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あなたと生きて  作者: 口羽龍
第2章 小学校(上)
32/36

19

 それから数か月後の事だ。千沙と浩一は3年生に、理沙は2年生になった。いじめはすっかり解決して、徐々に元の日々を取り戻してきた。だが、浩一は不安だ。またいじめられるかもしれない。今度は何をされるんだろう。浩一は不安に思っている。だが、全くそんな事は起こらない。


 理沙は千沙と浩一のクラスの下校を待って、一緒に帰っていた。1人で帰るより、千沙や浩一と帰るのがいいと思っているからだ。誰かと一緒ならば、楽しいし、安全だ。


 千沙は理沙の表情が気になった。何か考え事をしているようだ。何を考えているんだろう。何なのか、教えてほしいな。


「最近、先生の様子おかしない?」


 どうやら、理沙は担任の三原先生の様子がおかしいのが気になっているようだ。何かあったんだろうか? 2人は気になった。明日、三原に聞いてみようかな?




 明日、千沙と浩一はいつものように登校してきた。荷物を置くと、2人は職員室に向かった。3年の担任の重原に会うためではない。三原に会うためだ。最近、様子がおかしいのはどうしてだろうと聞きたいからだ。理沙によると、最近早く帰るし、毎日どこかに行っているようだ。理沙はとても気になっていた。ひょっとして、悪い事じゃないだろうか? それとも、嬉しい事があったんだろうか?


 2人は三原のもとにやって来た。三原の机には、去年結婚した妻とのツーショット写真がある。2人はとてもラブラブな感じで、写真の2人は笑顔を浮かべている。


「先生、どうしたんですか?」

「い、いや、何もないって」


 だが、何も言おうとしない。三原は少し照れてるようだ。その表情を見て、浩一は思った。やはり何かを隠しているようだ。一体何だろうか? ますます気になる。


 その日の午前の休み時間、理沙は千沙と浩一のクラスにやって来た。今朝の職員室での三原の表情を聞きに来たようだ。


「怪しいと思わなん?」

「うん」


 千沙も怪しいと思った。何かを隠しているに違いない。それが恋に影響して、離婚にならなければいいけど。


 ふと、浩一は思った。


「ちょっと後をつけてみようや」

「うん」


 3人は学校帰りに、三原の後をつける事にした。何かわかるかもしれない。




 その日の放課後、3人は三原を待ち伏せしていた。三原が何をしているのか、調べるためだ。三原には見つからないようにしないと。もし見つかったら、何をされるかわからないから。


 しばらくして、三原が小学校から出てきた。三原はどこかに歩いていくようだ。実家へ向かう道とは違う。どこに行くんだろうか?


 歩いていくうちに、3人は見失った。辺りを見渡したが、全くいない。どこに行ったんだろうか?


 それから程なくして、また三原を見つけた。どこだろうか?


「おった?」

「うん。あそこ」


 三原を見つけて、3人は再び歩き出した。どこに行くんだろうか? 3人は疑問に思っていた。


 しばらく歩いて、三原は病院に入った。病院に入るとは。病気なんだろうか? 3人は不安になった。


「病院?」

「先生、病気なん?」


 だが、理沙はおかしいと思った。三原は普通に元気な感じだ。本当に病気なんだろうか? 病気じゃないと思っている。


「でも普通に元気やで」

「うーん・・・」


 と、三原がこっちを向いた。そこには理沙がいる。そして、千沙と浩一もいる。


「あっ、松岡さん、どないしたん?」


 見られた時、理沙はびくっとなった。見つかった。どうしよう。何やられるかわからないな。


「いや、先生どうしたのかなと思って」


 だが、三原は優しい表情だ。どうやら何もやらないようだ。


「見たいん?」

「うん」


 三原は病院に入った。3人もその後についていく。三原は喜んでいる。何か嬉しい事でもあったんだろうか?3人はワクワクしていた。


 しばらく歩くと、産婦人科に着いた。どうして産婦人科なんだろう。まさか、妻が妊娠しているんだろうか? それとも、出産したんだろうか?


 入ると、いくつかのベビーベッドがあり、そこには赤ちゃんがいる。とてもかわいいな。


 三原はある赤ちゃんを見つけて、指さした。ベビーベッドには、名札があり、三原先生のフルネームが書かれている。まさか、これは三原の子供だろうか?


「これやで!」

「赤ちゃん?」


 3人は驚いた。まさか、三原が子供を設けたとは。


「うん。妻が子供を生んだんやで。昨日なんやけど」


 三原は笑みを浮かべている。いろいろ大変だったけど、妻が子供を生んでくれた。とても嬉しいな。


「ふーん。名前は?」


 だが、それを聞かれると、三原は悩んだ。まさか、まだ決まっていないんだろうか?


「まだ決まってないんや」

「そう・・・」


 やはりそのようだ。早く決まってほしいな。どんな名前になるんだろう。楽しみだな。


 それを聞いて、浩一は何かを考えていた。何を考えているんだろう。三原は気になった。


「どないしたん?」


 だが、浩一は何も言おうとしない。恥ずかしいんだろうか?


「いや、何もあらへんって」

「そう・・・」


 千沙と千沙も浩一の表情が気になった。もしかして、三原の赤ちゃんの名前を考えようとしているんだろうか?

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