EP.19 最後の城はワイルドに
ドルグステン城内から、転移魔法で最後の城、マグドデルタの貧民街に来た。
浮遊魔法で城門前に到着したのは良いが異様に兵士が多い。
とりあえずお城の屋根に降りて状況確認。
どうやらこれが、この城では通常営業みたい。
王様が居るのはマップ拡大で確認したら、奥に引きこもり。
下の階ではなさそうだし、上から順番に確認したらすぐに見つけられた。
ウィンドカッターで窓を破り、ダイレクト入室。
直ぐにウォーターアローで兵士二人の動きを封じるが、ここで予期せぬ出来事が起こる。
肩を狙ったはずのウォーターアローが首に命中!
兵士の頭が地に落ちた!!!
私の体から血の気が引くのを感じた…。
王様隣にいる宰相の足と肩を狙い、ウォーターアローで攻撃する。
王様は慌てふためているが、私はそれどころじゃなかった。
首がない兵士に駆け寄り頭をくっつけヒール!
駄目かと思ったが、何とか間に合った!口から血を吐いた。息がある。
その兵士は完全回復してるので、肩と足にウォーターアロー。
扉が開き兵が数人入ってきたので浮遊魔法で距離をとり、ウォーターアローで鎮圧。
王様の目の前に降り、挨拶を述べる。
「私は楓といいます、マロアネール城王の命によりお伺いいたしました。」
そう言って書状を渡す。
「マロアネールの者か、まったく無礼な奴だ!して、何の用だ。」
「クリスダート・マロアネール立案の4国間不可侵条約に署名して頂きたくお伺いした次第です。」
「4国間不可侵条約だと?お前は何を言っておるのだ、我が国は中立だ。署名などせん。帰れ。」
「ですが、マグドデルタの王様、すでに3か国の署名は済んでおります。あとはあなたの署名だけなのです。」
「わしの名も知らんで来るような奴に用などない!帰れ!
観察していて分かったがこの王は左利きだ、今回は足じゃなく腕を落とそう。
私は王の右腕の肩に細く調整し、ウィンドカッターを放った。
「あがぁぁぁぁぁぁ!」
「王様、お立場を理解されてないようですね。わざわざ来て差し上げたのに。」
「た、頼んでおらん!」
その時だった、騒ぎに気が付いたアーシャ王妃が部屋に入ってきた。
私はテレポートでアーシャ王妃の後ろに回り込み、王妃の腕を背中に回し自由を奪った。
「これはこれは、良いタイミングでいらっしゃいました。」
「痛い!そ、そなたは誰なの!?」
私は王妃を拘束したまま、王の前まで移動させた。
「貴様、妻から離れろ!」
「あなた、怪我を!」
「うーん、状況がごちゃごちゃですね。」
私は王妃の足にウォーターアローを放った。
王妃は痛みで床に突っ伏した。
私は王の腕にヒールをかけた。
「ん?!腕が動かん!」
私は王妃の元に戻り、王妃を床に座らせた。
「さて、交渉の時間です。クリスダート・マロアネール立案の4国間不可侵条約に署名をするか、王様の腕と同じように、王妃様の首から上が無くなるか?どちらが宜しいですか?」
「きさま、人間か!?」
私は王妃の片腕ををウィンドカッターで切断した。
「きゃぁぁっぁぁぁぁ!」
「おい!妻に手を出すな!すぐ治療しろ!」
「治療してほしければ、4国間不可侵条約に署名が条件です。」
王妃は痛みで泣きうずくまっている。
「次は反対の腕を落としましょうか?」
「やめろ、やめてくれ!それ以上妻を傷つけないでくれ。」
「なら署名してくださると言う事ですか?」
「署名する、だからこれ以上やめてくれ!妻のお腹には子供が居るんだ。」
腕を王妃に当ててヒールを唱えた。
「私も悪魔ではありません。王様お名前をお伺いしても?」
「デイビット・マグドデルタだ。
「デイビット王、執務室へ移動願えますか?」
「あぁ。」
私と王の二人は執務室に移った。
書状を渡すと、やはり左利きだったようで署名をしてくれた。
「王妃様の傷は完全に回復してあります。後遺症もないので安心してください。」
「私の腕は治せんのか?わざとか?」
私は王様の腕にヒールをかけた。
「わざとです。確かに書状のサイン確認しました。この一通はデイビット王あなたが保管してください。」
「4国間不可侵条約、ドルグステンが守るとは思えんが?」
「破った場合、3国の兵士総動員して、ドルグステンを亡ぼすと釘を刺してあるので大丈夫だと思います。」
「ここだけの話にしておいてください。当初の作戦はドルグステン、マグドデルタの二国を滅ぼそうと言う話でした。」
「二国同時にか?」
「はい、マロアネールとダリエーラの連合軍でマグドデルタを侵攻してしてもらい、ドルグステンは私と神の力を用いて亡ぼす予定でした。」
「神の力とは何だ?」
「神の力とは実際は神ではありません。古代より存在する、古の生き物の力を借りるという神に近い力です。」
「古代暴風竜の事を言っておるのか?」
「それはご想像にお任せします。ですが、マロアネール兵はマグドデルタの国境付近に進軍するために準備は進んでいます。ダリエーラの書状のサインを頂いたのは一番最初です、もちろんこの話はしてますので、もし私がこの書状を各国に届けなければ、マロアネールとダリエーラの連合軍でマグドデルタを侵攻が始まります。」
「おぃ、私が4国間不可侵条約にサインしてなかった場合は、マロアネールとダリエーラの連合軍でマグドデルタを侵攻開始されてたと言う事か?」
「正解です。だからサインさせたんじゃないですか。」
「いや、マロアネールとダリエーラの連合軍でマグドデルタを侵攻の話を聞いてればサインしたぞ!?」
「でも結局、私次第なんですよ?この書状を各国に届けない、という選択肢があるんです。」
「あんな脅迫でサインさせておいて、届けないなんてないだろ!」
「それがあるんですよ、だって私の手元には3通の書状がまだ残ってますもん。届けるも自由、滅ぶ国を見るも自由なんです。」
「滅ぶ国を見るも自由ってそんの見れないだろ!ドルグステン侵攻があるだろ!?」
「私がやるんですよ?ドルグステンなんて二日で滅びますよ。」
「で、結局どうなるんだ?」
「残念ですが、4国間不可侵条約の書状のサインは揃ってしまったので、届けますよ。本当に損な役回りです。」
「何が損な役回りだ、楽しそうに人を傷つけてただろ!」
「時には悪役も必要なんです。正攻法で話が通じない人は多いんです。」
「いやわざとそういう方向に持っていってるだろ。」
「良いじゃないですか、それより負傷者の治療お願いできますか?軽傷ですし。」
「お前がやれよ!お前の責任だろ!」
「じゃぁ、治しても手を出さないように指示してくださいよ?」
「仕方ないな、言ってやる。」
「あと今後顔出すと思うので城内に命令しておいてください。楓が来たら通すように。」
「わーったよ。指示しとくから。」
こうして4国のサインが集まり、ダリエーラ城へ向かうのであった。」




