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15、フリーミッションとビンゴ

「セルさんが恋人を殺した理由って……。いえ、何でもないです。個人的なことなのにすみません」


 私は詳細を聞きたかったけど、さすがに無神経だと気づいた。15年以上前のことだとしても、親友を殺されたシャルルさんの心の傷は、決して消えるものではない。


「やはり、オモチさんは彼女に似てるわね。顔は全然違うのに、マリーヌに見えてしまうわ」


 マリーヌさんか。セルさんの本当の恋人って、どんな人だったんだろう。今でも、彼女のことが忘れられないってことは、それほど大切な人だったのね。


 それなら、なぜ殺したの?

 殺したから、忘れられなくなったの?



「オモチさん、この後の予定は決まってる?」


「ミッションを進めるつもりです」


「そう。次のミッションが出ているはずよ。確認してみた?」


「あっ、見てみます」



【ミッション6】未達成

 宿屋で宿泊予約をしよう!

(残り4日9時間51分)


【ミッション2】コンセプトカフェに行こう!

【ミッション3】看板通りに行こう!

【ミッション4】宿屋にチェックインしよう!

【ミッション5】酒場に行こう!



 嘘っ! もう宿泊予約しちゃったよ。私の行動がズレているのかな。昨夜のうちに酒場に行っていれば、今日のチェックアウト時に、今夜の宿泊予約ができた。



「何が出ていたの? 変な顔をしているけど」


「あー、はい。宿屋で宿泊予約をしようって出ています。チェックアウトのときに、今夜の予約をしてしまいました」


「それが、5つ目のミッション?」


「いえ、6つ目です。昨夜、酒場に行かなかったから、ズレてしまったんですよね」


 シャルルさんは、自分の携帯機を操作しながら、何かを考えているみたい。たぶん、彼女は私の味方だと思っても大丈夫だよね?



「オモチさん、フリーミッションは出てない? 5つクリアしていれば、フリーミッションが追加されるはずよ。一旦、ミッションを閉じて、もう一度開いてみて」


「はい、やってみます」


 ミッションを閉じると、財布のアイコンに未読マークが付いていることに気づいた。ミッション報酬かな。気にせず、再びミッションを開く。


 すぐにデイリーミッションの画面が出るのは同じだけど、フリーミッションに切り替えられるようになっていた。触れてみると、ズラリと未達成ミッションが並んでいる。達成ミッションに切り替えると空っぽだ。



「フリーミッションが追加されています。少しスクロールしたけど、終わりが見えません」


「そうでしょうね。街にいる間はリセットされないのよ。永住する人は、これが主な収入源になるわ。3000個しかないけどね」


「ええっ! 3000個?」


「一つの報酬は、1万Gだから、たいしたお金にならないでしょ?」


「3000万G?」


「ええ、達成が難しいものもあるから、15年くらいずっと街にいる私でも、未達成は300個以上あるわね。それで、ビンゴミッションも追加されたのよ。フリーミッションが、ランダムにビンゴカードに並ぶの。ビンゴは、最初は1枚、次は縦横2枚と増えていって、最終の10枚目のカードは縦横10枚の100ミッションよ」


「フリーミッションのビンゴゲーム?」


「ええ。クリアしたビンゴカードは、換金したり様々な条件に使えるわ。オモチさんなら、ミッションの期限延長が良さそうね」


 期限が延長できるの!?


「ミッションの期限延長は、魅力的です」


「フリーミッションをいくつかクリアしたら、ビンゴミッションも開放されるの。でも、私が許可するまでは、始めてはいけないわよ? この店を出て、適当に歩きましょう」


「はい。えっ? 適当に歩くのですか?」


「そうよ。簡単な物も多いから、ある程度は、すぐにクリアできるわ。あっ、ここの会計は、オモチさんにお願いするわね。支払いもミッションに入っているから」


 シャルルさんに誘われたのに、私が支払いをするのね。ちょっとモヤモヤするけど、ずっと街にいる彼女は、あまりお金に余裕がないのかもしれない。



 携帯機を使って支払いができるのは楽だけど、履歴を確認しないと金額がわからない仕様が不便すぎる。シャルルさんに、すぐに履歴確認をするようにと言われた。


「すごく高くないですか? 二人で9万Gゴールドって……」


 すると、シャルルさんは会計をした店員さんの腕を掴んだ。


「アナタ、桁を間違えてないかしら? 個室の室料は5000G、星巡りの昼定食は2000Gを二人分よね? この店は、主人公からは、ぼったくっていいと思っているのかしら?」


「いえ、申し訳ないです。単純な打ち間違えです。すぐに返金します! すみません」


 店員さんは慌ててペコペコしている。履歴を確認すると、81,000Gが返金されていた。シャルルさんは、私に教えてくれているのね。



「この付近は混んでるから、移動するわよ」


 店を出ると、シャルルさんは転移魔法を使った。




 ◇◇◇



 転移魔法で移動した先は、人がほとんどいない看板通りだった。並んでいるポスターは、私の知らないものばかりかも。


「シャルルさん、さっきはありがとうございました。店員さんには、私が主人公だとバレるんですね。携帯機の情報でわかるのかな?」


「は? 何を言っているの? あぁ、アナタは魔法が使えないから見えないわね。主人公が魅了魔法を放っていることは知っているかしら?」


「はい、そう聞きました。あっ、サーチ魔法?」


「違うわよ。魔法なんか使わなくても、主人公が放つ魅了魔法は、淡い光として見えるのよ。その光の中に入ると、耐性がない人は魅了されるわね。特に異性には強い効果があるわ」


「光の範囲って、どれくらいなんですか?」


「話し声が聞こえる距離かしら? 悪役には、魅了耐性があるから、効きにくいけどね」



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