エピローグ 2
終了まで書き上げたと思っておりましたが、もう少し掘り下げる裏設定の人が居たので掘り下げました。
蛇足でしたら申し訳ございません。
「総理、今回のゲーム。
つつがなく、終了いたしました。」
大画面モニターの前で、老齢の男性が黒服の男より報告を受ける。
「今回の生き残りは?」
「0・・・との事です。」
「そうか・・・」
しわがれた顔と声から、表情を察する事はできない。
「最後に残った少女は「呪う。」と言って、自らの「言わんで良い!!」・・・失礼いたしました。」
「今回の収益は?」
「は、純利益としての金額はおよそ1兆4千万円ほどかと。」
「生存者0に対し、払い戻しの声は?」
「ありません。
最後の映像が決めてとなり、スタンディングオベーションを頂く結果と・・・」
「・・・そうか。」
「他に報告は?」
「次回の開催を希望する声が各方面から。」
「・・・・・・・・・下種が・・・」
「総理。」
「判っておる。
財政破綻を先延ばしにする為にも、この裏事業は続けぬばならん・・・」
「でしたら・・・」
「愚痴ぐらいは仕方なかろう・・・
所詮私もコマの一つだ。」
「・・・今の話は聞かなかった事とします。」
「・・・悪いな。」
「いえ・・・」
「・・・彼等の冥福を祈らせて貰っても?」
「・・・お供します。」
2人は画面に向け、手を合わせ、暫くの間黙祷を行う。
そしてゆっくりと目を開く。
老人の目からは、多少感じる事のできた迷いも悲しみももう無い。
「次の開催について。だったな?」
「は。」
「スポンサーは?」
「今回のスポンサー様全員と、さらに100件ほど打診が。」
「条件に適合するプレイヤーは?」
「現在128件見つかっております。」
「もっとも面白くなる組み合わせは?」
「21組。
さらに全体で面白くするには、8件と予想されます。」
「島の環境整備に掛かる時間は?」
「1ヶ月頂ければ。」
「他の準備もある。
20日にしろ。」
「・・・は。」
「ゲームに対する要望は?」
「幾つか上がっております。」
「幾つか古い条件と入れ替えておけ。」
「判りました。」
「今回、コントロールルームの通路が発見された事による反応は?」
「面白い趣向だった。との事です。」
「ならば変更の必要は無いな?」
「おっしゃる通りかと。」
「他に要望は?」
「夜は寝るものが多く、面白みに欠けた・・・と。」
「そうか・・・発言者は?」
「1ステージの方です。」
「1ステージか・・・意見を通さぬばな・・・」
「そうですね。現在、部下に幾つか案をまとめさせております。」
「引き続き、まとまったら提出しろ。」
「は。」
「次回までに間に合うように?」
「あまり間を空ける訳にはいかん。
ルールのみ変更し、その次までに間に合うよう検討しよう。」
「は。」
「次の開催は1ヶ月後。
場所は同じ島だ。
アナウンスして来い。」
「畏まりました!!」
「平行し、朝・夜の境がないステージも考えろ。」
「はっ!!」
黒服は一礼するときびすを返し、後ろのドアから出て行く。
・・・・・パタン
そして、部屋の中に1人残った老人は涙を流す。
「まさか・・・まさか生きておったとは・・・」
コンピューターを操作し、今回のゲームの参加者プロフィールを呼び出す。
呼び出されたプレイヤーは"NO,7 鈴木 真奈美"だ。
「既に・・・心中であの世へ去ったと思っておった・・・
生きて・・・生きておったとは・・・
だが・・・死んだ。
ワシの目の前で・・・
もう少し・・・もう少しでクリアだったんだ!!
そうすれば迎えに行く事が出来た・・・
何故だ・・・何故最後の最後に!!」
力任せにパソコンを叩きつける。
ガシャァンッ!!
パソコンは砕け散り、モニターはもう何も写さない。
「いや・・・殺したのは・・・ワシだ・・・
開始時に・・・いや、開始前に気付いておったのに・・・
ゲームを止める。
その勇気が無かったばかりに・・・
判っておった。
参加して生き延びる可能性が殆ど無い事は・・・・
それでも・・・それでも生きていて欲しかった・・・
そう・・・ワシだ・・・ワシが殺したんだ!!」
更に何度も何度も・・・手の皮がめくれ、血が出てもたたき続ける。
「ワシは・・・ワシはぁぁぁぁぁぁぁ!!」
最後に巨大モニターへ額を打ち付けると、動きが止まる。
「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・
ワシは・・・国の為に孫を売った・・・
もう・・・失うものなど何も無い。
この国のためなら、ワシは鬼となろう。
・・・真奈美、ワシはお前と同じ所へは行けん・・・
この先もずっと手を汚し続ける。
ワシを許してくれとも言わん!!
だが・・・ただ一言・・・おじいちゃんと言って欲しかった・・・」
そしてただ泣き崩れるだけの老人がそこに居た。
パチパチパチパチパチ
「面白い!!」
「まさか総理があそこまで荒れるとは・・・」
「やはり、肉親を参加させるのは面白い。」
そこかしこからそんなやり取りが聞こえる。
劇場のような巨大ホールには満員の人が居た。
中央におかれたモニターには、うなだれたままの男性。
そう・・・主催者であるはずの総理ですら、スポンサーにとっては娯楽の対象に過ぎなかった。
もう1つ、もし・・・志村が銃を隠し持って無く、誠が死ぬことが無かったら。
のifストーリーを書き上げました。
蛇足が過ぎるので、ストーリーの中には乗せておりません。
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