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EP.08 お城からの使者

 行商人さんとの取引から二か月がすぎた。

 雑貨屋のドメスさんが王宮からの書状と王宮専用荷馬車を連れて、戻ってきた。

 書状にはこう記されていた。



 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 陶器職人 楓


 その方を王宮専属陶器職人として任命する。

 ついては以下の品を納品していただきたい。


 長皿     200皿    1枚単価   金貨4枚

 大皿     300皿    1枚単価   金貨2枚

 スープ皿   300皿    1枚単価   金貨2枚

 小皿     1000皿   1枚単価   金貨1枚

 サラダ皿   200皿    1枚単価   金貨2枚

 花瓶     100個    1瓶単価   金貨5枚

 ティーセット 1200セット 1セット単価 金貨4枚

 ティーポット 300個    1個単価   金貨7枚


 ティーセットは、ティーカップ、ティーソーサー、ティースプーンの3点で1セットとする。


 王宮から使いを出すので、その者に商品を引き渡すこと。

 王宮の使いの使者は、毎回書状を持たせるので受け取り確認すること。

 納品は2か月に一度、代金はその場で支払うものとする。


 なお、子の書状は王の命令である。

 追加で商品を所望する場合がある、その場合は従うこと。


 以上、異議申し立てがない場合子の書状にサインをし、使者に持たせること。


 財務大臣 レゴッド・サルタノル

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「ドメスさんありがとうございます。お店でサニャが待っていますので行ってあげてください。」


「あぁ、店番すまなかったな。コップの注文は取れなかった、現物見せれば取れたと思うんだけど。」


「大丈夫です、今回の納品にコップと湯飲み、角皿、小鉢を献上しますので、ドメスさんには感謝です。」


「そう言ってもらえると助かるよ、で、こちらが王宮からの使者のダルトン様だ。」


「ダルトン様、お初にお目にかかります、私が陶器職人の楓と申します。以後よろしくお願いいたします。」



 そういいながら貴族社会の挨拶をした。



「そなたが楓か、幼いのに礼儀をわきまえてるようで安心した。」


「何故、安心なさるのですか?」


「もう一枚の書状だ。確認してみるがいい。」


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 陶器職人 楓


 献上した陶器、誠に見事な品であった。

 相談したい事があるのと、褒美の用意もある。


 ついては王宮へ出廷せよ。


 なお、拒否権はない。


 王 クリスダート・マロアネール


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「うーん、とりあえず納品しましょうか、数日はかかると思いますので。」



 そういって、ダルトンを工房へ案内した。

 大皿     50皿    1枚単価   金貨2枚

 小皿     100皿   1枚単価   金貨1枚

 ティーセット 200セット 1セット単価 金貨4枚

 ティーポット 50個    1個単価   金貨7枚



 検品に二日かかった。

 ダルトンさんはぐったりしていたが計算してくれるのかと思い待っていると…



「楓さん、検品終わりましたが、金額はいくらですか?」


「え?あ、ちょっとお待ちをと地面でサクッと計算した。」



 耳打ちで金額を伝える。



「金貨1350枚です。」


「じゃぁ、この箱に金貨1000枚入ってる、この袋は1袋100枚入ってるから3袋、この小袋は金貨50枚入ってる。確認してくれ。」


 荷馬車の中で確認していると、サニャがやってきた。



「楓さんいますか?」


「サニャちゃん、雑貨屋さんお疲れ様だったね♪明日からは露店台で店番お願いしたいんだけど、どうかな?」


「売り物は何ですか?」


「見習いの子が作った陶器だよ?」


「あれも売るんですね。」


「もちろん!折角一生懸命作ったのに、使って貰えないのは可哀想でしょ?」


「見習いの子が作ったものはいくらで売るんだ?」



 ダルトンが興味津々に聞いてきた。



「銀貨1枚から10枚程度ですね。」


「王宮品は100倍か~ぼったくりじゃ?」



 工房に戻り、見習いが作ったコップやお皿を見せた。



「思ったより下手だし、形が崩れてる、けど使えるから売るって事か。」


「自分で作ったものが売れると、士気も上がりますし、平民には高い買い物ですよ?」


「たしかに平民には安くないな。」


「サニャちゃん、一日の賃金いくらだっけ?」


「えっと銅貨50枚です。」


「安すぎないか?もう少し出せるだろう」


「10歳の子がもらえる報酬としては良い方だと思いますよ?」


「10歳か!?この村の子は仕事があって良いな。」


「ええ、手伝いではお給金は出ませんしね。そこを踏まえれば妥当ですね。」



 この時、サニャは笑いをこらえていた…実際は銀貨2枚で、貯金は銀貨60枚もあるからだ。それに気づき、サニャに話しかける。



「サニャさん、明日は直接露店へ向かってください。商品は陶器職人見習いに運ばせておくので。」


「クっ、閉店時はどうしたらよい?」


「ドメスさんに保管を依頼してありますので、ドメスさんにお願いしてください。」


「分かりました!明日から頑張ります!。」



 ここでダルトンが疑問を投げかけてきた。



「そこに置いてあるお皿やコップは?」


「これは貴族様用です。絵師さんが見習い中でよく見ると、柄が不揃いだったり等間隔じゃなかったり、地味ですが王様には納品出来ないものなのです。」


「素人目には良くできていると思うが…ちなみにおいくらだ?」


「大皿で銀貨30枚程度じゃないでしょうか?行商に卸しているので、詳しくは存じません。」


「直接売ったら良いじゃないか?」


「この村の大人はほぼ全員、職についてます。子供で売りに行っては、危険が付きまとうでしょう。なので行商人に代販してもらうのが一番安全です。」


「なら、王に進言してみてはどうだ?」


「行商人さんとの繋がりが無くなるのは痛いですが、利益目的ならそれもありですね。」



 このあと、ギルドマスターに相談に行き、見習い職人たちへの給料を配布してもらえないかお願いに行った。とりあえず金貨300枚渡した。言伝がうまくいった際には必要になるので多めに渡してある。

 ドメスさんには行商人さんが来た時へ、言伝を頼んだ。

 マリエさんに会い、サニャちゃんとチェニスちゃんのお給料、銀貨60枚だけ渡しておいた。チェニスちゃんには私の代わりに陶器職人たち、石工職人、木こりさんの指示出しをお願いし、見習いたちへはいうことを聞くようにお願いして回った。

 パン屋のテトさんのところにも足を運んだ。金貨1枚渡し、見習いの子たちが、食事に困ってるようであればパンを上げてほしいと頼んだ。もし足りなくなった場合は差額を戻ったときにお支払いすることで了承を得た。


 こうして楓は王宮へと向かうのであった。

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