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2日目―ユニークポイント

4人が頷いた。


その時、

誠のリストバンドからファンファーレが鳴る。


『ちゃ~ちゃちゃ~ちゃっちゃっちゃ~♪』


この音楽は・・・死神の出番か・・・


『やぁやぁ、こんばんわ。

 さっきはかなりの激戦だったねぇ。

 お陰でギャラリーの皆も沸きあがってくれたよ。

 おっと、コレは話しちゃいけないことだった・・・と言っても修二君はもう気付いてるよね?

 だから、これは公然の秘密ってことさっ♪


 それで今回のお話なんだけど・・・

 やったねっ、2人もユニークポイントを獲得できたよっ。


 1人目はケンジ君っ!!

 君の身を挺した活躍には皆、興奮したよ~。

 特別に2ポイントあげちゃうっ。

 それに偶然とは言え、リストバンドも外れちゃったからね。

 クリア条件を満たしたとしてあげるよっ♪

 いや~、あれには感動したよ?

 手榴弾を投げ返そうだなんて思い浮かばないな~。

 下手したら腕どころか全身がズタズタになる所だからねっ。

 いや~、素晴らしかったよ。


 2人目はマナミちゃんにもあげちゃう。

 友人を呼び戻す為に健気に頑張った姿がおじちゃんたちに届いちゃったかな~?

 お陰でユニークポイント4ポイントも発生しちゃったよ?

 これでおうちの借金を返す事が出来るよっ!!

 やったねっ♪

 あとはお家に帰るだけだっ♪


 もちろん、2人とも無事に変えることが出来たら・・・だけどね♪

 キャハハッ


 それと、2人とも意識が無いようだから、時点で惜しくもポイントを貰う事のできなかった誠君のリストバンドを使わせてもらったよ。

 いや~、誠君惜しかったねぇ。

 もうちょっとでユニークポイント発生する所だったのにっ。

 僕も誠君にユニークポイントをっ!!って言ったんだけどね~。

 あげられなくてごめんねっ♪


 でも、次に活躍すれば、誠君ならすぐにポイントがもらえるはずだよ。

 がんばってねぇ~。』


プツンッ


「ちょっと待てっ・・・・消えたか・・・」


死神に言いたい事があったが、言うだけ言ってから消えたか・・・相変わらず最低だな・・・


「修二さん・・・このユニークポイントというのは・・・」


「ああ、ルールの一部に入っていた賞金の事だろう。

 これもクリアしなければ手に入れることが出来ない。

 結局生き残れってことさ。」


「ですが、それだけじゃないような気がしてきます・・・」


誠は何かを気付いたのだろうか?


「それはどう言う事だ?」


「ええ、ユニークポイントは1ポイントで1億するんですよね?」


「ああ。」


「それがこんな簡単に貰えるなんて・・・おかしいとは思いませんか?」


確かに良く考えると、簡単にポイントを分け与えすぎてる気がする。


「このポイント・・・後々何かに響かないか心配でなりません。」


「確かに・・・」


「もしかしたら、2人が気絶している間に話す事にも、何か意味が有ったかもしれませんし・・・」


意味・・・

賞金が貰える事をここで生き残っている人間が聞く事。

ポイントが発生する条件・・・か。

一瞬、嫌な考えが頭をよぎる・・・


「まさか・・・な。」


「修二さん、何か気づいた事でも?」


今の呟きが聞こえたのだろう。

誠が身を寄せてくる。


「ああ、ゲームをより面白くするならどうする?

 と考えた時に思い浮かんだ事が1つ有った。」


「聞いても良いですか?」


これは、言っても良いことなんだろうか・・・

だが、誠は信用できる・・・と思いたい。

それに俺が言わなくとも・・・予想通りなら運営が言ってくる・・・


「ああ・・・、このユニークポイント。

 もしも奪う事ができたらどうする?」


その言葉に誠だけでなく、愛やしおりも固まる。


「もちろん、あくまで例えだ。

 本気に取るなよ?」


自分の発言をごまかしたが、3人には信憑性が高かったのだろう。

難しい顔で黙り込んでしまった。


「もし・・・その話が本当だったとしたら。

 僕は2人を命をかけてでも守りたいと思います。」


この発言にはかなり意外だった・・・


「私は誠に従う。

 誠がそう思うのなら、私もそうする。」


愛も誠の発言に異論は無いようだ。


「私は・・・お兄ちゃんと・・・同じ。」


しおりの言葉はほぼ予想通りだ。


「誠・・・もし、この例えが本当だったら、2人を殺せば6億手に入るんだぞ?」


「いえ、ケンジは手を失ったんです・・・

 だったら生き残った後の為にもその程度は必要です。


 それにマナミさんも、借金と言う話がありましたよね?

 その為にも、そのお金は手に入るようにしなければと思っています。」


「そうか・・・」


この言葉が本当かは判らない。

だが、俺はこの言葉を信じてみようと思う。


「さて、情報はさっき交換したが、これの交換はまだしてなかったな。」


俺はそう言うと、バックの中からケーブルを取り出す。


「そうですね。

 協力するなら、拡張機能は使えた方が良いですよね。」


誠が意図に気付くと、頷きながらバックからケーブルを取り出した。


お互いにケーブルを合わせると、誠が1つ、修二が1つ、マナミに1つ、合計3つ適合するケーブルが見つかった。


それぞれがリストバンドにケーブルを読み込ませていく。


マナミのリストバンドは勝手に接続する訳に行かない。

目が覚めてから接続して貰う事にする事となった。


誠のリストバンドには『number of participants(参加人数)』と表示され、画面右下に10/15と表示された。

これはケンジのリストバンドにあった機能と同じ物だ。

生き残りの人数が判るだけでも後々の行動が取りやすくなる分ありがたい。


俺のケーブルは「mimicry(擬態)」と表示された。

リストバンドにNO.1~NO,14までのクリア条件が表示され閲覧可能になったのだ。

ここで・・・予想外に懸念している結果を知る事となる。


NO.6 ブランクプレイヤーの殺害  ※このナンバーのみ、ブランクプレイヤーが外せるリストバンドから除外される。


最悪だ・・・

NO.6を持っている人間と俺は完全に敵対しなければならない。


茶髪がNO.1という可能性はなくなったが、NO.6という可能性は高い。

だが、姿をまったく見せない志村・・・

彼女がNO.6だった場合、敵が増えるのか・・・

頭が痛い・・・



とりあえず、俺達はケンジとマナミが目覚めるまでここから動く事はできない。

その間、家の中から攻撃する事が出来る、愛としおりに警戒を行って貰う事になった。

とは言え、休憩も無しにいつ目覚めるか判らない2人を待っている事はできない。


誠と相談の末、俺としおり、誠と愛で交互に休む事になった。


俺か誠がGPSを常に監視し、地図に入った時点で全員を起こす。

しおりと愛は拳銃を常に携帯し、即座に反応できるようにする。


山小屋の中は先ほどの例もあり、危険だがケンジとマナミを下手に動かす訳には行かない。


俺達4人は息を潜めながら2人の目覚めを待った。

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