表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/41

1日目―同行

「その様子からすると、そちらも24時間ルールは知っているようですね。」


「ああ、知っている。」


「そうですか・・・ですが、そちらは2人ですから、把握できているルールは良くて6つでしょうか。」


微妙に癇に障るな・・・


「私達は6人居ます。これがどういう事かお分かりになるでしょうね?」


ガシイッ


大きな音が響く。


目つきの鋭い高校生がボックスを蹴り倒したようだ。


中身がばら撒かれる。


グシッ


空になったボックスを今度は踏みつけて潰した。


「うだうだ言ってんなよ。

 俺達はルールが1つ足りねえ。

 あんたらはルールが6つ以上足りねえ。

 だからルールを照らし合わせたいって、言えばいいだけじゃねぇか。」


ほう・・・?


残りの4人が散らばった食料や水を拾い集めている。


女子高生2人はこっそりポケットに食料を詰め込んでいるな・・・


「すまないね。彼―ケンジ君は出会ったときからあんな調子でね。」


一瞬苦々しげな表情が見えた。


なるほど、そういう事だったか。


「このボックスは君達が取りおいていた物だろう?

 中身は今皆が拾っているみたいだから、少し待ってもらって良いかな。」


・・・そして自分は拾わない。


なるほど、こいつの性格は読めた。


「判りました。しかし、まったく動じませんね?

 さすがに俺はびっくりして動きが止まってしまいましたよ。」


「いえいえ、私もびっくりしてましたよ。良く顔に出ないとは言われますが。」


これは・・・警戒が必要そうだな。


少し待つと、中身を全て俺達の前に並べてくれた。


ポケットに入れていた分はそのまま入っているみたいだが・・・な。


「いつまでも名前がわからないと困りますし、名前を教えて貰えませんか?

 ちなみに私は村上 純一と言います。」


村上を皮切りに名乗ってくる。


「俺は佐久間 賢治・・・ケンジでいい。」とは目つきの悪いボックスを蹴った少年。


「吉田 誠です。」もう1人の高校生。


「志村 美香よ。 私も美香でいいわ。」OLのお姉さん。


「山田 愛です。」 女子高生その一、目つきの鋭い子


「三田 春香です。」 女子高生その二、柔らかい雰囲気の子


ここは俺も名乗るのが流れだな。


「佐藤 修二だ。修二でいい。」


「伊藤・・・しおり・・・です。」


名乗りが終わると、村上が切り出す。


「先ほどケンジが言ったように、俺達はルールが埋まっていない。

 このゲームが何処まで本気なのかわからないけど、知らずにルール違反を起こし、ペナルティを受けたくはないからね。

 君達とルールの照らし合わせをしたいのだがどうかな?」


残り1つのルールが判るかもしれない。


ここは乗っておこうか・・・


「もちろん君達にとっては破格の条件だとは思うよ。

 恐らく、君たちもルールが全て埋まるんだからね。

 それにナンバーまで教えろといってる訳じゃない、ルールのメモを見せてくれればそれでいいんだ。」


あー、やっぱりこいつムカつく・・・


だが、背に腹は代えられないな。


「よろしくお願いします。」


俺はしおりに目配せすると、俺と亜希の分、2枚のメモを取り出した。


「俺達のルールはこの2枚です。」


「ありがとう。これが僕のメモだ。」


村上が差し出すと、残りの5人も差し出す。


最後の1つのルールがあった。


これで全てのルールを把握したことになる。


【ルール】


1、ゲーム日数は7日間となる。


1、賞金総額は20億円。

  生還した人数で賞金を割り振る形となる。


1、行動に応じてユニークポイントが発生。

  1ポイントに付き、賞金+1億円追加報酬。


1、参加人数は15人。


1、この島で起こった全ては、ゲーム終了後影響を受ける事は無い。


1、ゲーム範囲外への逃亡はペナルティ発生。


1、食料、装備の3m範囲内ではブレスレットが反応。


1、開始24時間以内はセーフティロック状態。

  他者へ危害を加えたものはペナルティ発生。


1、島内でのセーフティエリア内での戦闘禁止。

  戦闘を行った際、ペナルティ発生


1、1人だけナンバリングの発生しないブランクプレーヤーが存在する。

  ブランクプレーヤーは最終日2m以内の人間を生存条件の可否に関わらず、ブレスレットを外すことができる。


1、個人ナンバーに適応した生存条件があり、生存条件を満たさなければ最終日にペナルティ発生。


1、クリア条件


 NO.1  全プレイヤーの殺害

 NO.2  リストバンド7個を集める。

 NO.3  最終日に3人以上のプレイヤーの生存

 NO.4  食料・装備ボックス15個を集める

 NO.5  地図内にあるポイントエリア全てへの到達

 NO.6  ブランクプレーヤーの殺害

 NO.7  最終日までの生存

 NO.8  ブランクプレーヤーの生存

 NO.9  地図内にあるポイントエリア全ての破壊 

 NO.10 食料・装備ボックス15個の破壊

 NO.11 3人以上のプレイヤーの殺害

 NO.12 リストバンド7個の破壊

 NO.13 NO.1プレイヤーの殺害

 NO.14 シークレット(24時間以内に3人以上の他プレイヤーの前で暴力を働く)




正直、危険を冒してまで知らなければならないような内容ではなかった。


だが、ルールを全て把握しているとしていないでは心理的に違うだろう。


「これ・・・はっ・・・」


村上が絶句している。


見た限り、あっちのグループにはクリア条件の項目を持つ人が居なかった。


クリア項目を見て絶句したのだろう。


他にもケンジ・山田・三田あたりが顔色まで変わっている。


吉田と志村は表情が読めない・・・


少し気になるな。


この中でNO.1・6・11・13を持っている可能性があるのは、この2人かもしれない。


「ありがとう、知りたかったルールがこれで判ったよ。」


ポケットにしまいがてら、仲間だったメンバーからさり気に距離をとっている。


ルールを知った以上、ナンバーを聞いていない事の怖さを知ったって所か。


他の奴等も似たような感じだ。


「それで、そっちの6人はこれからどうするんだ?」


6人の体が不自然にこわばっている。


・・・ふと、6人を試す事を思いついた。


「俺達は腹ごなしをしようと思っていたところだ。

 後ろの方に食料が少し残ったボックスと、さらに1km先に手付かずのボックスがある。

 3つ分の中身なら6人で食べても十分足りると思うが、一緒に食っていくか?」


「それはマジか?」


「分けて・・・もらえるの?」


「それは・・・どういうこと?」


ケンジ・三田あたりは食いついてきた。


山田は条件次第、ということか。


「簡単な話だ。食料を渡すから、俺達に借りを作ってくれ。という事さ。」


「私はやめておく、信用できない。」


「俺も同じだ。」


志村と吉田は拒否・・・か、ある意味予想通りかもしれない。


「危害を加えるつもりじゃ・・・ないよな?」


村田が言ってくる。


俺は無言で頷く。


それを見届けると、志村と吉田はがどこかへ行こうとする。


「皆待って、これは罠かもしれないわ。」


山田が叫んだ。


「私達を分断させて、後から個別に襲うつもりかもしれない。

 もしかしたら、NO.1かNO.11かもしれないのよっ。」


なるほど、そう思われても仕方ないか。


「なら言っておく、俺もしおりもNO.1・6・11・13のどれにも該当しない。

 生き残る為には必死があがくつもりだけどな。」


「嘘っ」


「嘘じゃない。それに俺たちが信用できないなら、付いて来なければいい。」


山田は何かを考える・・・


その間にも吉田と志村は別の方向へ離れていく。


「私は・・・貴方を信用しません。」


そう言って吉田の去っていこうとする方へくっついていく。


「やっぱり、そっちに行くのね。」


三田の呟きが聞こえるので確認する。


「そういう事か?」


少し困った表情で考えた後、


「そういう事です。」


と答えてきた。


理屈じゃなく、感情で生きるのも人間という事か。


とりあえず、俺・しおり・村田・ケンジ・三田の5人でセーフティエリアを目指す事となった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ