・・・」


「そうですね。明日からは眠れなくなる可能性が高いです。

 今日の内に睡眠をとっておくべきだと思います。」


ハルカの発言でケンジが考えを改める。


「そうだな、狙われながら探すのも怖いが、最終日に眠気をこらえてる所で撃たれる訳にもいかねぇしな。」


どうやら3人とも休息で問題なさそうだ。


「じゃぁ、山小屋セーフティポイントに戻って8時間睡眠をとる。

 その後、2時間で安全な場所まで移動してはどうだろうか?」


「おぉ、それでいいんじゃね?」


「・・・問題・・・無い。」


「私もそれでいいんじゃないかと思うよ。」


満場一致で戻る事が決まった。

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