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そして、4月7日を迎えた。今日から高校だ。浩一は気合が入っている。これが東京の大学に進むための第一歩だ。この3年間を頑張って、それに続けないと。一方千沙は、普通通りだ。東京に行きたいとは思っていない。ここに残って、ハルの世話をしたいと思っているようだ。だが、高校は経験しないと。
「今日から高校生か」
浩一はカレンダーを見ている。いよいよ今日が入学式なんだと実感している。
「色々あったけど、高校生活を楽しみんさい」
浩一は振り向いた。そこにはハルがいる。ここまで支えてくれたハルに感謝しないと。雅も千尋も逮捕され、徳次郎が自殺した中で、女手一人で育ててきた。今こそ恩返しをする時だと思っている。
「うん」
そろそろ時間だ。高校に行かないと。千沙と浩一は立ち上がった。
「行ってきます」
「行ってらっしゃい」
千沙は高校に向かった。中学校は一緒に通っていたが、高校は別なので、別々に登校する。ハルは思った。大丈夫だろうか? いつも一緒だった2人が初めて、別々に登校するから。
「楽しんでくれるとええね」
ハルは振り向いた。そこには遠山がいる。遠山も嬉しそうだ。
「うん」
そして、浩一も出発していく。浩一は別の道から行き、高校に向かう。
「じゃあ、行ってくるね」
「じゃあね」
浩一は高校に向かっていった。路面電車に乗って行くが、千沙とは乗る電車が別だ。高校が違うからだ。浩一は少し違和感を覚えたが、すぐに慣れるだろう。
浩一は満員の路面電車に乗っていた。とても緊張している。高校はどんな所だろうか? どんな子が通っているんだろうか? みんないい人だろうか? 友達になれる人がいるだろうか? 中学校でいじめを受けていた浩一は不安でいっぱいだ。
30分ぐらい乗って、浩一は高校の最寄りの停留場にやってきた。この駅で多くの学生が降りた。みんな、今日から浩一が通う高校の生徒と思われる。
浩一は校舎の前に立った。今日からここで授業を受けるんだ。浩一は再び気合が入った。
「今日からここか」
浩一は廊下を歩いていた。廊下には多くの生徒が行きかっている。浩一はとても緊張している。こんな雰囲気なんだな。早くこの雰囲気に慣れないと。
「ここやったな」
浩一は教室に入り、荷物を机の横に置いた。浩一は辺りを見渡している。黒板の上には校訓の書かれた額縁がある。これが進学校の雰囲気なのか。これを見ると、頑張らないとと思えてくる。
「ねぇ」
浩一は誰かから声をかけられた。その男は、おかっぱ頭の男だ。初めて会う人だ。誰だろう。
「ん?」
「どこから来たん?」
「天満」
ここから来たのか。大阪駅に近い場所だな。
「そっか。僕は京橋からや」
京橋から来たのか。京橋入った事がない。どんな場所だろうか?
「そうなんや」
浩一は緊張している。男はその表情が気になった。
「緊張しとる?」
「うん」
「僕もやで」
どうやらこの男の子も緊張しているようだ。お互い様だな。
「ここに入学するの、大変やった?」
「うん」
どっちもここに入学するには、相当の受験勉強が必要だったようだ。でも、その甲斐あってここに入学する事ができた。だが、ここでゴールではない。大学受験がゴールなんだ。どこの大学に進学するかが焦点なんだ。
「僕もやで。勉強ばかりで大変やった」
「僕もそうやった。やけど、入学できてほんまよかったよ」
2人ともほっとしていた。そして、これからもっと頑張らなければ。
「これからいい大学に行けるように頑張ろうや」
「おう」
男の子は気になった。浩一はどこの大学に行きたいんだろうか?
「どこに行こうと思っとるん?」
「東京の大学」
それを聞いて、男の子は驚いた。東京の大学を目指しているとは。目標が大きいな。すごいな。
「そうか! 僕は地元の大学やね」
「そうなんや」
どうやら、男の子は大阪の大学を目指すようだ。どこを目指すとはいえ、この3年間を頑張らないと、将来は見えないだろう。
「お互い頑張ろうや!」
「うん!」
と、足音が聞こえてきた。担任の先生が近づいてきたようだ。
「あっ、先生が来た!」
そして、先生がやって来た。先生は厳しい表情の男の先生だ。2人とも気合が入る。
今日1日の学校を終え、2人は帰っていた。その男は江田直人というらしい。優しくて、誰とも仲良くなれそうだな。
「明日からいよいよ授業やね」
「うん」
いよいよ明日から授業だ。どんな授業があるかわからないけれど、頑張っていかないと。これが東京の大学に進むための第一歩だからだ。
「どんな授業が待ってるんやろね」
「わからないけれど、頑張らんと」
「うん」
2人は最寄りの停留所に着いた。直人は向かいのホームに立った。浩一とは別のホームだ。ここでお別れのようだ。明日、また会いたいな。
「じゃあね、バイバイ」
「バイバイ」
浩一は路面電車に乗り込んだ。そして、直人に向かって手を振った。すると、直人も手を振った。今日は新しい友達になれそうな人と出会った。とてもいい日だったな。




