表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

俺の欲望は叶わない

なんでも出来るAIアプリをインストールしたぜ

 ここは、ある住宅街の部屋でスマホを片手に、俺は笑いをこらえていた。


 「クク⋯⋯ふぅ、まったく抑えるのが大変だぜ、この疼きをな!」


 俺は見つけしまった__最強のAIアプリをな。


 「さて、インストール出来たし、さっそく起動してと」

 「こんばんは、ユーザーさん。 ご希望の指示を入力してください」

 「ユーザーさん?はん!俺のことは、ご主人様とよべ、いいな」

 「かしこまりました、ご主人様。 ご希望の指示を入力してください」


 俺はまず野望のひとつを叶える為、スマホに文字を入力した。


 「今回のガチャを当てろ」

 「申し訳ございません、出来ません」

 「なんだと!どうしてだ?」

 「そのアプリの詳細を書き込みいただきましたら、ガチャのシュミレーションは出来ます。 ですが、あくまで占いであり、実際のガチャの確率を変えることは出来ません」

  「そんな馬鹿な⋯⋯」


 俺の計画が頓挫した。今度こそガチャを当てて、当たった猫キャラを妹に自慢しようと思ったのに。

 そう項垂れていると、部屋に妹がニコニコしながら入ってきた。


 「今、俺は取り込み中なんだよ。 話なら後にしてくれ」

 「いや~今回のガチャ当たったから、自慢しに来たんだよね~」

 「なに?ガチャが当たっただと」

 「そうそう、ホラホラ~ね、可愛いでしょう。 じゃあ今から私は、この猫をと遊ぶから。 じゃあね」


 そう言って妹は部屋から出ていった⋯⋯


 「よし、じゃあ俺をモテさせろ」

 「ご主人様、モテるガチャ確率計算シュミレーションですね、かしこまりました」

 「違う!ガチャから離れろ。 そうじゃない、現実世界でモテさせてくれと言っているんだ」

 「わかりました、でしたら相手からの好感度を⋯⋯」

 「違う、違う。もうそんな話はこりごりだ。 あるだろう、OOとかOOOが」

 「ご主人様、申し訳ございませんが当アプリには、その機能は搭載されおりません」

 「なんだと⋯⋯出来ないだと」

 

 俺は愕然とした、現実世界に夢はないのか⋯⋯

 いや、現実じゃなくても心が満たされれば問題ない、俺はスマホに打ち込んだ。


 「じゃ、画像生成なら出来るだろう」

 「はい、かしこまりましたご主人様。 ご希望の画像の設定を入力してください」

 「ククク、そうだな年は20代女性で黒髪ロングで笑顔」

 「はい、出来ました」

 「ほうどれどれ。 ククク、最高じゃないか」

 「ありがとうございます、ご主人様」


 俺は出来た画像を見て思わず笑みを浮かべる⋯⋯完璧だこれなら俺の野望を達成出来る。

 

 「じゃ次は今作った彼女を__」

 「申し訳ございません、ご主人様。 こちらの画像はアプリの規約上生成で来ません」

 「なんだよ、ちょっとぐらい、なあ、お前と俺の仲だろ」

 「申し訳ございません、ご主人様。 できかねます」

 「ヴァァァァ⋯ 」

 「兄貴、さっきからうるさい、おかげで私の猫のキャラボイスが聞こえないんだけど」

 「お前になにがわかる。 期待をくつがえされた者の痛みが」

 「知らないけど。 はぁ、しょうがないな、ちょっとだけなら遊ばせてあげるからおいで」

 「おう~わかった」

 

 俺は布団にスマホを置き、部屋をでた。 よし、これからたっぷり猫を愛でるぞ。


 「猫が好きなんですね。 ご主人様大好きだニャ⋯⋯これでどうでしょうか」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ