EP.07 行商人との晩餐会
行商人から香辛料やら布3反、アッピという果実を10個買って
金貨3枚という破格の値段で売ってもらった。
陶器の食器と、木炭を今後も継続して購入したいとのことだった。
それに陶器は売れると踏んだのか、お互いに良い買い物だった。
「サニャ、明日から雑貨屋さんのお手伝いお願いね。」
「はい、お仕事斡旋してくださってありがとうございます。」
「ドメスさんに献上品のお願いした手前、ドメスさんの売り上げがないからね、上手くいけばお手紙のお返事をいただけるはず。」
「お手紙には何と書かれたのですか?」
「陶器職人として出発したこと、献上品の出来栄えと残りのセットをいくらでご購入していただけるか、定期的に納品したいので価格交渉したい旨を手紙に書きました。」
「楓さん、まだお若いのにやり手の商人のようですね。」
「いえいえ、ずっと考えてた事だったので…ようやくスタート地点に立った感覚です。」
「楓ちゃんが12歳なんて信じられないよ、私と2つしか違わないのに。」
「サニャちゃんも商人としてやるのだし、変わらないって。」
「二人ともとても立派だと思いますよ?ところで、こちらのお嬢さんはどうして今日は同席を?」
「チェニスちゃんは今日あなたが買ったお皿やコップ、湯飲みなど作った張本人です。」
「なんと、こんな幼い子にお仕事させているのですか?」
「チェニスちゃんは物覚えと手先が器用なので、1人でも完成まで持っていける優秀な人材です。」
「私物を作るの大好きみたいで、毎日が楽しいんだ~。」
「楓さんの周りには良い人材が集まっているのですね、うらやましい限りです。」
「でも実は人手が足りなくて、もし可能であれば出稼ぎしたい子とか探してもらえませんか?」
「可能だとは思うけど、条件等によっては厳しいかもしれないよ?」
「街での1日平均収入ってどの程度何ですか?」
「そうだね、見習い期間の子達は住み込みで銅貨70枚位かな、住み込み無しだと銀貨1枚程度かな。」
「分かりました、なるべく若い子で住み込みで銅貨80枚、10人程度集まってくれるとありがたいです。その他は木こりさんを1名欲しいです。薪三本で銅貨1枚で買い取ります。運搬用の荷馬車ので往復してくれる人も欲しいです。日給で銀貨1枚。」
「その待遇であれば二週間後に連れてきますよ、一つお聞きしたいのですが木こりもこの村で従事させた方が良いのでは?」
「では、行商人さん、森って無限に木がありますか?」
「いや、限りはあるでしょうが、一人なら数十年持つと思いますが?」
「町の周辺の木材はどうですか?」
「…確かに、森まで馬車で二日かかる距離になってますね。」
「町は大きいので、木の需要も高い、薪や建材、食器や家具、修繕など多岐にわたります。つまり一か所で集中的に伐採するのは悪手なのです。森から敵が出てくる危険性を考慮すれば、それは安全性を買っている見方もできますので、町や城の場合は良いかもしれません。」
「なるほど。ちなみに森は再生することはあるのでしょうか?」
「枝先を地面に突き刺せば、根を張り育ちます。木の種類にもよりますが。そして元の高さに成長するには10年はかかるでしょう。寒い地域の木はとても高さがあるため、同じ一本でも薪の数に差が出ると思います。」
「つまり、10年で一日一本伐採したら、3650本の木が消えるということですか。これは減りますね。」
「なので、他の村で伐採してもらいたいのです。この村の発展上、木材は重要ですし。」
「分かりました。でも楓さんは博識なんですね。」
そんなこんなで食事会も終わり、マリエさん宅に向かった。
マリエさんにも理解いただかないと、いけないと思ったからだった。
「こんばんわ、マリエさん、今日はご相談というか報告に来ました。」
「相談?報告?楓ちゃんとりあえず座ってお茶でも。」
とりあえず席に座り、お茶をいただいた。
マリエさんは落ち着いた様子だった。
「サニャさんが明日から雑貨屋さんで、ドメスさんの指導をもらいながらお店のお手伝いをすることになりました。」
「そのための勉強だったの?」
「当初は露店出す予定だったのですが、ドメスさんにお使いを頼んでしまったので祖納だの営業をお願いしました。」
「お使い?」
「チェニスちゃんと陶器を作ってるのは、以前お話ししましたが、良い出来のティーセットが出来たのでこれを国王様に献上しようと思い、ドメスさんにお願いしました。」
「話は分かりました。サニャの事が心配だわ。」
「私も気にかけてみますので、マリエさんも時間があれば見に行ってあげてください。」
「わかったわ、教えてくれてありがとう。」
話が終わったのでサニャちゃんとチェニスちゃんも席に着いた。
マリエさんは娘たちのお茶を用意しているようだ。
「サニャちゃん、マリエちゃん、明日からお仕事だね。」
「サニャおねーちゃんはお仕事だけど、私もお仕事なの?」
「チェニスちゃんの今までは練習だったけど、これからはお仕事としてコップやお皿を作るの。」
「今までと何か変わるの?」
「チェニス、お仕事というのは働いた対価として、お金がもらえるんだよ。」
「お金かぁ~。」
「やることは変わらないから大丈夫だよ?」
「なら大丈夫!出来ると思う」
「では、一日銀貨3枚でいかがでしょう?」
「楓ちゃん!ちょっといくらなんでも多すぎよ、他の人がどの程度なのか分かってないでしょ!」
「はい、なので私の出せる上限を言いました。マリエさんのお知恵を拝借できればと。」
「楓ちゃん、あなた結構意地悪なの?でもまぁいいわ、大体の人は銀貨1枚貰えるかじゃない?」
「ありがとうございます、では二人の日給は銀貨2枚とします。」
「楓ちゃん、あなたね村の人たちが知ったら、村人総出で押しかけてくるわよ!?」
「つまり、ここに居る誰かが口外しなければ良い、それだけの話ですよね♪
サニャちゃん、チェニスちゃんお給料の話はおしまい!忘れてね?」
「誰かに不意に聞かれたら…言っちゃいそう。」
「なら、毎日こう思ってください。私の給料は銅貨50枚ってね。」
「わかったわ」
「はーい!私のお給料は50枚~♪」
マリエさんは渋々了承した。ただ、二人には渡さず私自身が管理することになった。




