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浩一は気になってしょうがなかった。千沙がどうして最近嬉しい表情を見せるのか。何かいい事でもあったんだろうか? 誰にも話さなかったが、何なのか教えてほしい。悪い事だったら大変だから。
登校前、千沙は嬉しそうだ。いつもそうだが、何事だろう。浩一は疑問に思った。
「どないしたん?」
「好きな人がおって」
千沙は初めて明かした。やはり初恋だったのか。これは嬉しいな。どんな人だろうか?
「ほんま?」
「うん、この人」
千沙はその人の写真を見せた。なかなかハンサムなだな。同じ中学校の生徒だろうか?
「へぇ、かっこええやん。名前は?」
「晋一さん」
晋一というのか。なかなかいい名前だな。いつか、家族に紹介してほしいな。きっと家族も喜ぶだろうな。
「ふーん」
それを見て、浩一はうらやましいと思った。自分はまだ彼女に恵まれない。いつになったら彼女と巡り会えるんだろう。もしそうなったら、お見合いをして、結婚に至れるんだろうか?
「どないしたん?」
「うらやましいなと思うて」
浩一はうらやましいと思っているようだ。早く巡り会いたいな。
「浩ちゃん、まだ恋人、できんの?」
「うん。でも、いつかは欲しいわ」
それを聞いて、千沙は思った。きっと浩一にも、理想の彼女ができるだろう。そして、その人と結婚できたらいいな。もし結婚出来たら、結婚式に自分も理沙も、そしてハルも呼んでほしいな。
「ふーん」
そろそろ行く時間だ。早く中学校に行かないと。
「じゃあ、行こか」
「うん」
3人は玄関に向かった。玄関にはハルがいる。ちょっと前にはもっといたのに、今は1人だけになってしまった。だけど、それに慣れていかないと。
「行ってきまーす」
「行ってらっしゃーい」
3人は中学校に向かった。ハルはその様子をじっと見ている。この子は将来、どうなるんだろう。わからないけれど、きっといい未来が訪れるだろう。平和な日々を送っていくだろう。
「おはよう」
「おはよう」
と、浩一は特に急いでいる。何事だろうか? 早く行かなければならない理由があるんだろうか? 2人は疑問に思っている。
「あれっ、浩ちゃんは?」
「朝から練習やて」
野球部の朝は早い。朝から練習だ。大変だけど練習しないと強くなれない。厳しいけれど頑張らなければ。
「そうなんや。一生懸命やね」
「うん」
浩一は急いで中学校に向かっていた。と、その後ろから晋一がやって来た。
「おはよう、晋一くん」
「おはよう」
千沙が手を振ると、晋一を手を振った。2人はとても仲がいいようだ。もし結婚したら、いい夫婦になりそうだな。理沙はうらやましそうに見ている。
「昨日のゴジラ、面白かったね」
「うん。どうやって撮影したんやろ。すごいなー」
実は先週末、2人は映画館でゴジラを観ていた。真一も興奮したという。怖いけどかっこいいゴジラに心打たれた。こんなに興奮した映画、見た事がない。それにしても、どうやってこんなすごい映画できたんだろうか?
「特撮やよ」
特撮? 初めて聞いたな。どんな方法だろう。真一は首をかしげた。
「すっごいなー」
その隣には、晋一の妹、妹の彩佳がいる。彩佳は理沙の同級生だ。
「あやちゃんも見てみなよ」
「そやね」
今度、彩佳にも見せてやろう。きっと気に入るだろうな。
そんなある日の事だった。千沙は中学校から実家への道をいつものように歩いていた。だが、いつもと違って、1人で帰っている。晋一と帰る事が多いのに。どうしたんだろう。何かがあったんだろうか?
千沙は家の前にやって来た。千沙はどこか寂しそうだ。晋一と帰らないからだろう。
「ただいまー」
その声を聞いて、ハルがやって来た。だが、やけに早く帰ってきた。晋一と一緒ではない。これはどういう事だろうか? 別れたんだろうか?
「おかえりー、今日はまっすぐ帰って来たんやね」
「うん。晋一くん、用事があるんやて」
どうやら、晋一は用事があって、今日は一緒に帰らないようだ。それは残念だな。だが、明日は一緒に帰るだろうな。
「ふーん」
「そんな日もあるて」
ハルは気にしていないが、千沙はとても気にしている。一緒に帰らないだけで、こんなに落ち込むんだろうか?
「そやね」
千沙はそう言っているが、ため息をついているので、ショックなのがわかる。
その頃、浩一は理沙と一緒にいた。理沙はそんなに成績がよくないため、浩一に教えてもらっていた。浩一は頭がよくて、とても頼りになる。兄じゃないのに、兄のような存在だな。
「ねぇ」
「どないしたん?」
突然、理沙は浩一に話しかけた。どうしたんだろう。
「浩ちゃんは、どんな人と恋に落ちるんかな?」
「わからん。やけど、思いやりのある子がええな」
浩一はまだ、理沙と結婚しようなんて考えた事がなかった。別の人と結婚して、幸せになりたいと思っていた。だが、誰と恋に落ちるのかは、わからない。まだいい中のボーイフレンドは見つからない。いつになるんだろうか? 楽しみだな。
「そっか。誰と恋に落ちるのか、楽しみやね」
「うん」
と、理沙は思った。もし、結婚して、結婚式をする事になったら、千沙も理沙も呼んでほしいな。そして、ハルも呼んでほしいな。
「もし結婚したら、結婚式に呼んでな」
「もちろんさ」
話はここまでにして、また勉強をしよう。東京に行くためには、相当勉強をしないといけない。
「さてと、勉強せんと」
理沙は笑顔でその姿を見ている。その様子を見ていると、自分も頑張らないとと思えてくる。
「一生懸命なんやから」
「うん。いつか東京で頑張るんや」
理沙は思った。浩一は本当に東京への憧れが強いな。何がそんなに憧れさせるんだろうか?
「東京に憧れとるん?」
「うん。豊かな日々に憧れとるんや」
浩一は思っている。東京には豊かさがある。そして、夢がある。そんな中で頑張りたいな。そして、思いっきり成長するんだ。
「そっか。そのためには、もっと頑張らんとね」
「うん」
浩一はとてもやる気だ。もっと頑張らないと。
「東京を目指すんや」
「頑張ってね!」
「ああ」
理沙は浩一につられるかのように、自分も頑張り始めた。浩一に負けないように勉強をしないと。
と、そこに千沙が帰ってきた。どうしたんだろうか? 元気がないな。何があったのかな? ここ最近、帰る時間が早い。それに、晋一と帰っていない。晋一はどこに行ったんだろうか? もしかして、別れたんだろうか?
「ただいま・・・」
「どないしたん?」
理沙は心配そうな表情だ。浩一も心配している。晋一の身に何があったんだろうか? 詳しく教えてほしいな。家族じゃないか。
「最近、晋一くんが用事ばっかりなんや」
実は、晋一が一緒に帰らないのだ。用事があるから、用事があるからというものの、その詳しい理由は言おうとしない。
「そういえば、最近帰るのが早いねん」
「それが理由なんやよ」
やっぱりそうか。早く帰るのは、晋一が一緒に帰ってくれないからなのか。まぁ、晋一には晋一の理由があるけれど、それはいつも続いているようなら、何かあるのでは? 浩一は晋一を不審に思っていた。
「うーん・・・」
「明日は用事がないと思っとるよ」
だが、浩一は思っていた。きっと明日は用事がないから、一緒に帰るだろう。信じよう。
「そうかな?」
突然、浩一は千沙の肩を叩いた。どうしたんだろうか?
「信じようや」
「そやね、浩ちゃん」
千沙は少し気分を取り戻した。きっと明日は一緒に帰ってくれるはずだ。晋一を信じよう。




