EP.24 興味本位は破滅を呼ぶ
王と、王妃の対談は1日設けられ。
各国で起こった出来事を、事詳細に話し合いが行われた。
もちろん楓が口にしなった内容も、その場で露わになっていることなど当の本人はつゆ知らず。
対談後、クリスダート・マロアネール王に呼び出された。
「楓よ、明日王妃2人は国へ戻られるそうだ。ついては送迎をお願いしたいのじゃが。」
「かしこまりました、国王陛下。」
「送迎後は、話があるので私の元にくる様に。大切な話があるでのう。」
「わかりました。]
私は二人の王妃を送り届けた。
メリナ王妃には城の修繕を手伝う石工を数人、ヴェル村から派遣する事を約束した。また、ドルグステンで事業を起こして、お城に貢献することを約束した。元王のマグルドは生きていると説明した。
アーシャ王妃には事業を起こして、お城に貢献することを約束した。デイビットも生きていることを説明した。私の村から派遣する形で良ければ、マグドデルタに居ることをも出来る話はした。
無事終わり、クリスダート王の元へ向かった。
「クリスダート王、無地王妃2名の送還終了し、今戻りました。」
「ふぅ、戻ったか。ついてまいれ。」
連れていかれた先は王の執務室だった。そこにはすでにハルド王が鎮座していた。
しかも新設にも人払いがなされていた。
「クリスダート王、これは一体何の場なのでしょうか?。
「楓、わしらに隠して事あるじゃろ。」
「さて、何のことでしょう。私がお話すべき話はしたかと思いますが。」
「ほう、では楓今一度問おう。最初の一度目、ドルグステン訪問した際に、あり得ない光景があったとメリナ王妃から話が出てな。わしらはそんな話聞いておらんかったから、平常心を保つのに必死だったんじゃぞ。」
(メリナ王妃…どっかで見てたのか……)
「あり得ない光景?ですか?さて、兵士の足が全部人体から離れた事でしょうか?」
(ここは何とか誤魔化して、話をそらさないと…)
「いやな、そもそも城に入れて貰えないのではなかったのか?」
「ですね、ですので多少強引ではありますが、城内を通り王え謁見させていただきました。道中に居た兵士にはご退場いただきましたけど。」
「そうなのか?楓よ、ドルグステンには何度訪れた?」
「3度ですね。マグドデルタのサインがどうしても先に必要だったので。」
「ちなみに聞こう。2度目はどうだったんじゃ?」
「やっぱり入れて貰えなかったので、浮遊魔法で王の間に窓を破り侵入しましたよ。二度も同じ行動は面倒くさかったので。」
「それじゃ!そのときじゃ!楓、城を半壊させたとメリナ王妃は証言しておる!その犯人は誰じゃ!?」
「ウィンドカッターでやったんだったかな~?」
「いや違うじゃろ?楓、正直に話さんのであれば当人に直接聞くが、それでも良いか?」
「当人…?」
(古代暴風竜なら、知らないで通してくれそうだけど…面倒かけるのはさすがに悪いかなぁ。)
「そう言えば、偶然にも竜が居た気がします。」
「偶然じゃと?それは誠なのか?」
「えぇ、ハルド王から聞いた限りでは古代暴風竜くらいしか人語は話せないのでしょう?」
「私が知る限りはそうだと思うが。」
「で、古代暴風竜はどこを根城にしてるんですか?」
「私にもわからん。古代暴風竜と対話を試みたことがあるのは先代の王でな。」
「根城も解らないのに、どうやってコンタクトをとるんですか?それに人間ごときの争いに参加するでしょうか?」
「しかし、竜が居たことは事実、参戦したことは明白じゃ。」
「クリスダート王、竜が居たことがそんなに問題でしょうか?」
「何を言っておる?竜が居たんじゃぞ?災害レベルで緊急な事態じゃろうに。」
「本質を見失っていますね。」
「本質?何の事じゃ?何が言いたい?」
「クリスダート王、これは私の独断で思考しただけで真実かはわかりません。楓さんが言っている本質、竜が居た事ではない、竜が楓に対し何もしていない。竜が脅威を無視するはずがない、なのに無視をした、もしくは、竜は楓さんに対し手を出せなかった…としたらどうでしょう。」
「馬鹿な!竜が楓に臆したと言うのか!?いや、視界に入らなかったのではないか?」
「でもやり取りは、王と楓さんがしていたはずです。楓さんを脅威だと思えば、竜も黙って過ごさないはずです。しかし、実際は竜は楓さんを攻撃対象としていなかった。つまり竜は楓さんに対し手を出せなかった…もしくは竜に既に何かしら力の誇示をしたか、です。」
「楓よ、お主何を隠して居る。隠し立てするならば…」
「隠し立てするならば、なんです?クリスダート王。」
「いや、話してもらうまで帰さんぞ?」
「何言ってるんですか、私が帰ろうと思えば一瞬ですよ?」
「クリスダート王よ、あまり深堀するのは…」
「ハルド王様は賢明でいらっしゃる。」
「なんじゃ?わしは何か悪い事をしてるのか!?真実を確認しようとしておるだけじゃ!」
「クリスダート王、それは必要な事ですか?真実がどうであれ、4国間不可侵条約は結ばれた。国は安全になった。これが大事な事ではないでしょうか?」
「真実は知っておかねばならぬ!知らぬまま何か起きてからでは対処できん。」
「しつこいですね、クリスダート王。知っていったとしても、どうにも出来ませんよ。」
「クリスダート王よ、楓さんの言う通りかもしれません。知っていたとして、私たちにはどうする事も出来ない、これは真実でしょう。」
「では、仮の話をしましょう。4国が私を敵として認識したとしましょう。私はダリエーラ城南にある牧場の豚をすべて殺し、海に捨てます。これで4国は滅びます。多分かかる時間は、3週間です。私が小細工すれば2週間持たないでしょう。この意味わかりますよね、ハルド王様。」
「わかる、竜の贄が無くなれば、昔の約束が反故になる。餌を失った竜は、村や町、城を襲うでしょう。3週間と2週間の違いは解り兼ねるが…。」
「馬鹿な!ブブ牧場、たったそれだけの事で、すべての国が亡ぶと言うのか…。」
「現に、以前村の家畜を竜が襲う事件は起こっているのです。これは、古代暴風竜の贄は有るが、他の竜のエサは用意が無いから、他の竜は自分で餌を探すんです。古代暴風竜が村や町、城を襲わない。だからほかの竜もなるべくそうしてる、たったそれだけの話です。古代暴風竜のエサが無くなれば、昔の約束は反故にされたと古代暴風竜は思うでしょう。あとは古代暴風竜が、その事に何時気が付くのか?という問題だけです。」
「そんな…ブブ牧場とはそんなに重要なのか…。」
「はい、ブブ牧場あっての古代暴風竜との契約が履行されてるので、ブブ牧場あっての平和と言えます。」
「じゃぁ、3週間と2週間の違いとは何じゃ?」
「え?簡単ですよ。古代暴風竜の目の前でブブを殺し海に捨てる。そして私は転移で竜の前から姿を消す。これで、古代暴風竜は目の前の惨劇を見て怒り、反故にさせた、人間に対し敵対する口実の出来上がりです。」
「そんな恐ろしい事が、ブブ牧場1つで起こるのか…楓はそれをできると。」
「出来ない。と言えば嘘になりますね。」
「でもそんな事しなくても滅ぼすことは出来ますしね。私なら。」
「お、お前はなんてこと言うんじゃ!よくも堂々と王を前にして言えるな!」
「え~?だって現実問題、今回一人も殺してませんけど、2つの国は滅ぼして、尚且つ再生させて見せたじゃないですか?」
「いや、2人は確実に殺してるだろうに…。」
「え?処刑はしましたよ?でも死んだとは言ってませんよ?」
「じゃぁ、二人の王は今どこにおるんじゃ?」
「ヴェル村で生活してますよ?罪人なので国には帰せませんし。」
「はぁ?!では手加減して、この結果と言う事か?」
「そういう事になりますね。手間ではありましたけど、誰も殺していません。私はですが。」
「なんだその含みを持った、私はですが、とは何じゃどういう意味じゃ?」
「いや、竜が殺した人は私の管理外なので知らないです。というお話です。」
「死んどるじゃないか!?」
「いや、竜を制御できるとでもお考えなのですか?竜にそんな面倒な事頼めるんですか?死人を出さずに建物壊せとか、死人を出さずに火の海にしろとか?人間ですら難しいでしょう?死人を出さないように建物倒壊させるとか、火を放つとか。」
「確かに難しいと言うより、無理じゃ。」
「自分が出来ない事を、人に頼むのは筋が通らないかと思いますが。」
「じゃぁ、楓の言ったでもそんな事しなくても滅ぼすことは出来ますしね。私なら。この意味はどういう意味じゃ!?」
「え?死人上等、すべて滅ぼすと言う事です。これは簡単です。死のうが死ななかろうが、村、町、城を壊せばいいだけですもん。こんな簡単な事は無いですよ?」
「えーい馬鹿な事を言う出ない!許さん!そんな事は、わしは許さん!」
「クリスダート王よ、楓さんを敵にしてはいけません。無礼を働けば国が滅びます。ドルグステンやマグドデルタのように…。」
「ハルド王様は、本当に理解が早くて助かります。」
「じゃぁ、お二方が聞きたかったであろう、竜との関係をお教えしますよ。」
「やはり関係はあったのじゃな…して。」
「この大陸に居る竜、全ては私の支配下にあります。」
「はぁ!?」
「お待ちください、古代暴風竜様もですか?」
「業火のレッドドラゴンって知ってますか?」
「言い伝えには聞いたことあるが。」
「私もそうですね。でも古代暴風竜と同じように強い2位の竜だという伝承が残ってます。」
「その業火のレッドドラゴンを3回半殺しにしました。そうしたら古代暴風竜が出てきて、従うって言ってきたので了承しました。」
「な!なんと馬鹿な事を!!」
「そんな、まさか古代暴風竜様が人間に従えるなんて…。」
「だから、私の力の事は他言無用です。言ったら滅ぶ覚悟はしてください。」
「あ、あぁ、わかった。楓よ聞かなかったことには出来んか?」
「それはムシが良すぎませんか?さんざん聞いてきたのはあなた達ですよね?」
「竜の事は2人しか知らない事です。この意味わかりますよね?」
楓は漫勉の笑みで二人に語り掛けた。
王様二人は、ただ頷くしか選択肢はなかった。




