EP.04 初めての村 ヴェル
翌日、薬草とキノコと甘い実で作った朝食の準備をしていた。
鍋はアイテムボックスにあったが、皿やスプーン、フォークなどの小物は一切入ってなかったので、深夜の見張りの間に作っておいた。今はコップつくりの最中だけど底が大変すぎるなぁ。
数分後に姉が目覚めた。
「う~ん、あれ、ここは?」
「ここは昨日いた森の中です。あそこが襲われた現場です。記憶にありますか?」
「ひぃ!き、昨日はありがとうございました。」
「いえ、怪我させちゃってごめんなさい。怪我のほうはどうかしら?」
姉は少し言いたくなさそうな表情を見せた。数十秒後に口を開いた。
「実は左足の感覚が感じなくて、自分の意志で動かないようです。」
「そんな…本当にごめんなさい。守り切れなかったのは私の責任です。とりあえず村にお送りして、今後の方針を考えますので妹さんが目覚めたら、一緒に朝食いただきませんか?」
「ありがとうございます、いつ起きますかね?」
「まだ陽が昇って間もないですし、もう少し寝かせてあげましょう。」
そうして妹が起きるのを待った。待ってる間に松葉杖を作っておいた。
コップつくりに勤しんでいると妹が起きたので朝食をとった。
「そう言えば自己紹介がまだだったわね、私の名前は楓。歳は12歳、北にあった村が盗賊に襲われて逃げてきたら、昨日あなた達を見かけて。」
「私の名前はサニャ、年齢は10歳でチェニスの姉です。」
「私の名前はチェニスよ、ヴェル村から薬草採集に来てたの。」
「狼も血抜きできたし、薬草とキノコを採取しながらヴェル村に向かってもよいかしら?」
そういって3人は村に向けて出発した。
陽も傾く夕焼け空、ようやく村へと到着した。
村の入り口にはギルドマスターのエルドとサニャたちの母親マリエの姿があった。
「サニャ、チェニス!」
「お母さん!」
1日ぶりの再会を果たした。私は横にいたギルドマスターに挨拶した。
「初めまして。ギジェントの村が盗賊に襲われ、逃げてこの村に逃げてきました。この村でお世話になることは可能でしょうか?」
「お嬢ちゃん、それは災難だったな、親はどうした?」
「盗賊に襲われて生死はわかりません。ですが無事ではないと思います。ギジェントの東のパチェタ村の名前を、盗賊が口にしていたのを聞いたので追手はないと思います。」
「そっか、取り合えず滞在は可能だが金はあるのか?無いならギルドの空き部屋貸してやるけど、村の手伝い雑用、その他もろもろ行ってもらうけど、どうだ?
「是非お願いしたいです。」
「じゃぁ待っといてやるから、まずはあの家族と話があるんだろ?してこい。」
「ありがとうございます」
「私は楓と申します。この度は娘さん方を守ることが出来ず、申し訳ございませんでした。」
「私はマリエでサニャ、チェニスの母です。娘たちの命を救ってくださってありがとう。あなたも怪我をされたって聞いたわ、楓ちゃんは大丈夫なの?」
「私は少し痛みが残っていますが、行動に支障はありません。むしろサニャさんには後遺症が残る怪我をさせてしまって…本当にごめんなさい。」
「楓ちゃんの勇気がなければ、二人は死んでいたかもしれないわ。本当に連れ帰ってきてくれてありがとう。」
「当面の間、サニャさんが出来ない事は私に伝えてください。薬草採取でも家事手伝いでも何でもしますので。」
「楓ちゃん、そこまで気にしないでね。今日からよろしくね。」
そう言ってマリエ達と別れ、ギルマスのエルドに連れられて解体場に案内された。
「狼2体の解体お願いします。」
「今日中に解体できるけどどうする?」
「待たせていただいても大丈夫ですか?」
「おうよ、2時間てとこだが?」
「そう言えば、お二人にご挨拶していませんでしたね。」
「俺は盗み聞きしてるから知ってるぜ?楓ちゃん。俺はギルドマスターをしてるエルドだ。そっちの解体作業してるのはドンって名前だ。よろしくな。」
「エルドさんにお尋ねしたいことがあります。」
「なんだ?大抵のことは分かるけど、俺のわからない事は村長に聞くといいよ。」
「この村には冒険者の方はどの程度いらっしゃるのですか?」
「大体10人程度で新人ばかりだな、狼狩りが人気で薬草採取は人気薄くて薬草採取は需要があるぞ?因みに狼は減少傾向かな?数が減ってる気がする。日によっては1匹も収穫なしもあるしな。」
「ちなみに畜産農家の方は?」
こんな話をしながら2時間はあっという間に過ぎた。
討伐系はあまり需要は無く、採取系は薬草は人気はないけど需要は過多で品薄状態。
農作物は麦、芋や野菜数種でキノコはあまり採らないらしい。毒との区別が新人ハンターさんに無い為だということ。同様に木の実もあまり採られないらしい。
興味を引いたのはスライム、核を打撃でつぶしてもスライムの体液は残るらしい、剣などで突いても残るという…スライムは要検証が必要。
畜産は馬が3頭、牛が20頭居るだけ、他は育成できなかったという。
とりあえずは明日からは、村をめぐってみようと思う。




