3
6月の事だ。浩一は野球部に入り、練習に明け暮れていた。だが、その野球部でもいじめに遭っていた。野球部には茂も入部し、多くのいじめ仲間を作った。そして、みんなで浩一をからかいだした。その中には先輩もいて、大変だった。どうして自分はそんな事をされなければいけないんだろう。僕はいじめられるために生まれてきたんじゃないのに。誰か助けてくれよ。どんなに祈っても、その祈りはかなわなかった。
ある日、浩一は千本ノックを受けていた。つらいけれど、強くなるためには頑張らなければ。
「それっ!」
だが、浩一はなかなか動けない。周りに茂やいじめグループがいて、思った以上に動けないからだ。先輩はわかっているのに、わかっていないような顔をしている。
「もっと素早く取れと言っとるやろ?」
「は、はい・・・」
だが、浩一には抵抗できない。つらい日々を送っていた。だが、誰も助けてくれない。自分はどうすればいいんだろう。全く打開策が見つからない。
「ヒヒヒ・・・」
横では、茂が嫌らしく笑っている。その表情を見るだけで、浩一は腹が立ってくる。
「頑張れよー!」
だが、浩一はもう立てない。何度も殴られて、もう限界だ。どうすればいいんだろう。どんなに考えても、答えが見つからない。
「はぁ・・・、はぁ・・・」
突然、茂は浩一を後ろから叩いた。とても痛い。浩一は泣きそうだ。だが、茂は全く気にしない。
「もっと耐えろや、この野郎!」
「殴らないで! 殴らないで!」
浩一は殴らないように叫んだ。だが、茂は殴るのをやめない。あまりにもひどいよ。まるで地獄のようだよ。生きていてもしょうがないよ。もうこんな部活、やめたいよ。
「この親なし野郎!」
いつもの事だ。何度こんな事を言われた事か。親がいないだけで、こんな事を言うなんて、ひどいよ。何とかしてくれと言っても、誰も助けてくれない。どうすればいいんだろう。
「やめて! やめて!」
と、その様子を部活を終えた紗耶香が見ている。浩一をかわいそうだと思っているようだ。
「何見とんや!」
「す、すいません・・・」
紗耶香は去っていった。彼らが怖いと思ったのだ。その様子を見て、浩一は絶望した。紗耶香も自分を助けようとしない。どうすればいいんだろう。つらすぎるよ。
だが、紗耶香は浩一がかわいそうだと思っていた。帰り道、紗耶香は千沙を話しをしていた。千沙も部活を終えて、下校していた。
「なぁ、かわいそやと思わん?」
「誰の事?」
千沙は首をかしげた。誰の事だろう。千沙は勉強や部活の事ばかりで、浩一の事から離れていた。
「浩一くん」
そう言われて、千沙は浩一の事を思い出した。確かにかわいそうだ。何とかしないとと思っても、なかなかできない。千沙は最近、とても考えていた。だが、解決策が見つからない。
「確かに。何とかならへんかなって思うわ」
千沙は小学校の頃を思い出した。茂は入学した時から浩一をいじめていた。誰もがひどいなと思っていた。だが、仲間を増やす事で抵抗力を失わせていた。それに、何度注意してもまたいじめる。先生に言っても意味がないと思われていた。
「あいつら、小学生の時からやけど、全く反省せんのや」
「うーん・・・」
結局、今日も打開策が見つからない。どうすればいいんだろう。
チャイムが鳴り、今日の練習が終わった。みんな疲れているが、特に浩一は疲れた表情をしている。今日もまたいじめられたからだ。
「よーし、今日はここまで」
「はい!」
部員は後片付けをしている。だが、出来の悪い浩一はいつも掃除ばかりされている。本当はみんなが邪魔をするからだという事はわかっている。だが、抵抗できない。あいつらは全く反省しないからだ。
「バイバーイ」
「バイバーイ」
みんなが帰っていく中、浩一は1人、掃除をしていた。だが、誰も助けに来てくれない。とても寂しいよ。
「浩ちゃん、大丈夫やった?」
浩一は顔を上げた。そこには千沙がいる。心配になって、千沙がやって来たようだ。千沙は掃除を手伝っている。とても優しい。やっぱり千沙は味方なんだな。浩一はそう感じた。
「うーん・・・」
「悩んどったら、いつでも相談してええんやよ」
千沙は浩一の頭を撫でた。浩一は泣き出した。嬉し涙だ。
「うん・・・」
「私はあんたの味方やから!」
「おおきに・・・」
千沙の手伝いもあって、いつも以上に早く帰る事ができた。今日は本当に千沙に感謝したい。明日は練習試合だ。だが、その中で、浩一はある事を考えていた。だが、それは当日決行するまで明かさない事にしている。
帰り道、紗耶香は後ろから千沙と浩一を見ていた。浩一は元気がない様子だ。かなりつらいんだろうな。何とかしないと。
「浩一くん、大丈夫かな?」
周りに人々も、浩一を心配している。何とかして、茂を叱りたい。だけど、茂は全く反省しない。どうすればいいんだろう。
「早く何とかせんと・・・」
「うーん・・・」
近所の女性が浩一に近づいた。だが浩一は全く気付いていない。
「浩ちゃん、どないしたん?」
浩一は横を向いた。女性は不安そうな表情だ。浩一を心配しているようだ。
「な、何でもあらへんて・・・」
「そう・・・。何かあったら、相談してな」
「わかったよ・・・」
浩一は下を向いたまま去っていった。女性はその様子を、不安そうに見ている。この子、本当に大丈夫だろうか? この先、浩一はどうなるんだろう。不安でいっぱいだよ。




