【第4章:第1節】 「“実需”って何?──Piの価値を決める“使われる”という現実」
Piの価値を語るとき、しばしば登場する言葉がある。
それが「実需」だ。
仮想通貨の世界では、「技術」「トークノミクス(経済設計)」「将来性」など、
さまざまな視点で価値が論じられる。
だが、最終的にその通貨が“本物”かどうかを決めるのは、
**「実際に使われているかどうか」**──これに尽きる。
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● “投機”と“実需”の違いとは?
最初に押さえておこう。
•投機需要:
→ 「安く買って、高く売る」ことを目的に通貨を持つこと
→ 例:Piを買って、5倍、10倍になる未来を期待してホールドする
•実需:
→ 「何かに使うため」に通貨を保有・利用すること
→ 例:Piで食事を支払う、dAppの課金に使う、イベントの参加費にする
投機は“将来の価値”への期待、実需は“今の便利さ”への納得とも言える。
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● なぜ実需が大事なのか?
通貨において、投機だけで価値が支えられるのは初期だけだ。
いずれ「それ、何に使えるの?」という問いに答えられなければ、
人々は離れていく。
これは、過去に多くの仮想通貨が直面した“価格暴落”の根本原因だ。
実需が生まれなければ、通貨の寿命は短い。
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● Piの“実需”は、今どうなっている?
ここが重要なポイントだ。
現時点(2025年3月)において、Piには以下のような実需の兆しがある:
1.PiFest
→ 世界中で27,000店舗以上が参加した「Pi決済OKイベント」
→ Piで商品購入やサービス利用が実際に行われた
→ 店舗によっては「Pi専用割引」などの取り組みも登場
2.P2P(個人間)決済
→ SNSやコミュニティ内で、Piによるチップ・投げ銭・取引が発生
→ 特に東南アジアやアフリカ地域で、ローカル決済に使われる動きも
3.dApp内ユーティリティ
→ Piブラウザ上で動くアプリの中には、Pi決済機能を搭載したものも存在
→ ミニゲームの課金、NFT交換、デジタルサービス利用など
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● とはいえ、「まだ兆し」にすぎない
上記の実需例は、確かに希望を感じさせる。
だが、現実的にはまだ「日常生活の中で当たり前に使える」段階ではない。
•Piが全国チェーンの店舗で使えるわけではない
•税金や公共料金の支払いに使えるわけでもない
•ほとんどのユーザーは「Piを使ったことがない」のが現状
つまり、“実需は始まりかけた段階”というのが、現実的な評価だ。
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● 実需が育つと何が起きるのか?
実需が本格化すれば、次の3つの効果が生まれる:
1.価格の安定化
→ 投機だけで価格が動かなくなる。実需が支える“底値”が生まれる。
2.通貨の定着
→ 「持っていて当たり前」「使って当たり前」という感覚が広がる。
3.エコシステムの拡張
→ dAppsや企業が「Piを使って何かを提供する」ことで、経済圏が拡大する。
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● Piの未来は、“使われるかどうか”にかかっている
難しい技術も、複雑なトークノミクスも大切だ。
だが、最終的に通貨としての価値を持つかどうかは、
**“誰が、どんな場面で、どう使っているか”**に集約される。
あなたの手元にあるPi。
それが、世界中で「使われる通貨」になる日は来るのか?
この問いは、これからのPiの発展に直結している。
そして読者であるあなた自身が、その一部になれるかもしれない。