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あなたと生きて  作者: 口羽龍
第4章 中学校(上)
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3

 6月の事だ。浩一は野球部に入り、練習に明け暮れていた。だが、その野球部でもいじめに遭っていた。野球部には茂も入部し、多くのいじめ仲間を作った。そして、みんなで浩一をからかいだした。その中には先輩もいて、大変だった。どうして自分はそんな事をされなければいけないんだろう。僕はいじめられるために生まれてきたんじゃないのに。誰か助けてくれよ。どんなに祈っても、その祈りはかなわなかった。


 ある日、浩一は千本ノックを受けていた。つらいけれど、強くなるためには頑張らなければ。


「それっ!」


 だが、浩一はなかなか動けない。周りに茂やいじめグループがいて、思った以上に動けないからだ。先輩はわかっているのに、わかっていないような顔をしている。


「もっと素早く取れと言っとるやろ?」

「は、はい・・・」


 だが、浩一には抵抗できない。つらい日々を送っていた。だが、誰も助けてくれない。自分はどうすればいいんだろう。全く打開策が見つからない。


「ヒヒヒ・・・」


 横では、茂が嫌らしく笑っている。その表情を見るだけで、浩一は腹が立ってくる。


「頑張れよー!」


 だが、浩一はもう立てない。何度も殴られて、もう限界だ。どうすればいいんだろう。どんなに考えても、答えが見つからない。


「はぁ・・・、はぁ・・・」


 突然、茂は浩一を後ろから叩いた。とても痛い。浩一は泣きそうだ。だが、茂は全く気にしない。


「もっと耐えろや、この野郎!」

「殴らないで! 殴らないで!」


 浩一は殴らないように叫んだ。だが、茂は殴るのをやめない。あまりにもひどいよ。まるで地獄のようだよ。生きていてもしょうがないよ。もうこんな部活、やめたいよ。


「この親なし野郎!」


 いつもの事だ。何度こんな事を言われた事か。親がいないだけで、こんな事を言うなんて、ひどいよ。何とかしてくれと言っても、誰も助けてくれない。どうすればいいんだろう。


「やめて! やめて!」


 と、その様子を部活を終えた紗耶香が見ている。浩一をかわいそうだと思っているようだ。


「何見とんや!」

「す、すいません・・・」


 紗耶香は去っていった。彼らが怖いと思ったのだ。その様子を見て、浩一は絶望した。紗耶香も自分を助けようとしない。どうすればいいんだろう。つらすぎるよ。


 だが、紗耶香は浩一がかわいそうだと思っていた。帰り道、紗耶香は千沙を話しをしていた。千沙も部活を終えて、下校していた。


「なぁ、かわいそやと思わん?」

「誰の事?」


 千沙は首をかしげた。誰の事だろう。千沙は勉強や部活の事ばかりで、浩一の事から離れていた。


「浩一くん」


 そう言われて、千沙は浩一の事を思い出した。確かにかわいそうだ。何とかしないとと思っても、なかなかできない。千沙は最近、とても考えていた。だが、解決策が見つからない。


「確かに。何とかならへんかなって思うわ」


 千沙は小学校の頃を思い出した。茂は入学した時から浩一をいじめていた。誰もがひどいなと思っていた。だが、仲間を増やす事で抵抗力を失わせていた。それに、何度注意してもまたいじめる。先生に言っても意味がないと思われていた。


「あいつら、小学生の時からやけど、全く反省せんのや」

「うーん・・・」


 結局、今日も打開策が見つからない。どうすればいいんだろう。




 チャイムが鳴り、今日の練習が終わった。みんな疲れているが、特に浩一は疲れた表情をしている。今日もまたいじめられたからだ。


「よーし、今日はここまで」

「はい!」


 部員は後片付けをしている。だが、出来の悪い浩一はいつも掃除ばかりされている。本当はみんなが邪魔をするからだという事はわかっている。だが、抵抗できない。あいつらは全く反省しないからだ。


「バイバーイ」

「バイバーイ」


 みんなが帰っていく中、浩一は1人、掃除をしていた。だが、誰も助けに来てくれない。とても寂しいよ。


「浩ちゃん、大丈夫やった?」


 浩一は顔を上げた。そこには千沙がいる。心配になって、千沙がやって来たようだ。千沙は掃除を手伝っている。とても優しい。やっぱり千沙は味方なんだな。浩一はそう感じた。


「うーん・・・」

「悩んどったら、いつでも相談してええんやよ」


 千沙は浩一の頭を撫でた。浩一は泣き出した。嬉し涙だ。


「うん・・・」

「私はあんたの味方やから!」

「おおきに・・・」


 千沙の手伝いもあって、いつも以上に早く帰る事ができた。今日は本当に千沙に感謝したい。明日は練習試合だ。だが、その中で、浩一はある事を考えていた。だが、それは当日決行するまで明かさない事にしている。


 帰り道、紗耶香は後ろから千沙と浩一を見ていた。浩一は元気がない様子だ。かなりつらいんだろうな。何とかしないと。


「浩一くん、大丈夫かな?」


 周りに人々も、浩一を心配している。何とかして、茂を叱りたい。だけど、茂は全く反省しない。どうすればいいんだろう。


「早く何とかせんと・・・」

「うーん・・・」


 近所の女性が浩一に近づいた。だが浩一は全く気付いていない。


「浩ちゃん、どないしたん?」


 浩一は横を向いた。女性は不安そうな表情だ。浩一を心配しているようだ。


「な、何でもあらへんて・・・」

「そう・・・。何かあったら、相談してな」

「わかったよ・・・」


 浩一は下を向いたまま去っていった。女性はその様子を、不安そうに見ている。この子、本当に大丈夫だろうか? この先、浩一はどうなるんだろう。不安でいっぱいだよ。

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