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1日目―目覚め

目が覚めると砂浜に倒れていた。


周りを見渡すが見覚えは無い。


試しに考えてみる。


俺は・・・


名前は佐藤修二


舞浜高校2年


家は東京都


家族は両親と妹2人


うん、記憶喪失等ではないな。


では、最後の記憶はどうだったろうか。


確か夏休みのバイトと言う事で、舞浜製薬の面接会場に居た。


その場で新薬のテスターと言うバイトが決まり、契約書にサインをしていた・・・


それからどうしただろうか・・・


駄目だ、覚えていない・・・



カサッ


何か紙を握り締めているようだ。


手を開き、紙を見てみると次のような事が書かれていた。




【ルール】


1、ゲーム日数は7日間となる。


1、開始24時間以内はセーフティロック状態。

  他者へ危害を加えたものはペナルティ発生。


1、クリア条件


 NO.1  全プレイヤーの殺害

 NO.2  リストバンド7個を集める

 NO.3  最終日に3人以上のプレイヤーの生存

 NO.4  食料・装備ボックス15個を集める

 NO.5  地図内にあるポイントエリア全てへの到達

 NO.6  ブランクプレーヤーの生存

 NO.7  最終日までの生存

 NO.8  ブランクプレーヤーの殺害

 NO.9  地図内にあるポイントエリア全ての破壊

 NO.10 食料・装備ボックス15個の破壊

 NO.11 3人以上のプレイヤーの殺害

 NO.12 リストバンド7個の破壊

 NO.13 NO.1プレイヤーの殺害

 NO.14 シークレット


※この用紙は全プレイヤーへランダムな内容で配布。

 12のルールを遵守し、最終日までの生存を祈る。





「なんだ・・・これ・・・」


緊張からか、擦れた声が出る。


このクリア条件と言うのは何だ・・・


ナンバーによっては殺人が条件となっている。


更に1~6と7~13は正反対の内容じゃないか・・・


いや、うまく協力すればNO.1・11・13以外は条件を補い合う事ができる。


だが、NO.1・11・13は殺人が条件だ・・・


これがただの遊びならまだ可愛げがあるだろう。


だが、このゲームを本気にする人間が居たらヤバイ。


他に何か現状を知る手がかりがないか、辺りを調べる。



『ちゃらりらっらっらっら~』


右手から電子音が鳴る。


袖をめくると、いつものGショックじゃなく、黒いブレスレットがはまっている。


黒い部分全体が液晶なのか、ブレスレットいっぱいにディフォルメした死神が現れる。


『ようこそ、デスアイランドへ。

 皆目覚めたようなので、これからゲームを開始するよ。

 チップは君達の命、報酬は莫大な富だ。

 これからどのようにすごすかは君達しだいさっ。

 僕達はルール以外に何も強制はしない。

 それと、このブレスレットは大事な物だよ。

 経過時間の確認や、周囲の地図情報。

 それと個人NOと生存条件の確認が出来るよ。


 それでは諸君にとって、今日が良い日でありますように。


 ゲームスタート』


死神が消えると、ブレスレットには時計が表示される。


00時00分01秒


00時00分02秒


00時00分03秒


時間が増えていっている。


これはゲームの経過時間か。


このゲームは7日間・・・168時間経過する事でゲームクリアになるということか・・・



俺は今までの情報を整理する。


最早ポケットにも周辺にも何もヒントとなるものは無かった。


ならば、今までの情報の中で考えうる結論を出さなければならない。


今までの言葉の中からキーワードを選び出す。


ゲーム・・・ルール・・・他者への危害・・・14のクリア条件・・・皆が目覚めた・・・チップは命・・・そして、君達と僕達


場合によってはこのゲームとやらは本気かもしれない。


そしてその場合、相手は組織だった犯行と見てもいい。


12のルールの内、1人に知らされるのは3つまで。


2番目にあった24時間以内に危害を加えるとペナルティ発生。


このペナルティが何処までの範囲かにもよるが、このルールを知ると知らないではかなり違うだろう。


例えばNO.1の人間がこのルールを知らずに暴行を加えた場合、即ペナルティが発動する。


まずはルールを知らなくてはならない。


そうだ、その前に自分のナンバーを確認しなくては・・・


ブレスレットを見ると、液晶とコードをつなぐ端子が1つ、あとはボタンが1つだけか。


ボタンを押してみる。


時間から表示が地図へ切り替わる。


周りの状況と地図を判断するに、この地図はまず間違いないのだろう・・・


もう一度、ボタンを押してみる。


表示が地図から時計へ切り替わる。


・・・・・あれ?


再度ボタンを何度も押してみる。


地図と時計が切り替わるだけだ。


ボタンを長押ししてみる。


反応はない。


・・・・・・ちょっと待て、俺のNOが表示されないぞ?


これはどういうことだ。


あせっては駄目だ、もう一度整理してみよう。


あの死神はナンバーと生存条件はリストバンドに入っていると言った。


あとは足りないルールの中に、この状況が意味するルールが入っているかだ。


・・・・・・・ごくり


そして最悪の場合、俺のリストバンドが壊れている可能性だ・・・


その場合、俺はどのクリア条件を満たせばいいんだ?


・・・そうだ


これはゲーム、そして主催者が居るのであれば、監視カメラ等で見張られている可能性が高い。


24時間以内なら、たとえ他のプレイヤーに気づかれてもいきなり襲ってはこないだろう。


・・・・・・・・・


ええい、ままよ


「運営、聞こえているか?いるんだろう?

 リストバンドがおかしい、ナンバーが表示されない。

 壊れているかもしれないんだ、見てほしい。」


やはり聞かれてはまずい、どうしても小声になってしまうが、監視カメラが音声を拾ってくれているか・・・


5分待つ・・・10分待つ・・・20分待つ・・・30分待つが何も起こらない。


聞こえなかったか?それとも返事が無いのが返事か・・・






・・・・・・・・・・ごくりっ


妙に緊張しているのが分かる。唾を飲む音すら大音量だ。


もう一度だけ・・・


「運営聞こえるかっ」


さっきよりも大きく、かつ大声になり過ぎない程度に声を出す。


「運営っ」


後ろの岩場から声が聞こえる


「あの~、運営って何ですか~?」


「ぐっ」


咄嗟に口をつぐむ。


何を知られるとまずいか、何を言っても大丈夫か、相手のナンバーが分からなければ、何も知られるわけには行かない。


情報を握られる訳には行かないのだ・・・


声をかけてきたのは同年代の少女だ。


この場所に良く合うワンピースを羽織ったかわいらしい少女


穏やかな雰囲気ではあるが右手に俺と同じリストバンドが見える。


「え・・・っと・・・」


俺がドモると彼女は何かに気づいたようだ


「あ~、いきなりすみません~。私、七海 亜希と申します~。

 こんにちは~。」


挨拶してきた・・・


印象どおりの少女なのか?


「俺こそ失礼しました、俺は佐藤修二と言います。」


俺も挨拶をすると、少女は先ほどと同じ質問をしてきた。


「それで~、運営って、何でしょうか~?」


その質問には答えずに、右手にはまったリストバンドを見せる。


「あんたもコレか?」


それを見た少女は驚きの表情となり、


「あら~、おそろいですね~。

 これ~、いつの間にかつけていたんですけど~、可愛いですよね~。」


喜んで右手を俺に見せてくる。


どうやらこの少女も参加者で間違いないようだ。



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