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あなたと生きて  作者: 口羽龍
第2章 小学校(上)
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14

 そんなある日、千沙は何かを気にしていた。だが、誰にも言えないようだ。初恋だろうか? とても気になる。


「千沙、どないしたん?」


 千沙は振り向いた。呼びかけたのは千尋だ。


「最近、この近くに男の人が引っ越してきたんや。この人、とっても優しいんや」

「あら、そう」


 千尋は全く気になっていないそうだ。だが、そんなに優しいんだろうか? どんな人だろう。会ってみたいな。


「噂によると、大学生なんやて」


 大学生なのか。相当頭がいいんだろうか? 大学での成績はどうなんだろう。


「そうなんや」


 だが、理沙は怪しそうに見ている。千沙はどうして、その人が気になっているんだろうか? どう見ても普通の人にしか見えないけれど。


「理沙、どないしたん?」

「この人、本当に大学生なんかいな?」


 理沙は変に思っていた。この人は本当に大学生なんだろうか? 大学生っぽく見えない。何をやっているんだろう。気になってしょうがない。


 だが、千沙は知っている。この人は大学生で、とても頭がいいらしい。だが、理沙は信じようとしない。本当にそうだろうか?


「言っとるやろ? このお兄さんは大学生やて」

「ふーん」


 だが、理沙は信じようとしない。千沙は思っていた。いつになったら信じてもらえるんだろうか?




 翌日、千沙はその男に問題を教えてもらっていた。この男はまるで家庭教師のように丁寧に教えてくれる。本当に頼りになるなと思っていた。こんな人になら、結婚したいなと思っていた。


「ねぇねぇ、この問題、教えて」


 すると、男は簡単に解いていく。やはりあの人は大学生のようだ。


「いいよ。これはね、こうするの」

「すごーい!」


 千沙は驚いていた。その後ろの理沙は変に思っていた。まだ疑い深く思っているようだ。優しそうだが、ちょっと態度が怪しいように思える。


「ありがとう」


 男は千沙と理沙の部屋を去っていった。千沙はその後姿を見ている。とても頼りになるな。


「うーん・・・」


 千沙は理沙の表情が気になった。またあの男が気になっているのか。そんなに気になるのかな? 普通だと思ってるけど。


「理沙、どないしたん?」

「何でもないよ」


 理沙は気にせずに、勉強を続けた。千沙は思った。この人、何をしているんだろう。みんなに調べてもらおうかな?




 翌日の小学校の休み時間、理沙は女友達を話をしていた。話題は近所のアパートに住み始めた大学生と名乗る男の話だ。理沙はその男が気になる。本当に大学生なんだろうか? 本当は違うのでは?


 と、女友達の中村がその話題に反応した。その男の事を知っているようだ。中村は男の住むアパートの大家の息子で、その男の事を知っていた。


「えーっ、この人、大学生やないの?」


 理沙は驚いた。やっぱり自分の思った通り、その人は大学生ではないと言う。じゃあ、本当は何をしているんだろうか? 普通に社会人だろうか?


「らしいで」


 中村は真剣な表情だ。大学生だなんて、聞いた事がない。千沙にそんな事を言っていたと聞いて、腹が立った。嘘をついているからだ。本当は違うのにな。


「じゃあ、この人、何をやってるんやろ」


 理沙は首をかしげた。本当は何をやっているんだろうと聞きたいな。大学生だと思っていた千沙は、その事実を知って驚くだろうな。


「それはうちにもわからんわ」


 理沙は思った。あの男が大学生ではないって事を、千沙に伝えないと。


 小学校の帰り道、理沙は千沙と浩一と一緒に歩いていた。千沙と浩一は相変わらず仲がいい。このまま結婚したらいいのにと思い始めてきた。


 千沙は気になっていた。理沙が事実を知った直後、千沙にも男の事を話した。とても驚いていた。じゃあ、あの人は何をやっているんだろう。千沙も気になった。


「あのお兄ちゃん、大学生やないの?」


 千沙は目を丸くした。あまりにも驚いている。今まで大学生だと思っていたのに。


「そうらしいで」


 やっぱりそうだったのか。でもどうして大学生だと偽ったんだろうか? とても頭がいいと思わせるためだろうか? そうすれば、みんなから信頼を得られるからだろうか?


「じゃあ、何をやってるん?」

「わからん・・・」


 と、目の前にあの男が現れた。男は住宅街を歩いている。この時間帯は仕事なのに、どうしてここを歩いているんだろうか? もしかして、あの男は夜勤だろうか? それとも、今日はたまたま休みなんだろうか?


 と、男は千沙と理沙、浩一に目が合った。まさか、ここで会うとは。


「お兄ちゃん、大学生やないの?」


 それを聞いて、男の表情が変わった。昨日の優しそうな表情がまるで嘘のようだ。その表情を見て、千沙は凍り付いた。


「うるせぇ!」


 男は千沙を殴った。まさか殴られるとは。千沙は驚き、泣いた。


「やめて!」


 だが、男は今さっきの怖い表情から元に戻り、千沙を撫でた。今さっきのは何だったんだろう。


「ご、ごめん・・・」


 男は去っていった。その様子を、3人は見ていた。どうしてこんな時間にうろうろしているんだろうか?


「どないしたん?」

「あの人、何をしてるのかなと思って」


 理沙は不思議に思った。仕事をしていたら、そんなに暴れる事はないだろう。何をしているのか聞かれただけで、どうしてこんなに怒るんだろうか?


「気になるん?」

「うん」


 ふと、浩一は思った。この人について、調べてみよう。千尋や雅にも協力してもらおう。


「調べてみよや」

「そやね」


 3人は思った。あの男は本当は何をやっているんだろう。そう思いながら、3人は家に帰っていった。

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