白髪の少女
楽しめていただけたら幸いです。
近くでとても大きな音が鳴った。
何かが頭に当たって倒れたことまでは覚えてる。でも、なぜ僕の体の上に車が乗っているのかわからない。本来なら逆のはずだ。第一、車が上に乗っているのに僕はなぜ生きてるんだろう?重さはあるのに、痛みはない。ということは、僕はもう死ぬ間際なのかもしれない……。と思った瞬間、車が徐々に体から離れていく。
頭を起こすと、少し離れた所に一人の少女がいた。その少女は長い黒髪に白いワンピースを着ていた。
「生きてる?…よね?」
かわいらしい声が耳に入った。体を起こして、自分の体のあちこちを見て怪我がないことを確認した。
全く怪我をしていないことを疑問に思ったがそんなことはどうでもいい。そんなことよりなぜ、少女が車を軽々と持ち上げているのかが疑問だ。意味不明だ。
「あなた、ずっと寝ていたようだから言うけど、あなたビーストよ。」
「は?」
ツッコミどころ満載な少女が、おかしな事を言っている。ビーストととは何か?ゲームの話か?
「ビーストってなに?」
「うーん…。ビーストっていうのは簡単に言うと、私みたいに力持ちのこと!」
力持ちどころではない。。
「もっと詳しく教えてくれないとわからないよ。」
「しょうがないなぁ。ビーストっていうのは、一ヶ月前に降った赤い雨、ギガ・ウォーターってやつに濡れて超人的な力を得た人間の事なんだけど…。」
「なんだけど?」
「それには大きなリスクがあって…ギガ・ウォーターが体に適合しないと力を制御できなくて暴走してしまうの。暴走するとなんでもかんでも手当たり次第に壊しまくって、最後には死ぬわ。逆に体に上手くなじめば、すごい能力を手に入れることができるの」
「暴走って…。能力ってどんなのがあるの?」
「色々あるんだけど、わたしのような怪力とか。他には空を飛ぶ能力。あなたはどんな能力なのかしらね?まぁそのうちわかるわ。」
大体理解できたけど、自分がビーストであること、どんな能力なのか、わからないことはまだたくさんある。
「そろそろ夜明けね。ビーストは暴走してるしてないに関わらず、一般人に恐れられてるの。日中は軍の連中に見つかり易いから私たちは隠れ家でおとなしくしてるわ。」
「私たち?」
「そう、暴走してないビーストはまだいるわ。みんなで集まって、協力して生活しているの。」
「そうなんだ。」
「わかったら私についてきて!」
少女は向こうのほうに歩いて行った。僕は何も言わず、少女についていった。