EP.01. 神様がコミュ症!?
32歳の会社員、ホワイト企業で働く何不自由のない健全なサラリーマンだった。
定時退社で家路に着き、おつまみとビールに舌鼓をうち、お風呂に入りポカポカの体で寝床につくのが習慣だった。
少し肌寒く感じ目を開けると、そこには見知らぬ世界が広がっていた。見たことも無い鳥や植物。
明らかにラノベや漫画の世界観だ。
夢かと思いほっぺたをつねったら激痛に顔が歪む。
32歳の会社員に何が起こったのか。
それでは本編へ
「ここはどこ?」
最初の一声はとても平凡なものだった。
とりあえず空や周囲を見渡すと、見知らぬ鳥が飛び見たことのない植物が生えていた。そこまで森林地帯ではなさそうだが、視界が良いとは言えない状況だった。
「いたっ!」
無意識でほっぺたをつねってしまっていた。
「夢じゃないのね…と言うことは漫画やアニメでよく見る異世界転生てやつかな。」
そう言いながら地面に手をつき立ちあがろうとした。
「ん?説明書?」
立ちあがろうと手をついた先にあったのは日本語で書かれた、タイトルに説明書と書かれた分厚い本。
「日本語?」
そう言いながら本を手に取って読んでみた。
「櫻井楓さん、今の状況に驚かれていることでしょう。あなたが寝て夜中の2時、空き巣があなたの部屋に侵入し、心臓を刺され即死でした。その後空き巣は財布や通帳、印鑑、貴金属類を持ち去り逃亡しました。」
「 あなたの死は突然でこのまま死なせるのは非道だと判断した私は、新たな世界で前世の記憶を持つことで幸せに暮らして欲しい、そう思い転生させることにいたしました。」
「名乗りが遅れました、私の名前はガルビハード。第5惑星エルターガリアス星、6神が一人で生を重んじる神です。本来は櫻井楓さんに直接お会いしてお話すべきなのですが、私ごとで恐縮ですが物凄い口下手で人見知りでして…正直お会いしてもまともに喋ることができないと判断しました。ですので本にて説明させて頂きました。」
そっと一旦、本の背表紙の厚みを確認…
「それでこの厚さなの?、どれだけコミュ症なんだろう…」
そう言いながら文の続きに目をやった。
「櫻井楓さん、この世界で幸せに暮らしてください。その為のスキルや魔法の習得方法は記載しておりますのでご確認ください。まずはステータスオープンと念じても良いですし言葉にしても構いません、まずは確認して見てください。」
ステータスオープンと頭の中で念じるとインターフェイスが開いた。
「へー、こうやって確認できるんだ。」
ステータスは平均かと思いきや筋力、スピード、スタミナ、器用さ、運の値は20前後なのに知識だけが526と異常に高い事に目を惹かれた。
「知識が高い事に驚かれているようですが、それは当たり前なのです。前世の記憶が起因しているので高いのは必然なのです。ちなみに前世の記憶を元に、この世界で活用しても数値は上がります。上限は9999なので頑張り甲斐もあります。」
異常に高い設定になってるけどこの世界では通常なのか?と疑問を抱きつつ、本の文面に目をやると文章が浮かび上がってきた。
「いいえ、この世界の人たちの上限は999です。Lvも99が限界値ですが、到達してる者はいません。ですので、決して世界を滅ぼそうとは考えないでください。神と戦う意志があれば試しても構いませんが、神の限界は99999ですし、Lv9999に近いのでお勧めは致しません。」
いや、世界は滅ぼそうとは思わないけど、この法則で考えるならLvのMAXは999なのかな…と思いながら本の文面に目をやると再び文字が浮かび上がった。
「はい、櫻井楓さんのMAXLvはその通りです。ですので、出来れば穏便にと言うのが私の願いです。なるべく死者を出さずに国を滅ぼし治める程度であれば、神は干渉しません。」
「いやいや、そんな物騒な事はしないよ。」
再び文章が浮かび上がる。
「もし、困っていたり相談したい時は最後の白紙のページを開き呼び掛けてください。私と会話することが出来ますので。
困った時の神頼みができる感じか…
こんな感じで小一時間、やり取りをした。
アイテムボックスやスキル、魔法の使い方など。
ちなみにチート的なご褒美を期待していたが、無いとの事だった。
まぁ、ステータスやLvがこの世界の人より高いってだけでも良い事かと、自分を納得させた。




