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あなたと生きて  作者: 口羽龍
第1巻 大阪編  第1章 一緒に住む
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 年が明けて1947年になった。徐々に戦後の雰囲気がしてきた。今年もまた平和な年が明けたと思うと、これからの日々に希望が持てる。まだまだ街並みの復興は進んでいない所もあれば、復興した所もある。


 松岡家はすっかり戦後の雰囲気になっていた。家が復旧し、家族団らんの日々を過ごせる。それに去年から、浩一が我が家に加わった。他人の事はいえ、この家族の子供だ。本当の両親とはぐれて、大志田夫妻に虐待されていたけれど、こうして一緒に平和な日々を過ごせるだけでも、とても幸せだろう。幸せな日々を過ごせるのがこんなに素晴らしいとは。浩一は喜びをかみしめていた。


 浩一は目を覚ました。松岡家で迎える最初の正月、今年はどんな1年を迎えるんだろう。ただ言えるのは、今年の4月から小学生だという事だけだ。千沙と一緒に小学校に通う。どんな日々を送るんだろう。わからないけれど、きっといい6年間を過ごすんだろうな。4月からが楽しみでしょうがない。


「年が明けたね」


 浩一は振り向いた。そこには理沙がいる。理沙は来年の4月から小学生だ。1つ上の後輩になる。もし来年に入学したら、一緒に明るく頑張っていこう。


「うん」


 と、そこに雅がやって来た。おせちができたんだろうか?


「おせち食べるぞー」


 やっぱりそのようだ。それを聞いて、2人は喜んだ。それを聞いて、千沙は起きた。


「わーい!」


 雅に続いて、3人も1階のダイニングに向かった。3人とも、おせちが楽しみだ。今年はどんなおせちだろうか?


 4人はダイニングにやって来た。徳次郎とハルはすでに椅子に座っている。おせちがテーブルに置かれている。とても豪華だ。浩一が増えたため、量が多くなっている。家族が1人増えるだけで、こんなに変わるとは。


 4人は椅子に座った。それとともに、千尋はお雑煮をテーブルに並べた。4人は食べるのを待っている。


 千尋も椅子に座った。そろそろ食べるようだ。


「それでは、新年、あけましておめでとうございます!」

「おめでとうございます!」


 新年の挨拶をすると、7人はおせちを食べ始めた。とてもみんな嬉しそうだ。こうして7人そろって、平和に新年を迎えられただけでも、とても嬉しい。


「いよいよ千沙と浩一が小学校に入学かいな」


 それを聞いて、千沙と浩一は嬉しくなった。小学校に行けるというのがとても嬉しいようだ。


「楽しみやね」

「うん」


 雅と千尋も嬉しそうだ。ここまでよく育ってくれたものだ。だけど、これから中学校、高校、大学、そして社会人になっていくだろう。果たして、彼らはどんな未来を迎えるんだろう。わからないけれど、いい未来を送ってほしいな。


「ぎょうさん友達作ろうな」

「わかった!」


 2人とも、小学校生活に期待していた。たくさん友達を作って、素晴らしい小学校生活を送ろう。きっとそれは、これからの人生において、いい財産になるだろう。でも、どんな日々があるんだろうとの不安もある。だけど、楽しい日々を送っていこう。これからは平和な日本になっていくのだから、自分たちも平和に生きていかないと。


 だが、理沙はじっと見ている。小学校に入学するのは、来年の4月だ。まだまだ自分には関係ないのだ。


「これからもっとええ時代になるで! いよいよ新しい憲法が施行されて日本はこれから平和へ向かっていくに違いないわ!」

「せやね」


 2人とも、3人のこれからの日々に期待していた。きっと、日本はこれから平和になっていくだろう。そして、そんな時代を子供たちは歩んでいく。どんな日々があっても、明るく生きていこう。そして、より明るい日本を築いていこう。


「平和な時代を生きてほしいわ」


 新年の朝は、いつも以上に素晴らしいものになった。そんな日々が続けばいいなと思った。




 その夜、雅は夜空を見ていた。今日も夜空はとても美しい。戦時中と同じように夜空が広がっている。あの頃は大変だったな。飛行機が焼夷弾を落とし、広島と長崎では原子爆弾が落ちて、飛行機の飛ぶ音や爆音がひっきりなしに聞こえた。だが、今では全くそれが聞こえない、とても静かな日々だ。そんな日々が、どんなに幸せか、しみじみと感じていよう。


 雅は横を向いた。そこには千尋がいる。千尋も夜空を見ているようだ。


「どんな未来になるんやろね」

「きっと平和な未来やで」


 千尋も、これからの日本に期待していた。きっといい未来になるだろうな。そして、素晴らしい日々になるだろうな。


「ふーん」

「3人の子供は、どんな日々を歩いてくんやろ」


 2人は、千沙、理沙、浩一の将来に期待していた。この子たちの未来はきっと明るい。この先、日本はどんな道を歩んでいくんだろう。どんな日々であっても、笑顔を忘れずに生きてほしいな。


「わからんけど、きっと明るいやろな」

「きっとそやね」


 ふと、千尋は考えた。今年の4月から、千沙と浩一が小学校に入学だ。入学までいろんな日々があったけれど、こうして無事に小学校に入学できる。それをとても嬉しく思わないと。


「いよいよちーちゃんと浩ちゃんが小学校に入学なのね」


 小学校は6年間ある。その6年の間に、どんな事を経験していき、学んでいくんだろうか? わからないけれど、きっと充実した6年間になるだろうな。


「いい6年間を過ごしてほしいね」

「うん」


 2人は夜空を見ながら、日本の未来、そして3人の子供の未来に期待していた。

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