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あなたと生きて  作者: 口羽龍
第4章 中学校(上)
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20

 博美は戸惑っていた。どうして浩一は僕を呼び出したんだろうか? 何か言いたい事があるんだろうか? 学校の先輩に誘われたのは初めてだ。先輩に誘われたのだから、断れない。でも、どうしてお好み焼きなんだろうか? 大阪名物だからだろうか?


 店の前にやって来た。店の前には店員がいる。


「いらっしゃいませ」

「2名様で」


 浩一はVサインを出した。


「はい、こちらでございます」


 店員はカウンター席に案内した。博美は戸惑っている。本当にいいんだろうか? 怒られないんだろうか? 少し不安だな。


「ご注文はどうしますか?」

「海鮮肉玉で」

「牛すじ肉玉で」


 浩一は海鮮肉玉を、博美は牛すじ肉玉を注文した。


「かしこまりました」


 博美は辺りを見渡した。いろんなメニューがある。どれもこれもおいしそうだな。今度は別のを頼んでみようかな?


 博美は気になった。どうして浩一は呼んだんだろうか? 何か重要な理由があるんだろうか?


「なんで呼んだん?」

「なんでアザだらけなんかなと思うて」


 それを聞いて、博美はハッとなった。まさか、虐待を受けていると疑われたのかな? 行ったら怒られるから、誰にも秘密にしようと思っていたのに。どうして浩一はそれを気にするんだろうか? 心当たりがあるんだろうか?


「うーん・・・」


 博美は考え込んでいる。本当に行っていいんだろうか? 言ったら怒られるから。


「言わんの?」


 浩一は問い詰めた。それでも言おうとしない。よほど何か理由があって、言わないんだろうな。言ってほしいのにな。


「うん」


 と、浩一は博美の肩を叩いた。博美は驚いた。博美は背筋が立った。


「言いなよ。先輩やん。何でも話してもいいんやで」


 浩一は笑みを浮かべている。浩一は人思いで、優しい先輩だな。でも、やっぱり言っちゃダメだ。


 と、そこに店員がやって来た。注文した品が届いたようだ。


「お待たせしました。海鮮肉玉と牛すじ肉玉です」

「ありがとうございます。まぁ、食べな」

「うん」


 博美は牛すじ肉玉を食べ始めた。なかなかおいしい。それを見て、浩一は海鮮肉玉を食べ始めた。2人とも嬉しそうだ。


 と、浩一は博美の頭を撫でた。今度は何だろう。博美は戸惑っている。


「大丈夫かい?」

「大丈夫じゃないよ」


 博美は泣きそうになった。急にどうしたんだろうか? 何か悲しい秘密でもあるんだろうか?


「言ってみ? 何でも相談に乗ったるから」


 だが、それでも博美は言おうとしない。よほど言うのが怖いんだろう。


「どうしたの? 言いなよ」

「うーん・・・」


 博美はうなだれている。本当に言っていいんだろうか? 怒られないか不安だな。


「新しいお父さんに殴られてるの」


 やはりそうだったのか。ようやく浩一はわかった。博美は虐待を受けているのだと。新しい父親に殴られているとは。その父親が許せないな。早く警察に通報して、捕まえてもらわないと。このままでは博美の命が危ない。


「ほんまに?」

「うん。なかなか言えなくてごめん。言ったら殺されると思ったから」


 博美は下を向いていたが、前を向いている。悩みを話してすっきりしたようだ。今までの泣きそうな表情は何だったんだろう。悩みを解決できて、浩一はほっとしている。


「言ってくれればええんやよ」


 浩一は笑みを浮かべている。浩一って、やっぱり他人思いの優しい先輩なんだな。


「ありがとう、先輩」

「俺は君の味方やからな」


 2人は再びお好み焼きを食べ始めた。悩みが解決したためか、2人とも言う前より食欲が上がっている。




 その夜、浩一は星空を見ていた。博美の事が気になっているようだ。博美は元気にしているだろうか? もうすぐの我慢だ。明日になれば警察が来て、新しい父を逮捕するだろう。そして、博美は救われるだろう。きっと博美は、明日から晴れやかな気持ちで中学校に行けるだろうな。楽しみだな。


「どやった?」


 浩一は振り向いた。そこには理沙がいる。理沙も博美の事を心配していた。その事を言わないとな。


「新しいお父さんに殴られとったんやて」


 それを聞いて、理沙は納得した。理沙は予想していたようだ。まさか、博美も虐待を受けていたとは。博美がとてもかわいそうだな。本当に新しい父はこの人でよかったのかと思ってしまう。


「やっぱり! 浩ちゃんと一緒やん!」

「そういえばそやね」


 浩一はため息をついた。どうして虐待がこの世界にはあるんだろう。絶対にしてはいけないのに。平和な世界こそ理想の世界なのに、どうしてこんな事が起こるんだろう。全くわからないな。


「ひどいよね。なんでそんな事するんやろ」

「ああ」


 理沙は答えが見つからない。この世界は平和であるべきなのに、どうしてこんな事をするんだろう。なかなか答えが見つからない。


「浩ちゃんもかわいそうだと思っとるん?」

「もちろんやろ。そんな事をされる奴がかわいそうでかわいそうで、ほっとけんねん」


 経験者である浩一は、虐待に関して敏感だ。自分が経験者だからという事もあるが、やはり人の暴力を放っておけない。何とかしないとという気持ちになる。


「そっか。浩ちゃんも経験者やからな」

「うん」


 理沙は納得している。浩一はとても人思いな性格だな。浩一は将来、教員に向いていそうだな。まだ将来は決めていないらしいけれど。

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