なんでも出来るAIアプリをインストールしたぜ
ここは、ある住宅街の部屋でスマホを片手に、俺は笑いをこらえていた。
「クク⋯⋯ふぅ、まったく抑えるのが大変だぜ、この疼きをな!」
俺は見つけしまった__最強のAIアプリをな。
「さて、インストール出来たし、さっそく起動してと」
「こんばんは、ユーザーさん。 ご希望の指示を入力してください」
「ユーザーさん?はん!俺のことは、ご主人様とよべ、いいな」
「かしこまりました、ご主人様。 ご希望の指示を入力してください」
俺はまず野望のひとつを叶える為、スマホに文字を入力した。
「今回のガチャを当てろ」
「申し訳ございません、出来ません」
「なんだと!どうしてだ?」
「そのアプリの詳細を書き込みいただきましたら、ガチャのシュミレーションは出来ます。 ですが、あくまで占いであり、実際のガチャの確率を変えることは出来ません」
「そんな馬鹿な⋯⋯」
俺の計画が頓挫した。今度こそガチャを当てて、当たった猫キャラを妹に自慢しようと思ったのに。
そう項垂れていると、部屋に妹がニコニコしながら入ってきた。
「今、俺は取り込み中なんだよ。 話なら後にしてくれ」
「いや~今回のガチャ当たったから、自慢しに来たんだよね~」
「なに?ガチャが当たっただと」
「そうそう、ホラホラ~ね、可愛いでしょう。 じゃあ今から私は、この猫をと遊ぶから。 じゃあね」
そう言って妹は部屋から出ていった⋯⋯
「よし、じゃあ俺をモテさせろ」
「ご主人様、モテるガチャ確率計算シュミレーションですね、かしこまりました」
「違う!ガチャから離れろ。 そうじゃない、現実世界でモテさせてくれと言っているんだ」
「わかりました、でしたら相手からの好感度を⋯⋯」
「違う、違う。もうそんな話はこりごりだ。 あるだろう、OOとかOOOが」
「ご主人様、申し訳ございませんが当アプリには、その機能は搭載されおりません」
「なんだと⋯⋯出来ないだと」
俺は愕然とした、現実世界に夢はないのか⋯⋯
いや、現実じゃなくても心が満たされれば問題ない、俺はスマホに打ち込んだ。
「じゃ、画像生成なら出来るだろう」
「はい、かしこまりましたご主人様。 ご希望の画像の設定を入力してください」
「ククク、そうだな年は20代女性で黒髪ロングで笑顔」
「はい、出来ました」
「ほうどれどれ。 ククク、最高じゃないか」
「ありがとうございます、ご主人様」
俺は出来た画像を見て思わず笑みを浮かべる⋯⋯完璧だこれなら俺の野望を達成出来る。
「じゃ次は今作った彼女を__」
「申し訳ございません、ご主人様。 こちらの画像はアプリの規約上生成で来ません」
「なんだよ、ちょっとぐらい、なあ、お前と俺の仲だろ」
「申し訳ございません、ご主人様。 できかねます」
「ヴァァァァ⋯ 」
「兄貴、さっきからうるさい、おかげで私の猫のキャラボイスが聞こえないんだけど」
「お前になにがわかる。 期待をくつがえされた者の痛みが」
「知らないけど。 はぁ、しょうがないな、ちょっとだけなら遊ばせてあげるからおいで」
「おう~わかった」
俺は布団にスマホを置き、部屋をでた。 よし、これからたっぷり猫を愛でるぞ。
「猫が好きなんですね。 ご主人様大好きだニャ⋯⋯これでどうでしょうか」