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EP.13 業火のレッドドラゴン

 そういって移動した先は火山だった。ダリエーラ地方の火山だったので少し驚いた。

 ダリエーラは竜にとって住みやすいのか?それとも…

 浮遊して業火の竜の元へ移動始めた。



「我のテリトリーを犯すのは何者だ?魔王か?」


「私は楓、あなたを殺しに来たわよ!」


「ふん、人間風情が生意気言いおって。古代暴風竜に言われてなければ亡ぼしてやったのに。」


「古代暴風竜には逆らえないのね。とんだ小物だわ、殺す価値があるのかしら?」


「ぬかせ人間!」



 業火のレッドドラゴンと対峙した。途端にブレス攻撃が来た!

 右手にかわしながら業火のドラゴンの両翼をウィンドカッターで反撃した。



「ぎゃぁぁぁぁあ!お、おのれ我の神聖なる翼をよくも!!」



 再びブレス攻撃が襲い掛かるが、浮遊で余裕にかわせていた。

 しっぽに狙いを定めてウィンドカッターを放つ。



「ぎゃぁぁぁぁ!お前は一体何なんだ!!」



 続いて後ろ足二本をウィンドカッターで切り落とす。



「ぎゃぁぁぁぁぁぁ、クソガキが!」



 最大HPが、25000もあったレッドドラゴンの体力は5000を切った。

 楓はもちろん殺す気は無いが、圧倒的の力差を示したいと考えていた。

 小さい前足をウィンドカッターで切り落とした。


 ついに業火のレッドドラゴンはまな板の上の鯉、手も足も出ない完全勝利の形になった。

 しかしその次の瞬間、知らない声が脳内に聞こえてきた。



「小さき勇敢なものよ、業火のレッドドラゴンの命は見逃してはもらえぬか?」


「あなたは誰ですか、なぜ邪魔をするのですか?」


「わしにとっては、業火のレッドドラゴンは家族のようなもの。失いたくはない。」


「私は竜に力を誇示する必要があるのです。その為には業火のレッドドラゴンには贄になってもらう必要があるのです。それより、あなたは誰なんですか?」


「わしか、古代暴風竜と呼ばれておるものじゃ。」


「力の誇示には贄は必要なんです。それとも、あなたも私に従うと約束してくれるのですか?」


「業火のレッドドラゴンを助けるためならば、喜んで従おう。」


「古代暴風竜!余計なマネするんじゃねぇ!」


「レッドドラゴンよ、誇りとかくだらない物の為に死を選ぶというのか?」


「俺は死なねぇ!」


「そんなことはありません、あなたは死にます。あなたのHPさっきは5000有りましたが、今は2500を切りました。何もしなくても、あなたの命は尽きます。」


「レッドドラゴンよ、この人間は人間の形をしているが、実際は神に近い存在だ。我々では勝てぬのだよ。」


「や、やめろよ、ま…負ける宣言なんて…するな。た、た…戦って…みな…いと…わからない…だろ。」


「人間よ、名は?」


「楓と申します。」


「楓よ、我々竜属は、楓に従おう。無論わしも従う。だから、業火のレッドドラゴンを助けてくれ。」



 楓はレッドドラゴンの元に降りた。

 レッドドラゴンは既に気を失っているようだ。

 ヒールで業火のレッドドラゴンを回復した。



「古代暴風竜よ、あなたは何故ここへ?」


「ほかの竜が知らせてくれたのでな、急ぎ来てみたが…」


「まさか報告が行ってしまいましたか、しかし何故戦おうとはしなかったのです?」


「私には敵わずとも、業火のレッドドラゴンは強い。その竜を赤子同然にあしらってるお主と戦って、勝てる気がしない。わしと業火のレッドドラゴンの二匹でかかっても、簡単に殺されるのは予想に容易い。」



 会話していると業火のレッドドラゴンが、気が付いたようだ。



「おい、きさま!俺は負けを認めてねーぞ!」



 楓はリカバリーLv6MAXまで上げ、業火のレッドドラゴンの方を向き、手を首元に向けた。ウィンドカッターと脳内で唱えた。


 業火のレッドドラゴンの首は地面に落ちた。



「き、きさま、何を。」


「お望み通り、殺してあげたわ。」


「楓!話が違うではないか!」



 死んだ業火のレッドドラゴンを目の当たりにした古代暴風竜は、怒りを露わにした。

 私は業火のレッドドラゴンに手を当て唱えた。



「リカバリー!」



 しかし蘇生できない。



「あ、首をくっつけないとか。」



 ヒールで首をつなぎ、再びリカバリーを唱えた。

 蘇生は成功し腹部で呼吸を確認できた。



「古代暴風竜さん、安心してください。きちんと蘇生しましたので、無事目覚めるでしょう。」


「確かに呼吸はしておるな。しかし、殺す事は無かったのではないか?」


「あと、二回くらい死なないと、業火のレッドドラゴンは納得しないでしょう。その一回目です。」


「心臓に悪いわい、どうにかならんのか?」


「古代暴風竜さんが説得してくれれば減るかもですよ?」


「なんと難儀な事を申すか、まぁ頑張ってみるが、期待はせんでくれよ?」



 この後数時間話してる間に、業火のレッドドラゴンは案の定、2回死んだ。



「ダリエーラ城の南にあるブブ牧場では、毎回満腹になるまで食べてるんですか?」


「週一回しか行っていないが、そうだな、満腹になるまでだな。」


「数的には増えてるんですか?減ってるんですか?」


「微増してるようだけど、詳しくは知らない。」


「そこは確認しておいてください。魔物だけでは補えないので。」


「その牧場は重要拠点になってきますので。」


「わしと、レッドドラゴンで食べてたからな。」


「やっぱりそういう事でしたか。」


「竜は肉食なんですか?」


「雑食だぞ?肉の方が効率がいい早く食事が終わるから、好んで食べてるだけだ。」


「良い事聞けました。とりあえずは今まで通りで大丈夫です。」


「何かあるのか?」


「いいえ、無いと良いのです。お二人に出番があるときは戦争の時なので。」


「戦争は時々行ってると噂に聞くが…。」


「やはりですか。抑止、威嚇には参加してもらうかもしれません。」


「その程度なら構わん、業火のレッドドラゴンは暴走するかもしれんが。」


「するの?暴走。」


「しるか、俺は嫌々従うだけだ!」


「あと何度か死にますか?そろそろ血液が足りなくなって、本当に死ねるかもしれませんよ?」


「くそったれが、言う事聞きゃいいんだろ?」


「賢明な判断です。正直に話しますと、業火のレッドドラゴンさんは本気で殺す予定だったので、余計な事はしない事です。居なくても支障はないので。」



 この後、業火のレッドドラゴンは大人しくなった。

 死竜を出さないで済んだのは幸いだと、心の中で安堵していた。


 竜との協定は、以下の通り

 村や家畜、人類に危害を加えない。

 私の指示は絶対順守。

 この2点を何度も言い聞かせた。

 古代暴風竜から、各集落の竜へ伝達され50匹の竜が楓の指揮下に入った。


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