EP.16 事前準備は大事
私は、王との謁見後すぐさま森へ入り、魔物を探した。
「パーティーは村人全員と。」
索敵で反応のあった方向へ向かう途中、マップ上の敵のアイコンをタップしてみた。
「あ、索敵した対象の情報見れるんだ!」
「なら、経験値は抑えたいから、狼だけでいいや。」
「対象、狼を探索!」
「うんうん、これは便利。」
狼を6匹討伐したところでLvが上がった。
ステータスを確認してみると結構爆上がりしていた
Lv 003 004 005
HP 0102 0219 0401
MP 0077 0191 0529
筋力 0052 0188 0298
スピード 0043 0103 0211
スタミナ 0048 0110 0200
器用さ 0050 0303 0523
知識 0608 0842 1002
精神 0190 0272 0563
運の値 0070 0199 0315
これは、竜とバトルしたせいかな?
しかし、こうやって過去のステータスと比較できるのは、何とも言えない達成感がある。
竜とのバトルではMPポーション飲みまくったし、ステータスは日々の鍛錬より、実践の方がステータスは伸びやすいのかな?
本を手に取り、神に聞いてみることにした。
「楓さんLvアップおめでとうございます。数多くの転生者を見てきましたが、約一年でLv5しか挙げてないのは楓さんが初めてですね。」
「で質問に対する回答としては、実践経験の方がステータス上昇値は高いです。鍛錬や修練では得られないものが実践には有ります。」
「例えを上げましょう。剣で素振りしているときは、力の加減、どう振り下ろすのか、どこに当てたいか、相手の剣を如何するか視野で確認、行動に移す。鍛錬や修練では得られない情報です。しかし実践では違います。相手の攻撃を読み、交わし、何処に剣を打ち込むか、相手の追撃がないか?当てられない場合は剣を交え、相手の隙を探り、その瞬間を見逃さない動体視力や思考が求められます。」
「確かに素振りはするけど、どう当てるか~とか、攻撃が来ない前提だから全く思考はしてないわね。魔法も上空に向かって打ち続けたり、薪づくりは、どう切るか考えてやったけど、今じゃ作業で思考してないわ。」
「つまり、実践に勝る経験は無いと言う事になります。」
「ときに楓さん、城侵入の際の兵士の対応はどうするお考えでしたか?」
「ウォーターアローで殺さないように、足だけを狙って行動不能にする予定でしたが?」
「確かに、それは殺す心配が必要ありません。ですが適当に足を狙う、というのは実戦経験としては少し勿体ない対処法ですね。」
「でも、私としては殺したくないが大前提にあるのは、神様も知ってるでしょ?」
「無論、竜の大戦では無傷制圧するほど徹底してましたけど、業火のレッドドラゴンは殺してますよね。しかも3回も。」
「それは耳が痛いわ、でも仕方のない犠牲だと私は思ってる。」
「結果から見れば、時間は短縮しましたね。しかし、半殺し3回の方がステータスの向上は見込めました。どちらが楓さんにとって有益かは、楓さん次第ですが。」
「確かにステータスは勿体なかったわね。業火のレッドドラゴンに相手してもらおうかしら。」
「多分、してもらえる確率は低いかと。」
「でさっき疑問に思ったんだけど、ウォーターアローで対処ではダメなの?」
「駄目ではありません、ですがステータス向上を目指すうえでは足りないかと。」
「じゃぁ、どうしたら良いかな?」
「肩にウォーターアロー2発、片足にウィンドカッターで精密射撃を心がけると、MP、器用さ精神が上昇するはずです。」
「肩にウォーターアローは怖いわ、心臓に近くて殺しそうだし、初の対人戦で緊張すると思うから。」
「理屈を言わせていただきますと、死んでも蘇生すれば、死人は出ません。」
「生を司る神の言って良い発言じゃないと思うのだけど…。」
「生きてさえ居れば、過程は気になりません。」
神の真意を垣間見た気がしたが、本を閉じ、ドルグステンの城下町へ浮遊で移動を開始した。
ドルグステンの城下町に着いた私は貧民街で転移しヴェル村へ戻り、今度はマグドデルタ城下町へ向かった。到着した私は再び貧民街へ行き転移で、業火のレッドドラゴンの元へ転移した。
業火のレッドドラゴンはご機嫌斜めだったが、古代暴風竜への伝言を頼むと渋々ではあったが了承してくれた。今度はその足で竜の集落へ転移し、長にお願いをした。
すべての準備を終えた私は、再びマロアネール城へ転移した。
「こんにちわ、昨日ぶりです。」
「楓ちゃん、今日も王様に用事かい?」
「はい、お目通りをお願いしたいのですが。」
「じゃぁ待合室に向かって良いよ。」
王の間へと通される。
「楓よ、どうした?昨日来たばかりじゃが?」
「王様、すべて準備が整いましたこと、ご報告に参りました。」
「な、なんと、もう準備が済んだというのか?!」
「はい、つきましては書状を4通準備頂きたいのですが、可能でしょうか?」
「その書状の内容は何を書けばよいのじゃ?」
「4国間不可侵条約の書状を用意して頂きたく、お願いに上がりました。」
「不可侵条約じゃと!?マグドデルタは応じるかもしれぬが、ドルグステンが応じるとは思えんが。」
「何を仰いますか、私は交渉へ行くのではありませんよ?」
「ならば、お主は何するつもりなんじゃ?」
「答えは簡単です。脅迫するので、相手には拒否権など存在しません。」
「お主は戦争するつもりなのか!?」
「まさか、兵士数万相手に、私一人ではできることは限られています。つまり私一人では、無理に決まってるじゃないですか。ただ、城を単騎で攻め落とすことくらいは、造作もない事です。」
「お主の考えてることが突拍子過ぎて、私には理解しかねる。じゃが用意しよう。」
「あと、わたしがマロアネール城の代表で、訪れたことを伝える書状を3通お願いいたします。」
「3通?1通じゃなくてか?」
「ダリエーラ城は通してくださるでしょう。マグドデルタとドルグステンは通してくれないでしょう。ですが一応、形だけでも筋は通した方が、こちらの正当性は通るかと思います。」
王様に一通り説明をし了承を得た。
こうして書状を手にダリエーラ城へ飛び立ったのだった。




