EP.22 残酷な現実
マグドデルタをまさか滅ぼし、新しい王を据えるという荒業をした楓。
デイビット・マグドデルタを連れ、楓はドルグステンに転移移動した。
城門に到着し兵に挨拶する。
「私は楓といいます、マロアネール城王の命によりお伺いいたしました。クリスダート・マロアネール王の名代としてお通し願いたい。」
「しばし待たれよ。」
そう言うと兵士は慌てて城内に入っていった。
10分ほどして兵士が戻って来た。
「宰相のジェスパル・レイドナがお待ちです。」
そう言って中に案内された。
中での案内はメイドさんだったが、とても丁寧だった。
「楓様をお連れ致しました」
扉が開かれた。
そこに居たのは、マグルド・ドルグステンと、宰相のジェスパル・レイドナだ。
「やっと普通に通してもらえましたね。」
「この度は大変失礼しました。何度もご足労頂き感謝いたします。」
「いえ、だいじょうぶです。」
「ところで、そのお連れの縛られてる方は?」
「うん、この人はデイビット・マグドデルタと言って、マグドデルタ前国王です。」
マグルド・ドルグステンと、宰相のジェスパル・レイドナが驚きを隠せずにいる。
「楓様、前国王というのはどういう事でしょうか?」
「前回私が来たとき、あなたたちがとった行動は?」
「あ、えっと兵が楓様に襲い掛かり、3か国に対する宣戦布告となり、4国間不可侵条約の条約違反という処罰を受け、温情で会議の時間を頂いたのが我々のしたことです。
デイビット・マグドデルタが何か言いたそうにしているが無視をして話を進めていく。
「実はマグドデルタも同じことしまして、私がマグドデルタを滅ぼしちゃいました。デイビット・マグドデルタの罪状は、使者の殺害未遂、及び3か国に対する宣戦布告となり、4国間不可侵条約の条約違反。罪人として連れてきました。」
マグルド・ドルグステンと、宰相のジェスパル・レイドナは言葉を失っているので続ける。
「私はドルグステン国に、デイビット・マグドデルタの処刑執行を命じます。」
「ま、待ってください、何故我が国なのですか!?」
「え?次はマグルド・ドルグステンを処刑するからです。決まってるじゃないですか、けじめです。そして見せしめです。」
マグルド・ドルグステンが慌てて会話に参加する。
「待ってくれ、俺は処刑されるのか!?」
「2国は同じ事をしたんですよ?片方だけ処刑はおかしくないですか?」
「確かに同じことをした、だが罰は受けている!ここに違いはあるはずだ!」
「いいえ。違いなんて存在しません。罪状は、使者の殺害未遂、及び3か国に対する宣戦布告となり、4国間不可侵条約の条約違反。全く同じですよ?」
「我が城は半壊の罰を受けている、貴族街での死者も出ている。それも同じなのか?」
「あれは竜が自発的にした事で、私の管理下にありません。だから今回竜はいないでしょ?」
「じゃぁ城の半壊も、貴族街での死者はどうなるんだ!」
「自然災害じゃないですか、それを人間の私のせいにしないで下さい。」
「ふざけるな!わが国だけ被害が出て死者も出ているのに同じ刑を受けるなんて認められるか!」
「竜によるの自然災害なのに、被害者面されても困ります。それにマグルド・ドルグステンが使者の殺害未遂、及び3か国に対する宣戦布告となり、4国間不可侵条約の条約違反を犯したことは変わりません。」
「楓様、会議で決定した事をお伝えしても宜しいでしょうか?」
「聞きましょう。」
「マグルド・ドルグステンは王ではあるが戦争や政など、すべてにおいて決定権はなく議会を通すこととする。」
「はい、他には?」
「城内の兵は王の命ではなく宰相の命で動くものとする。」
「はい、次は?」
「いえ、現時点で決定したのはこの2点です。」
「この数日にしては頑張ったと思います。」
「ありがとうございます。」
「では、明日、デイビット・マグドデルタの処刑を実行してもらいます。私立ち会いますので。」
「本当にわが国が行うのですか?」
「当然です。使者の殺害未遂、及び3か国に対する宣戦布告となり、4国間不可侵条約の条約違反を犯した罪の重さを、知ってもらわなくてはなりません。」
「では、今日は失礼しますので、明日の死刑執行の準備お願いします。
城を後にし、マグドデルタ城に帰還した。死刑囚を連れて。
アーシャ王妃に頼み兵士500人用意してもらった。
翌日、死刑囚と兵士500人を連れて、ドルグステンへ転移いどうした。
城門で兵士に告げる。
「私は楓といいます、マロアネール城王の命により…」
兵士が慌てて城内に入っていった。
数分後宰相とともに現れた。
「楓様これは一体!」
「デイビット・マグドデルタの処刑立会人のマグドデルタ城兵士500名です。処刑場所は?」
「中庭で如何でしょう?」
「では案内をお願いします。」
そう言って中庭に案内された。
デイビット・マグドデルタには既に処刑用の晒し台を装着している。
「では、マグドデルタ城兵士500名立ち合いの元、デイビット・マグドデルタの処刑を執り行う!ジェスパル・レイドナさん、指示を。」
「わ、わかりました。ダリダン、処刑執行だ。」
ダリダンはデイビット・マグドデルタの横に立ち斧を一気に振り下ろした。
首が飛び血が噴き出し誰もが確認した。
「死刑執行に感謝いたします。」
そう言うと私はデイビット・マグドデルタの死体を袋の中に入れ頭を首に当て小声でヒールを唱えた。
誰にも気づかれないように一瞬で処理し一言残してその場をいったん離れた。
ヴェル村の自宅に戻り、袋からデイビット・マグドデルタを取り出し、手足を拘束し、さらに柱へ括り付けリカバリーで蘇生した。呼吸は確認できたのですぐに、マグドデルタ城の中庭に転移で戻った。
「では、ジェスパル・レイドナさん、マグルド・ドルグステン現国王を罪人とし捕縛することを命じます。」
「ですが、会議の決定の話はさせて頂いて罪は与えましたので」
「それはドルグステン内部事情であって、使者の殺害未遂、及び3か国に対する宣戦布告、4国間不可侵条約の条約違反の罪状は変わりません。それとも3か国を敵にしますか?私を敵に回すんですか?」
「いや、敵に回すなんて事は…」
「なら、差し出しなさい。マグルド・ドルグステンを自らの裁量で。兵はジェスパル・レイドナの石で動くのでしょ?」
「聞いていないようで、しっかり聞いていらしたんですね。」
「ジェスパル・レイドナ、指示しないのなら滅ぼしますよ?」
「……ジェスパル・レイドナが命ずる。マグルド・ドルグステンを捕縛し楓様へ引き渡せ。」
「はっ!一斉に兵たちが動き出した。」
「ジェスパルさん、お見事です。因みにマグルド・ドルグステンに妻子などは?」
「居ます、妻も側室も息子も娘も。」
「なら次の王は心配ありませんね。私的にはジェスパルさんでも良かったんですけどね。」
ジェスパルさんの顔は引きつっていた。しかし必死に笑っていた。
そこに兵士がマグルド・ドルグステンを捕縛し連れてきた。
だが、煩かったので猿轡を二重にして黙らせた。
ジェスパルに、マグルド・ドルグステンの処刑は、マグドデルタで執行することを伝え、マグドデルタの牢屋にぶち込んだ。
処刑の日、ドルグステン側の処刑立会にはマグルド・ドルグステンの妻子が来たのは驚きだった。マグルド・ドルグステンの罪状と悪いところを伝え改善させるようにお願いをしてから、処刑執行となった。
マグルド・ドルグステンもちゃんと回収し蘇生させた。




