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あなたと生きて  作者: 口羽龍
第5章 中学校(下)
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 4月になった。いよいよ中学校3年生だ。今年度はとても忙しくなる。修学旅行に、高校受験がある。だけど、乗り越えなければならない。きっとこの1年がこれからのためになるだろう。


 今日は始業式だ。千沙と浩一は中学校3年生になって初めての登校だ。理沙はまだ中学校2年生だ。


「おはよう」

「おはよう」


 と、ハルは顔を上げた。何を言おうと言うんだろうか?


「今日から3年生やね」


 それを聞いて、浩一は緊張した。今年度はいろいろと大変だからだ。


「うん。まだ実感がわかんけど」

「そやね。始業式が始まるまで感じんわ」


 千沙はまだまだ実感していなかった。まだまだ始業式が始まるまで実感がわかない。これからどんな日々が始まるんだろう。わからないけれど、いい日々を送りたいな。


「うん」

「ちーちゃん、浩ちゃん、いよいよ高校受験やね」


 それを聞いて、2人は緊張した。いよいよ高校受験だ。これによって、自分の運命が決まる。いろんな厳しい事があるけれど、頑張らないと。これがきっと将来につながっていくのだから。


「そやね。頑張らないと」

「僕も頑張らんと。だって、東京に住むんやから」


 それを聞いて、千沙と理沙は驚いた。やはり目指しているのか。浩一は東京が好きなんだな。そういえば、もうすぐある修学旅行は東京に行く。それで浩一は、何を感じるんだろうか?


「そやね」

「それに、修学旅行もあるね」


 千沙と浩一は喜んだ。今回こそは一緒に行きたいな。そして、一緒に判別行動をしたいな。


「ああ。楽しみやな」

「うん」


 浩一は前回の事を思い出した。トイレに閉じ込められて、修学旅行に行けなかった。あの時は大粒の涙を流してしまった。修学旅行に行っている仲間の事を考え、涙を流した。本当につらい思い出だったな。だけど、家族と一緒に京都や奈良に行く事ができた。だが、それでよかったんだろうか? やっぱり、みんなと一緒に行ける楽しみこそ、修学旅行じゃないのかな?


「今回は行けるよね!」

「うん! もう大丈夫やろ?」


 浩一は戸惑っている。だが、今回は大丈夫だろう。目立ったトラブルはない。体調さえよければ、絶対に行けるだろう。


「もちろん!」

「やけどそれ以上に、高校受験が重要になってくるで」


 だが、それ以上に重要になってくるのが、高校受験だ。高校受験は家の運命を、自分の未来を決める重要な事だ。これでうまくいかなかったら、東京には行けないだろうと思っている。


「そやね」


 ふと、ハルは思った。千沙と浩一はどんな進路なんだろうか? 浩一は東京に行くから、名門高校に進むだろうな。千沙はどうだろう。ここに残ると言っているので、そこまでいい高校を目指さないだろうな。


「2人はどんな所に進むんかな?」

「わからんけど、ええ所に行ってほしいわ」


 2人は目を明るくした。きっといい所に行って、ハルを喜ばせてみせる。見ていてくれ。


「任しとけ!」

「受験、頑張ってね!」

「ああ」


 突然、ハルは浩一の肩を叩いた。どうしたんだろうか?


「浩ちゃんは賢いさかい、頼りになるわ」

「おおきに」


 浩一は嬉しくなった。賢いと言われているけれど、本当なんだろうか? 自分は東京に行きたいと思って、こんなに頑張っているだけなのに。


「これからは君たちの時代や。頑張りなさい」

「はい!」


 2人は元気よく答えた。これからは自分たちの時代だ。平和な日々の中を歩いていき、日本を発展させていくんだ。その先の未来には、何が待っているんだろうか?


「お姉ちゃんと浩ちゃんは来年から受験なんか」

「うん」


 理沙は高校受験を気にしていた。今年は千沙と浩一が高校受験だが、自分も来年は高校受験だ。大変だけど、乗り越えていかなければ。その為には、何が必要なんだろうか? わからないけれど、頑張らなければ。


「私も来年からそうなんやね」

「今は考えず、今を頑張りなさい!」


 ハルの言葉に、3人はシャキッとなった。これからの平和な時代を生きていく僕らは、これから何を経験していくんだろう。わからないけれど、いい未来が待っていると信じよう。


「わかった! まだ考えないようにする!」

「もう戦後から10年。日本はこれからどうなるんやろ」


 思えば今年で戦後10年だ。徐々に戦争の記憶は薄れていく。だが、忘れてはならない。日本には、戦争をした時代があるという事を。そしてその中で、多くの命が失われたという事を。


「きっと平和になって来るって」

「やったらええけど」


 浩一は思っていた。本当に平和な日々が続くんだろうか? 全くわからないけれど、平和な日々が続くには、僕たちの平和への願いが必要になってくるだろう。頑張っていかないと。


「日本の未来に期待しましょ?」

「うん! そやね」


 ふと、ハルは雅と千尋の事を思い浮かべた。多くの放火殺人を起こし、逮捕された。まだ裁判は終わらないが、あれほどの犠牲者を出したのだから、おそらく死刑だろうな。そんな息子夫婦は、もう知らない。もし帰ってきても、会いたくない。面会すらしたくない。


「それにしても、雅と千尋は」

「もうあいつらの事は考えんようにしようや」


 浩一は考えていた。もう雅と千尋の事は忘れよう。浩一のためとはいえ、あれだけの罪を犯したのだから。


「そやね」

「考えるの体に毒やよ」


 理沙もそう思っていた。犯罪を犯した息子夫婦の事はもう忘れよう。


「すまんすまん」


 と、ハルは空を見上げた。雲1つない空が広がっている。彼らの未来は、この青空のように晴れ渡るんだろうか? わからないけれど、3人の未来に期待しよう。


「豊かな社会になっていくとええね」

「うん」


 浩一も空を見上げた。まるで今日の始業式を祝っているかのような青空だ。


「きっと明るい未来が待っとるよ」

「これから日本はどうなってくんかな」

「どうやろ」


 4人は日本の未来を考えつつ、始業式の朝を迎えた。

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