表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
34/41

4日目―死神

『ちゃ~ちゃちゃ~ちゃっちゃっちゃ~♪』


くだらない音楽と共に死神が姿を現す。


『やぁやぁやぁ、待ち侘びていたかい?

 今日で最終日だよ。


 昨日は皆ご苦労様。

 銃撃戦有り、涙有り、感動あり、さいっこうの1日だったよ。

 観客の皆もかなり喜んでくれてね~、ユニークポイントも溜まったんじゃないかい?


 そうそう、昨日は熱い展開が多かったので、個別にユニークポイントの報告は行わなかったけど、各人に結構ポイントは入っているよ。

 いっぱいお金貰ってがっぽがっぽだね~。

 僕も羨ましいよ?


 残り人数は・・・ふふふ、面白いことになってるね~。


 これは・・・こういくと・・・ふふふっ、いいねっいいねっ・・・ぞくぞくしちゃうよ~♪』


なんだ?アナウンス最終だからだろうか?

いつもと同じだが、何かが違う気がする。


『早速最後の仕様について説明するよっ♪


 最終日に追加されるのは、ユニークポイントの表示っ♪

 目に見えてポイントが判れば、生き残る気力も倍増だねっ♪


 そうそう、ちなみに~。

 このポイントは奪い取る事ができるよ?


 何人かポイント持ちを殺しているから、その分ポイントは加算されている。

 ついでに言うと、最終日はユニークポイントは発生しないよ?


 ポイントが欲しいなら、他人から奪い取るしかないよ。

 ポイントの総額だけ教えてあげるね。

 ポイント総数は、16だ。

 

 これが多いと思うか、少ないと思うか、答えは人それぞれだね。

 少しでもお金が居る人はそれだけ頑張らないとね♪

 


 あとは~・・・

 人数も少なくなってきたし、この島全体を活動エリアにしたら広すぎるよね?

 活動エリアも制限しちゃおうか♪


 今、生存している人間を中心と最外周に分けてっと・・・

 うん、彼と彼女だ。


 最外周に居る人を中心に円で囲んでみたよ。

 この範囲より外にでると、まずアラーム、警告音が鳴る。

 そこを無視し続けると、ペナルティが発生するから気をつけてね♪


 残り24時間。


 明日のこの時間には何人残っているかな?

 たとえば、君の隣に居る子もぎりぎりで裏切ってくるかも?

 でも残念。

 そこまでまっていても、もうユニークポイントは発生しないんだなぁ。


 でも楽しいから、そういったことはいっくらでも期待しているよ♪


 皆の健闘を祈って、フレーッフレーッみっんっなっ♪


 じゃぁね~♪』


「相変わらず悪趣味な・・・」


思わず呟いてしまう。

思っていた通り、ユニークポイントの奪い合いが可能か・・・


リストバンドを見てみると、左下にP-6と表示されている。


初日に3ポイント、ケンジの分が入ってきているのであれば更に2ポイント・・・1ポイント分がおかしいな。

昨日つけることが出来なかったとかいっていたが、そこで1ポイント発生していたと考えられるのか?


だがこれで、金目当てに人間関係が狂う可能性が出来たな・・・


しおりはポイントを取っていなかった筈。

マナミは4ポイント・・・見せて貰った所、6ポイントに増えていた。

2人で12ポイントか・・・


これは・・・誠達も変わる可能性があるな・・・


これを狙っての事なのか。

・・・くそっ。


とにかく、誠達でも油断が出来なくなった。


更に戦場の縮小も致命的だ。

俺達が最外周の可能性もある。


逃げようと思ったらアラームがなったとか、しゃれにならない。

これは1度可能範囲を調べるべきだだろうな・・・


「マナミ、移動可能範囲を確認したい。

 少し確認してくる。」


だが、マナミは首を振る。


「1人じゃ危ないよ。

 僕も行く。」


「だが、しおりが来た時に誰もいなければ・・・」


「これだけ待っていて来ないんだ。

 何か有ったと考えた方がいいよ。

 この周りだけ、しおりちゃんを探しがてら、探索すればいいんじゃないかな?


 それにほら。」


マナミはリストバンドを見せてくる。


生存者は変わらず6/15を表示している。


「しおりちゃんも元気でいる。

 遅いのには何か理由が有るんだよ。

 だから・・・探しに行こう?」


マナミはマナミで中々こないしおりが心配になっているんだろう。


「そうだな・・・ここを中心に少し探してみようか。」


「・・・うん、ありがとう。」


マナミの手をとり歩き出す。


山小屋を中心に最初は円を書く様に。

ある程度周りの状況を確認したら、今度は北へ1時間の時間を決めて歩いていく。


時間になったらまた山小屋の場所へ戻り、次は東、次は西と。

太陽が空高くなるまで探索を繰り返していたが、その間誰とも会うことは無かった。


その為に少し、油断していたのかもしれない。


最後に西へ30分ほど進んだところで、それは起こった。


まず最初は、罠避けに使っていた木の棒に軽い引っ掛かりを覚えた。


「マナミ、ストップだ。」


マナミの歩みを止め、慎重に、木の棒を動かさないように引っ掛かりのあった場所を確認する。


草むらの中を見ると、細いワイヤーが張ってあった。


「これは・・・」


慎重に木の棒を戻そうとすると・・・


ジャキッ


前方から聞こえてくる金属音。


「マナミっ伏せて逃げるんだっ!!」


マナミに指示を出しつつ、木の枝を前方に投げる。


ダダダダダダダダダダダッ


銃声が鳴り始めるのを聞きながら、俺はきた道を引き返そうと駆け出す。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ